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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
邪獣動乱編
260/302

第250話 騒がしくなる日の朝

 夜中12時、

 テントの中、同じ布団で眠る母娘。

 皆が寝静まった暗い時間にただ1人、

 作戦を企てる者は起きていた。


 「(こちらハルカ、お母さんは特に異常無し。)」

 「(こちら朱斗、ルザーナ達もプレゼントは無事完成済み。)」

 「(了解、明日こっちに転移役を向かわせて。クロマは多分ここに来たことが無い。)」

 「(わかった。)」


 転移は一度来た所じゃ無いと使え無いからね、今度連れて来よう。


 「(それと現状報告....、)」

 「(?)」



 ふぅ...報告おーわり。

 驚いてたな、アマナとヤグルマの話は。

 まぁでも一番驚くのは明日の...いや今日のお母さんだ。

 きっと喜ぶだろうなぁ、楽しみ。フフッ!


 「...んぁ....。」


 ほぁっ!?

 

 「...晴夏...まだ起きてるの...?」

 「う...うん、眠れなくて。」

 「そっか....。」


 お母さんは私を抱きしめる。

 思ったより暖かい。

 子供の頃、前世のお母さんやこの世界に来てマウ姉にしてもらった時もこんな温もりがあった。

 誰かを守りたい暖かさ。


 「....。」

 「これで....眠れるね。」

 「...うん。」


 途端に眠くなってきた。お母さん何気に母性とか目覚めてるのかな。


 ...あまり深く考えれない。

 暖かくて...眠いからもう...なんだか........。


ーーーーーーーーーー


 それから特に何もなく、私達は朝を迎えた。

 スズメっぽい鳥の鳴き声と共にテント越しに見える朝日が内側を温める。

 もう9時過ぎてるかな...これ。


 でも起き上がれない。


 「もう少し...いろぉーー....。」

 「お母さんいつまで私を抱き枕にする気だ。潰れるぞ。」

 「はいはい...。」


 お母さんはずっと私を抱いたまま寝ていた。

 私はお母さんに抱かれたまま寝ていた。

 それ以上抱かないで、二度寝しそう。


 「んん....よいしょー..。」

 「「ふぁぁぁ.....!!」」


 大きなあくびでおはようございます。


 寝巻き姿の親子はフワフワボサボサの髪をお互い寝ぼけた半目で見合い笑う。


 テントの入り口を開けて外に出てみれば、とっくに起きている守護獣達。


 「おはよ、2人とも。」

 「おはよー!」

 「よく眠れたか?」

 「あー、よく眠れたよ。すっごいよく眠れた。」

 「うにゃ。」

 「それは良かった。」


 マウ姉がどこかで買ってきたサンドイッチを持ってきた。


 「そういえば、今エデル領域は積雪どうなの?」

 「嫌な予感が当たった、かなり積もってるらしいよ。跳躍や走って帰るのはやっぱりやめておいた方がいいね。」

 「そう...ああ、アマナとヤグルマは?」

 『ここにいます。』

 「「ぅおわ!?」」

 『『おはようございます。』』


 後ろから急に現れる式神っぽい精霊2人。


 『主様、お客様がお見えです。』

 「!」


 「おはようございます、皆さん。」

 「あれ、タビさん!?」

 「なんでここに....!」

 「フフッ。」


 タビさんはヒラヒラ紙をちらつかせる。


 「お前は確か数少ない第一級の術式制作者だったな。この大陸でたった2人の転移の術式が作れる人間。」

 「言わないで下さいよ守護獣様。それ国家機密ですよ?」

 「おたくらの国は化け物しかいないのか?」

 「貴方もそれの内でしょう?」


 それを言うな、

 確かにあった時から妙な人だとは思ってたよ?

 ルザーナのサンダル作るのに素材でなんか苦労がなんとかあった気がするし、んで出来たサンダルに少しだけ魔力纏われてたし?


 館メンバーだから薄々只者じゃないのはわかってたけどそう言うの!?あんたすげぇなおい!!


 「...と言った感じです。」

 「そうか、やはり例年よりも雪が多かったか。」

 「キジコ様、ハルカ様、そろそろ戻りましょう。皆様待っておりますよ。」

 「わかった。自宅の雪かきもしなきゃいけないしね。」

 「気をつけるんだぞ、2人とも。」

 「うん!」


 「「いってきます!」」




ーーーーー


 (準備は整っております。)

 (よくやったタビさん!)

 (私は非戦闘員ですがやれる事は尽くしました。)

 (ありがとうございます!)


 さーて...騒がしい1日の始まりだ。

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