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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
邪獣動乱編
279/302

第269話 閉じられし花舞う世界

 禁足地....

 それはレギスの森の奥深く、神域のさらに奥、

 邪獣が封じられし別次元空間。


 長き時が経ち、

 封印は弱まり空間の壁も壊れ始めた。


 終わりゆくその世界は.......



 「....え。」


 それは花畑。

 青い空と一面花が咲く世界。


 「これが....禁足地だと?」

 「花...どうして?」


 後ろには黒い穴、

 私達が通って来た場所だろう。


 私達は混乱しつつもなんとか状況を確かめることにした。


 「...ここが禁足地である事は間違いないんだね?」

 「ああ、俺達は間違いなく禁足地にいる。」

 「みんな、意識は大丈夫?」

 「大丈夫、ちゃんと歩ける。」

 「僕、キジコ、ハルカ、ヴァルケオ、マウリ...ちゃんと全員いるね。」

 「全員無事だな、慎重に進むぞ。」


 破邪の力を纏い私達はどこか不気味な花畑を進んだ。


ーーーーー


 風が吹くたび花びらが舞う、なのに花はどこも欠けていない。空には太陽がない、なのに明るい。見た事もないその花はただゆらめいている。


 歩いているうちに少しずつだが違和感...というか不気味さを感じるようになった。私のレーダーが感じとっている、この先に何かあると。


 「この先...。」

 「何かあるな、まだ見えもしないが。」

 

 皆も感じとっている、

 見えもしないのに感じるこの不安感、

 これはただそう思っているだけなのか、

 邪獣の力によるものなのか、


 「ここまで来ると本当に不気味ね。」

 「もし何かあれば撤退するよ、それでいいね?」

 「それでいい、馬鹿正直に突っ込むよりはいいさ。」

 「ああ、...ん!?」


 周りに霧が発生し私達の周囲を囲む。

 地面からは花が消え冷たい風が吹く。


 「来るぞ。」


 それは黒い煙、もや、オーラと言える何かで出来た人型の化け物が3体。


 「これは...。」

 「やっぱりエンカウントするかぁ。」


 ゲームでいう敵が現れたってやつ、

 ここまでわかりやすく来るとは。


 「私に任せて、紅蓮之風ぐれんのかぜ!」


 全体に大きなダメージ!

 オーラA、B、Cは消えた!


 キジコ達は経験値を獲得...したかは知らない。


 「ずいぶんあっさり終わったな。」

 「序の口なのかもしれないし何か理由があるからなのかもしれない。だが倒した途端元の景色になった、どうする?」

 「戻るのが正しいと思う。私達はあくまで調査をしに来ただけだ。」

 「そうだな...っ!?」


 ヴァルケオは突然焦り後ろを振り返る。

 私もレーダーで感じ取った、

 皆も気づいた。


 「...飛ばされたな。今の霧だな...さっきまでとは違う場所にいる。」

 「っ...!!出口は!!」

 「大丈夫だ、正常に開いている。」

 「場所は....俺達が今進んだ方向から左上、10時の方向だ。」

 「...出れるのか?」

 「手段はある、早速使わせて....もらえないようだな。」


 再び霧が立ち込める、

 オーラが次々と現れる。


 「お前ら、長期戦の覚悟は出来ているな?」

 「うん!」

 「わかった...行くぞ!!!」



ーーーーーーーーーー

 一方リーツ...


 「そうですか...。」

 『今はあるじの帰りを待つだけなの。」

 

 キジコ達の無事を祈るルザーナ達。

 ある一件から自立心が芽生えキジコと行動する事がちょっと少なくなったが、しばらく一緒に冒険をしていないのでどこか退屈そう。

  

 「...二人とも、ちょっと考えた事があるの。」

 『どうしたの?』

 「?」 



 「...私達さ、師匠といたいけど...そろそろ自立、あの家から出るべきなんじゃないかな。」

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