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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
邪獣動乱編
258/302

第248話 森のお泊り

投稿日時間違っておりました!!!

ごめんなさい!!!

 「...。」

 「これはまた物騒なのを作ったな...。」

 「ああ、南西の大陸から10体追加注文だ。」


 ドライバーやらなんやら持って何かを作っている教授。

 そしてそれを見ているプロト10ことフィア。


 「形からして狼型か?向こうは昔から狼が人間と共生する文化があるが。」

 「その通りだ。マギアシリーズの完成系の一種である、[フォースアーマー]が出来上がった途端各国これだよ。結局お偉いさんってのは良い物でありゃ掌返しても欲しがるんさ、向こうは下部研究所のマギアシリーズを批判しまくってしな。」


 彼が作っているのはフォースアーマー。

 邪獣の呪いに短時間対抗出来る特殊な力を持つフォース鉱石を加工し搭載した鎧。

 

 従来のマギアシリーズと違いこれは装着型。

 魔物を改造せず取り付ければ良いだけ。

 ただし戦闘が出来て言う事の聞く魔物に限った話であり、大体が召喚魔物に使われたりする。


 ちなみに、時間の切れたフォースアーマーの効果は時間が経てば元に戻るが10回まで。切れたら別売りのコアを買わないとただの軽量で頑丈な人工魔法具だぞ☆


 「だがそいつの発明は大成功だとは思うぜ。」

 「ありがとよ、10年以上もクズ共の研究所にデータを集めさせた甲斐があった。お陰でより安全で安定のある出力やコストにその他諸々、あー長かった。」

 「時間が経てば指輪くらいになったりしてな。」

 「ありうるな、だが人工魔法具の域じゃそれはまだ難しい。」


 魔法具には人工魔法具と呼ばれる類がある。


 魔法具:魔力と何かしらの能力を持った道具。

     ただし作る方法は基本不明で、作ろう

     にも失敗続きと現代ではすっかり失われた

     技術なのである。

     キジコの場合は偶然その方法の一つを

     見つけたに過ぎない。


 人工魔法具:魔法具の劣化版、人の出来る範囲で

     再現した魔力を持った道具。

     持つ魔力はオリジナルより低く、不思議な

     能力はせいぜい強化系や耐性系がほとんど。

     ちなみにルザーナのサンダルもこれ。

     タビさんが持ってきた素材が原因。



 「つまるところ、お前人工魔法具のある程度の安定ある作製に成功したって事だろ?お前以上に長く生きてる我にとっては面白くて仕方がない。」

 「へっ、まるで[絵本]だ。恐ろしい竜様が長い時を生きていつしか勇者に手を貸すなんてどこのお話だ。...まるで誰かが運命を操ってるみたいだ。」

 「ほう?」

 「考えてもみろ、絵本の悪いやつなんてどこからともなく出てくるもんだ、過去に何があったなんて基本だいぶ後。最初は急に出てくるもんだ。」

 「勇者が魔王の秘密を解く...なるほど、今の状況そのものではないか。急に現れた邪獣が最近になって色々わかってきた、だとしたらその運命を操る奴は碌でもない狂人だな。」

 「全くだ。...さて転移で運搬をよろしく頼む、俺が直接行くのはまずい。」

 「はいはいわかりました。」



 異世界人にやたら優しくない世界だなぁ、聞いた話じゃアイツ以外にも竜人国に前と同じ世界から転生してきた女の子がいるらしいが、向こうも戦争があったりでかなり苦労をしたそうだ。今じゃ第二王子の婚約者としてご令嬢ライフを過ごしているそうだが...。


 一方でキジコ、アイツは猫の魔物で転生したそうだが、転生してすぐ今の今までに何度もトラブルに巻き込まれているらしい。反神獣派や獣人国、闘王闘技などの一件は世界的にも有名だ。


 そして俺は...今は思い出したくねぇな。

 俺もこの世界を守ってた、気づいた時には流れに身を任せながらな。



 ....この世界は一体なんなんだ?



ーーーーーーーーーー


 12月26日...夜

 レギスの森


 「ほら出来たよ!私のお得意、鶏ガラ出汁の具沢山トマトスープ。パンもどうぞ。」

 「わぁぁ!いただきまーす!」

 「美味いな。」

 「キジコは器用でいいね。」

 「トマト缶、ホント便利だねお母さん。」

 

 寒いのでこう言うのが美味いだろの勢いで作れる激うま料理。この世界は缶詰あるのが無敵過ぎる、なんでも魔法無しで食糧を保存出来る物を作ろうってのがきっかけらしい。始まり違えど素晴らしさは異世界人でもよくわかるよ。


 猫の頃はもろ野生の食べてたけど今じゃすっかりこれだよ、まぁ家族団欒仲睦まじく過ごせるのはいい事だ。


 あー、焼いたパンが美味い。

 ...小麦があれば世界はパンが生まれるもんかな、うどんも時間の問題かな。


 「...神域の外はかなり降っているみたいだな。」

 「帰りはクロマに頼んどこうか。ルザーナだと魔物モードじゃ変温だし。」


 ルザーナは地竜になっても変温動物のままなので雪まで降ると流石にダメ。


 「ジャンプで帰ろうにも視界不良や足元が不安の中する訳にはいかない。」

 「大変ねぇ。」


 「「...。」」

 「...あのさ、2頭とも...どした?」

 「い、いや、なんでもありません。」

 「ああ。」


 ...明らかにトマトスープ見てたよね、お腹減ってるよね!?


 「召喚獣は空腹なんて無かったはずだが...。」

 「ヴァルケオ、私らの幻魔召喚の魔物は意思や記憶もあるから...。」

 「なるほど、精神的な飢えがあるのか...。」

 「面目ない...。」

 「...気晴らしに森を歩いてくる。」

 「あ、テメェ待てよ!」

 「...でも可哀想だな。」


ーーーーー


 「...なんでついてきた。」

 「この森知らねぇんだよ、知ってたらテメェなんかについていくかボケ!!」


 静かな鹿と騒がしいヤンキー...じゃない、鹿。


 「それになんだよこの森、さっきからクスクスクスクスよぉ、誰だ鬱陶しい!!出てきやがれ!!」

 「あ?なんの話だ?」

 「はあ!?今も向こうから...、」

 『あれー、声聞こえてるよ!』

 『ホントだー!耳が良いんだねー!』

 「「!?」」


 どこからか聞こえる幼い声。

 

 『いやっほーう!』

 『初めましてー!』

 「驚いた、こいつは精霊じゃないか!」 

 「精霊...主に与えられた知識にあったな。」

 『あーやっぱり、猫さんの仲間なんだ!』

 「!、主の事を知ってるのかアンタら!」

 『そうだよー!』

 『私とお友達ー!』

 『今日はすごい方がいるのにすごい鹿さんに会えたー!』

 「...すごい方だと?」

 『すごい方がいるの、川に来て!』

 「「....?」」


 2頭は顔を合わせハテナ?を浮かべるもとりあえず現れた精霊についていくことにした。


 「...そういえば、主とは違う何か...不気味な気配が森にあった。」

 「ああ、不気味に思えればなんと言うか...高貴な何かも感じた。守護獣様ではないなら一体....。」


 歩いて向かうとそこには精霊水の川。

 月に照らされた河原は静かに光る。


 「綺麗な川だな...。」

 「ああ。」



 『変わったお客様ですね。いらっしゃい。』

 「「っ....!!?」」


 その声は突然聞こえた。周りに姿はない、でも目の前にはっきり感じる。

 あまりにも高貴で神々しく感じる何か。

 

 『ああ失礼、これじゃ見えませんね。』


 現れたのは緑色の長い髪の華奢な女性。

 その背には大きな半透明の翼、輝くドレス。


 『初めまして...私は位階序列の2、精霊神。』

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