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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
邪獣動乱編
275/302

第265話 酔い止めは飴です

 ムート王国....


 「....ぅぇ...。」

 「大丈夫...ですか、キジコ様?」

 「大丈夫....飴舐めたから....。」


 酔って気持ち悪いキジコです。

 現在ムート王国にいるのですが、突然かかってきたハルカからの連絡で連結リンクスキル[視覚共有]を発動しました。


 なんでもやばい状況だったらしく、もしもに備えて今持つスキルの応用をしたいと考え、それで超視力の夕日色少女オレンジガールことアイちゃんの視覚を魔力共有で連結出来るのではと考えたそうだ。


 彼女は視力を分散させ、様々な角度に視力を持った魔法陣を張る事で視野を広げるスキルを持っている。元の視力がとんでもない彼女だからこそ扱えるのだ。


 そうして眺めた光景は壮大、

 俯瞰カメラ画面やVRなんて比じゃない、

 素晴らしい世界...だったのだが。


 あまりの情報量、立体的視覚、ワイバーンに乗ってる故に動く視覚...それ故に私は1分も無く酔い始め、レーダーフル稼働していたハルカは降りた後にゲロってしまった。


 こんなのを扱えるなんてアイちゃん、情報処理能力高いんじゃないか?将来有望だ。


 現在私は飴を買って舐めてようやく落ち着いてきた。

 挑戦ってのは失敗も着くんだなぁ。


 「...よいしょ、」

 「動けますか?」

 「あー大丈夫シルトさん、だいぶマシになった。」


 それでも顔が微妙に青い私。

 

 「それにしても...首都はやっぱり広いな。半分も周れてない。」

 「はい、首都の面積は帝国首都の約1.1倍はありますので...。」

 「まじかー....。」


 1.1倍も十分大きいわ。


 「...シルトさん、城に行く事って出来る?」

 「はい?」

 「邪獣前兆が少し厄介になってきてさ、各国今の戦力がわからないから大丈夫かどうか、この際一度兵士達の力を見ておきたくてさ。もし邪獣が復活したらもっとやばくなるかもしれない、だから...お願い出来るかな?」

 「なるほど...であれば早速城に向かいましょう。善は急げとも言います。」

 「ああ!」


ーーーーー


 時間は飛んでハルカ達....


 「あにー、無事かー。」

 

 すっかり暗くなった時間、買い物済ませて家に帰ってきたアイ、家で休んでいる兄ロイヴィ、心配でやって来たハルカ。


 「大丈夫ですか、親方さんからもご丁寧にフルーツ森貰ってきたよ。あの人すげぇ丁寧だな。」

 「親方は厳しいが結構気を使ってくれる人だ。だから優秀な技師になった弟子が多いらしい。」

 「へぇ、良いとこで働いてるじゃん。」


 ロイヴィも回復してきたようで良かった。

 

 ただ気になるのは...あの夫婦。

 邪獣の前兆として複製されたロイヴィとアイの両親。

 彼らからは強い魔力なんて感じなかった、だが彼らはロイヴィに何かしていた。聞くところによると昔の世界にいたような感じだったという。もしかすれば精神系に関するスキルを使っていたのだろうな。


 でもこれは今までの邪獣個体とは違う、

 殺すよりも効率的な何かがあったって事だよね...鍵になるのはそこか。


 もしかしてただ恐怖の殺戮をするよりもああやって誰かに対して深いトラウマ抉る方がポイント高い的な?いやでもロイヴィさんの様子からして妙に違うし....あーだめだ考えてると頭痛くなる。


 「それじゃ私はこの辺で失礼します。」

 「わかった、気をつけね。」

 「今回は本当にありがとうございました。」



 二人の住む家をでて家に帰るハルカ

 自宅前には...


 「ん?何してんの教授。」

 「帰ったか。コイツを渡そうと思ってな。」


 ハルカは酔い止め飴を手に入れた! ▼


 「わーいありがとう......って遅ぇよ!!!」

 「治ったからと言ってまた何かあるかわからんだろ、それにはミントが混ぜ込んであるから気分がスッキリするぞ。」

 「そうかいそうかい....では聞いて良いか?」

 「なんだ。」

 「この世界のミントは[ミッカ]って言うんだぞ。」

 「...!」


 教授はハッとした顔をしていた。


 「やっぱり...教授、あんたも転生者か。」

 「...そうだ。倉田くらた数也かずや、それが俺の本名だ雉野きじの小夏こなつ。」

 「いきなりそっちの名前で私を呼ぶかい。」

 「どうせ聞いてるんだろ、二人揃って同一人物が。」

 〈...。〉

 「でもまぁ都合の良いことに日本人だったか。」

 「それがどうした?」

 「いーやなんにも。同郷の人がいるだけ変に寂しくないって事さ。....さて、報告がある。」



ーーーーーーーーーー


 「....アイツも日本人だったのか。通りでなんかやる事に妙な思い切りがあると言うか...。」

 「あ...あの...キジコ様?」


 ムート王国城、修練場。

 現在キジコは兵達を集めて彼らの戦力増強として特訓に付き合っている。教員免許は持ってないけど思い切った暇つぶ......行動だと思ってる。


 「さてさて、そこは脇が甘い、そっちは集中が鈍ってる!」

 「オッス!!!」

 「(1)すごいな...みんな霊獣様に指南してもらえるとかなんとかで張り切ってる。」

 「(2)すごいとか言ってるけどあの方は普通の人間様だな、飴で目眩を治してるのが証拠だ。」

 「(3)だな、案外俺達の上に立つ人らもそんな人が多いのかもな。」

 「お前ら、話してばっかだと鈍るぞ。」

 「(1)これは失礼、総団長。」

 「さて...。」


 「キジコ様、この王国騎士団総団長にして聖勇者シルトと手合わせをお願い出来ませんか?」

 「(1、2、3、モブ)えええ!?」

 「ん?良いけど...どしたの?」

 「この際試させてください、私は私の実力を知っておきたいのです。」


 シルトは大剣を構える。

 その目は戦士の目。


 「わかった、やるならば全力で来い!格好つけて言うなら....我は霊獣キジコ、その意志に応え相手をしてやる!!!」

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