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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
邪獣動乱編
271/302

第261話 少女とお絵描き

 キジコの家、縁側....


 「つまり、ハルカは私の魔法適正データがあって生まれたって事か。はーん、世の中どこに誰の役に立ってるかわからないね。」

 「いやそんな軽ーい話じゃないよ?」


 私ハルカは自身の出自について話した。

 アイが洗脳された時の魔法適正や戦闘データでこの肉体がようやく完成した事を。

 研究所の人間である事。

 私とお母さんの関係を。


 「過ぎた事はいいの、その過去があったおかげで私は今友達と絵を描いているから。」


 いやいやいやいや!!!

 この子メンタル強すぎんだろーー!!!?

 普通だったら思い出したく無い、吐きそうオエーッってなるような事態になりかねない展開だよ!?


 「じゃ、じゃあ聞くけど...私一応研究所の人間でもあるんだよ、それ気にしないの?」

 「ハルカはハルカでしょ、だから気にしないの。」

 「アイ....わかった、じゃあ今は絵を描き続けよう。」

 「うん。」


 話していてわかった、

 アイは同年代、年の近い友達がいないようなのだ。

 その力を狙われ追われ、この地についた時には強い自立心があったりで友達作りよりも生きる事を中心にしていたそうだ。...親を失った故もあるのだろう。


 だから私のようなのと出会い友達になれた事が今一番嬉しいのだろう。人の気持ちに敏感な猫である私にはわかる、無機質な喋り方をしているがとてもワクワクしている。

 ほら、よく見ると顔が少し赤くして口角が上がってる。


 「...どうしたの?」

 「いや、喉乾いてない?」

 「うーん...多分、乾いた。」

 「わかった、お茶持ってくるね。」


 ついでに茶菓子出してやろう。

 この前美味しいの見つけたがお母さんよりも先に食べさせてやろう。

 

 「ちなみに何描いてるの?」

 「...内緒。」


ーーーーー


 「むっ!?」

 「わぁっ!?どうしたんですかキジコ様!」

 「...いや、誰かに何か先越された気がしたので。」

 「....?」


 一方ムート王国、キジコ達。


 「まぁ、結晶破壊は完了した。周辺の荒れた環境は時間が経てば戻るはずです。」


 私は結晶で荒れた森に精霊水の川から組んだ水を周囲に撒く。すると植物が少しだけ戻り始めた。


 「ありがとうございますキジコ様。本当に助かりました。」

 「こちらこそ役に立てたようで良かったです!いやぁ、まさかまた王国で結晶が発生するなんてねぇ...と言うより結晶の発生が多くなっている。」 

 「はい。情報によりますと、このようになっているのはこの大陸だけで、他の大陸はなぜかここ程では...。」

 「そう...邪獣の復活が近づいてる意味合いなのかな...。」

 「わかりません、まだまだ情報不足ですね。」


 謎が深まるばかりだ。

 この前のロティアートやその後の悪寒、

 邪獣は何を考えている....。


 「ああそうだシルトさん、この後王国に立ち寄ってもよろしいかな?まだまともに行った事ないからこの機会に大丈夫でしょうか?」

 「全く問題ありませんよ、ぜひ訪れてください。」

 「では私は一度国に連絡をする、皆は帰還準備をしてくれ。」


 やっと王国かぁ、

 初めてこの世界にやってきて関わった二国家のもう片方。


 聖人族は前世の人間に結構近い。

 金髪系の髪が特徴で、転生先がこっちだったら異世界の実感湧きづらかっただろう。


 王国ってどんな国だろうか、帝国関連の知り合いは多いけど...ちょっと緊張してきた。


 まぁ考えるより行ってみる方が何より早い、100回聞くより1回の見物。人から聞くよりも自分の目で見る方が良いに決まっている。


 帰ったらハルカ達に土産話をいっぱいしてやろう、どんなところかなぁ!


 「ねぇシルトさん、王国で何か美味しい店って何がありますか?」

 「そうですね...、」


 2「とうとう我らの国にもキジコ様が参られるか...。」

 3「ああ、うちの娘が最近開いたカフェも紹介するべきか...。」

 1「我ら団長組は今日も緊張でいっぱいだー。」



ーーーーーーーーーー

 戻って

 「...出来た。」


 両手をんーっと伸ばし肩をほぐす。

 そこにはとてもよく出来た花束の絵。


 「すごい、流石はアイだ。」

 「目が良すぎてこう言う技術が身についたの。」

 「へぇ...こりゃすげぇ...。」

 「ハルカは何描いたの。」

 「ん、私?」

 

 ちょっと恥ずかしいがアイにそれを見せる。


 「これって....私?」


 私が描いたのは...アイ。


 「凄い....こんな綺麗に描いてくれるなんて。」

 「頑張った。」

 「でも...なんだろう。」


 あ、漫画チックに描いたのまずかった?

 ちょっと目を輝かせ過ぎた?

 体細過ぎた?


 「....こういうの面白い。ありがとう、ハルカ。」

 「ふふっ。」


 結構楽しかったです。

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