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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
邪獣動乱編
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第251話 雪の日の企て

 12月...27日。

 前世の世界で私が生まれた日。

 この世界は向こうよりも1ヶ月多いからズレてるから実際今年は11月27日なんだけど、誰がどう言おうと私はこの日でいい。

 閏年とかもあるんだから考えなくてもいい。


 話は戻して現在。

 積雪により歩きで帰れないのでタビさんに転移術式紙を使ってもらってようやく町に帰って来ました。


 町は雪かきをする人達でいっぱい。

 すごいな、私が住んでた地域より積もってるわ。


 さて私達は自宅前に転移。


 「では私はこれで。雪かきがまだまだまだまだありますので!」

 「タビさん非戦闘員の割に絶対体力あるよね。」

 「ふふふ...。」


 タビさんは不気味な笑いを見せながら館の方へ去って行った。

 

 「さて、ルザーナ達も仕事言ってるだろうし私達は防寒具着替えて雪かきしようか。」

 「だね、魔力使ってまで体温めたら疲れる。」

 「あらかじめハルカ用の防寒着をクルジュさんに頼んでおいて正解だった。さ、着替えよう。」


ーーーーーーーーーー


 「ただいま戻りました、朱斗様、蒼鈴様。」

 「ご苦労、タビ。」

 「実行は今夜だ、準備を進めるぞ。」

 「了解です...。」


 一方館に戻ったタビ。

 朱斗達にキジコ達を家へ無事に送ったことを報告。


 「そういえば、キジコ様のご友人のニコ様は?」

 「すでに伝えている、今頃張り切ってるだろ。」

 「なぁ朱斗、正直周りから見たら友人以上の何かの気持ち持ってるってあの娘、キジコ様に何かを片想いしてるって。」

 「ああ。」

 「ですね、プレゼントに何が来るか怖いですね...。」


 ニコの事だ、迷うくらいなら全部もってきそうである。


 「それにしてもよく制御しましたね。」

 「いや、言った時はやばかった。」

 「?」



 「(...なんだ。)」

 「(ええええええええーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!??)」

 「(ぁぁぅるせえってニコ様ぁ!!?)」

 「(今すぐ確認を!)」

 「(待てって言ったらパーだ!!)」

 「(あ...そっか、ごめん。)」

 「(プレゼントは任せる、実行は明日の夜7時だ。)」

 「(了解任せろよっしゃああ!!)」


 「...じゃじゃ狼だ...。」



 「ってわけだ。」

 「それは大変でしたね....。」

 「あの娘の事だ、ただの女の子感覚ですっげぇはしゃいでるだろうな。」

 「以前出会った狼の先生ことウダスって奴苦労するだろうな。自分の生徒が元気なのは嬉しいがはしゃぎ過ぎるってのはな。」

 「全くだっはは。」

 「おやおや、お二人が小さい頃も言えた口ではありませんよ?」

 「「ばっ..それは!!」」


 そのタイミングでドアからノック音!!


 「すみませーん、クロマです。」

 「おやおや良いところに(ニタァ)。」

 「蒼鈴、そのバカ止めろ!!」

 「言われずとm.....。」

 「遅いよ!」

 「「ゴッハァ!?」」


 ガチャッと開く扉。


 「失礼しまーーー.........なんですこの状況。」

 「いえいえお気にせず、戯れてた猫を抑えただけですよあっはははは!」

 「「タビてめぇ...。」」


 床に倒れる2人、優雅に座るタビ。


 「せっかくですしお話しましょ、お二人の昔ばーなーし。」

 


 「愛する我が子達、誕生日プレゼントよ!!おめでとーーーー!!!!!」

 「「わーい母上ー!!」」


 はしゃぐ朱斗、蒼鈴(9歳)

 可愛い息子達の姿にデロデロの甘々な桃花

 とにかく嬉しい翠柳


 「誕生日おめでと、朱斗、蒼鈴」

 「「ありがとうございます、父上!」」

 

 半分溶けて見た目になんか丸みがある桃花。

 嬉しさあまりに2人を抱いて顔スリスリ。

 んで持ってゴロゴロ、絶賛暴走中!


 「母上苦しー!」

 「苦しー!」

 「にゃーーんがーわ゛ーい゛い゛ーーー!!にゃんにゃーん!!」



 「って感じです。」

 「いやそれ恥ずかしくなるの桃花様じゃないですか、赤くなるのはデロデロなってた桃花様ですよね。」 

 「...母上が今以上にデロデロなってた事があるのは知られたく無かった。」

 「そういうの!?」


 タビさん終始笑顔。


 「大丈夫です、薄々手遅れでしたので。...ってか、タビさんなんでその事知ってるの!?あんたいくつ!?」

 「ンッフフ、内緒ですよ。でもあえて言うなら私は朱斗様と蒼鈴様のお世話役です。お二人を御する程度の強さと図太さを持ち合わせなければやっていけないですよ。」


 さらっと化け物発言。

 この人なんでもありかよ。


 「ああクロマさん、ご用件は?」

 「おっとと、こちらです。」


 クロマは箱の中から2足の靴を出す。

 それはキジコが履いているのと似たスニーカー。


 色はより黒く、

 2本のマジックテープ、

 ショルダーには金色のラインが入っている、

 ソールの形状はとても良くできており弾力も良い、

 何より重力が女性にはちょうど良い、

 

 そしてこれは...、


 「...っと、女性へのプレゼントにあまり触れる訳にはいきませんね。とても素晴らしいです、キジコ様もお喜びになられるでしょう。」

 「私達が頑張って作ったこの世にもう2足も無い靴です。絶対に喜ばせます!」

 「良いですよその意気込み!誰かを思う気持ちは大切ですよ!」

 

 クロマはワクワクする。

 

 「師匠きっと似合うだろうな...いや絶対似合う!」

 

 そう言ってクロマは部屋を出て行った。


 「さて、私もそろそろ除雪作業に戻るとしましょうかね。朱斗様も蒼鈴様も立った立った、うるさい桃花様がはしゃぐ前に面倒事は片付けますよ。」

 「「...だな。」」

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