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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
邪獣動乱編
276/302

第266話 キジコvsシルト 模擬戦

 ムート王国、夜...模擬戦。


 「...では、お願いします!」


 大剣を構えるシルト、


 「いつでもかかって来てください、...ちなみにヴェアートさんとも戦った事ないけど...どっちが強いの?」


 燈朧ひおぼろ発動、久遠抜刀の構え、


 「わかりせんね!!」

 「ふんっ!!」


 大剣と小太刀が火花を散らしぶつかり合う、


 「重力比例攻撃、妖炎壁。」

 「っ!!」


 大剣の重い一撃を重力比例攻撃で弾き、その隙を狙い妖炎壁で周囲を囲む。シルトの再突撃

を防ぎつつ距離を稼ぎ体勢を整える。


 シルトの剣に魔力が纏われる、何か飛ばしてくるな?


 「真空斬!!」

 「レーダーフル稼働。」


 見えない斬撃の中距離技、妖炎の揺らぎとレーダーを起動すれば位置はわかる。


 今更だがこれ覚えたら便利だよな?

 私猫だし爪からでも使えるんじゃね....、


 「猫爪っ、はああ!!!」

 「っ!?」


 (攻撃アタックスキル、真空爪しんくうそうを習得しました。)

 (鋭い爪による真空波で不可視の斬撃を与えます。)


 「...本当に出来た。試してみるもんだな。」

 「もしかして今習得したのですか...?」

 「うん。」

 「...早速改めてキジコ様の真の恐ろしさがわかりましたよ。」

 「それはどうも。」


 シルトは再び剣に魔力を纏わせる。

 今度は水、妖炎の影響を少しでも減らし水を纏った分の重量増加で攻撃するってところか。


 「はああっ!!!」

 「五連斬フィーフスラッシュ」!」


 どんな攻撃が来るかをまずは様子見、

 妖炎壁を蒸発させ突撃、予想通り剣撃の重さが上がっている。

 

 「水流斬!!」

 「うおっ!?妖炎斬!!!」


 五連斬で弾かれた反動を利用し後ろ回し斬り、剣に纏っている水が高速で流れさらなる斬れ味を生み出している。


 妖炎剣を使って正解だったか、普通に斬れば刃こぼれしていた可能性がある。


 「押し斬る!!」

 「魔力が惜しいけど....重力比例攻撃!!」

 「それを待っていた!」

 

 ...っ!


 重力比例攻撃を発動する瞬間刀が軽くなった...いや違う、剣を浮かせやがった!!

 まずい、絶対何か来る!!


 「重化斬撃!!!」

 「うあああっ!!?」


 ニコが使ってた技か!!

 体勢崩してしまった、今重力比例攻撃を使うのは難しい...!!


 なら....、


 「押し通るがダメなら...受け流す!」

 「!!」


 多少無理してでも体を捻り刀を傾ける。

 シルトの一撃は私の横を通り地面を穿つ。


 そして小太刀だからこそ小さい範囲で...


 「反撃ィッ!!!」

 「魔力防壁!!!」


 チッ、防がれたか。

 なら...


 「妖炎斬り!」

 「水流防壁アクアバリア!!」

 「ぬわあ!?」


 水蒸気が立ちこもり前が霞む。


 「ようやくこの状況に持ち込めましたよ...。」

 「なに?」

 「この状況だとキジコ様、全開で戦えないのではないですか?」

 「どういう...ぁっ!?」


 レーダーが鈍ってる。

 やられた、湿気で毛がジメジメする...。

 猫は多湿が苦手だ、食欲落ちたり活動力が減って不快になる。


 つまり私...猫という生態的に不利な場に持ち込むのがシルトの作戦だったのだ。


 「うへ...やってくれたね。」

 「卑怯な手を使ってすみません...。」

 「いいさ、実力を試すなら単純な攻撃ばかりではわかりづらいもんだ。小細工ある方が燃える!!」

 「っ!!」

 

 私はあえて湿気を処理せず突然する。


 「うらあああああ!!!!」

 「っ、うおおおおおーーー!!!!」


 動揺したな、一瞬大剣が震えた!

 私が妖炎やらで湿気を処理するのが前提だったな、

 様子から察するに...


 1、湿気発生

 2、キジコが湿気ぶっとばーす

 3、晴れた〜

 4、また湿気を発生させる


 って感じだろう。

 だが発生させる湿気は多すぎてはダメだ。

 もし私を封じるくらいならもっと多湿にする必要があるが、それは自分にも悪影響を及ぼすだろう。

 

 なにせ向こうも甲冑装備、機密性の高い装備で多湿は辛いはず。だから高すぎず低すぎない湿度を狙ったのかもしれない。


 実際、纏っていた水の量が蒸気を発生させる際は減っているように感じた。あの時調節したか...。


 だが湿気を処理せず真正面からくるのは意外だったようだ。


 「はああああっ!!!」

 「遅くなったのはあんたも一緒だ!」


 私は重力比例攻撃で大剣を弾き飛ばした。


 「....!」

 「それまで。」

 「「!!」」


 修練場の端から女性の声。

 そこにいたのはムート王国の女王様。


 「ああ、お邪魔してます、女王様。」

 「ようこそいらっしゃいました、キジコ様。総団長との戦いは一部始終見させてもらいました、そして我が軍の兵士を指南していただきありがとうございました。」

 「いえいえ、むしろ勝手な事をしてすみません....。」

 

 ぐぅー....、


 「....ごめんなさい。」

 「お食事を用意しましょうか?」

 「いえ、今日は泊まる予定もありません。家族が待ってますので。」

 「そうでしたか、では転移でリーツまでお送りしましょう。もう外は暗いのでこれくらいはさせてください。」

 「ありがとうございます!」

 

 「そうだ、キジコ様。ヴェアが前に一度キジコ様と戦いたいと言ってました。私だけが戦うと何言うか分かりませんのでもし出来ればお相手お願いします...。仕事は真面目ですが素は意外とわがままで女の子な一面を持ってるのはご存知でしょ?」

 「ああ....そうだね。」


 でも帝国は戦力揃ってるから今は行く意味がない。

 どーしよ。

 

 ちなみに報酬金は翌日ちゃんと入金されていたのでお金はご心配無く。

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