第247話 雪降ってきた!
魔物鹿の依頼を終えた。
冬だけあり17時を過ぎればすっかり暗くなり始め、動いて暖まっていた体も冷え始める。
白い息がハッキリ見える、空模様見る限り明日は雪だな。
村の復興も早くも開始され兵士達は資材運びにひいこら走ってる。そして大工さん達も大忙し、寒い中ご苦労様です。
「キジコ様、ハルカ様!」
「シルトさん!」
「住宅そのものはそこまで大きな被害は出ていないようでして、1週間もあれば村の修理は終わります。」
「それは良かった。」
「それではこちらを。」
シルトさんは収納庫から報酬金を取り出す。
「報酬金の50Gと追加の40Gです。それと....」
「「ん?」」
キジコとハルカは謎の銀のカードを手に入れた!
「「...何これ。」」
「我ら王国が中心で作製する人工魔法具でして、そのカードにお金を貯めて使う事が出来るのですよ。ただそれを使うには専用の手続きと魔法具が必要で、どちらも使用が始まるのは来年からなのですよ。」
((クレジットカードだあああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!??))
「ま...まさか...クレジットが...。」
「なんてこった....この世界にも.....!?」
「....どうやら、向こうの世界にはすでにあるようですね。」
私とハルカは首を縦にブンブン振る。
「だんだん向こうと同じ機能が増えてきたな...。」
「いや、磁気じゃ無いだけまだ遠い...はず。」
例えるなら、
進みゆく
並行世界の
近代化.... キジの字
ーーーーーーーーーー
「さ、帰ろうか。雪降ってきたら嫌だしね。」
「だね。」
ピタッ
「「冷っっっ!!!」」
はい降ってきましたー!!
視界が悪くなるのでジャンプしたりもワイバーンに乗ったりも出来なくなりました!
「良ければ王国に案内しましょうか?転移の....」
「いえ、そこまで甘える訳には行きませんので。」
「「え?」」
ちょっ、ハルカ?
ナニヲカンガエテイルノ?
(お母さん、王国も忙しいのだから!)
(うぐっ、言われてみればそうだね....。)
娘に怒られた。
「....ハルカの言う通りです。お気遣いありがとうございます。」
「そうですか...ではお気をつけて。」
「幻魔召喚...カラミア、ディザスア!」
なるべく早く帰りたいし、ここは彼らに頼ろう。
早速仕事だ、ディザスア。
「よっと。」
私はカラミア、ハルカはディザスアに乗る。
「...というわけだ、頼むぞ。」
「承知した。」
「ありがとーキジコ様ー!!!」
「ありがとうございましたー!!」
「お気をつけてー!!」
シルトさん達に見送られながら鹿は走り出す。
「さらに降ってきたな....。」
「ごめんね、炎の魔法で寒くならないようにしてくれて。」
「加えて風魔法で雪が当たらない様にもしてくれてる。ありがとうね。」
「良いって事よ!アタシの力ドンドン使ってください!」
「魔力の配分は考えろよ。」
幸い猫も鹿も集光力の高い目を持ってるので夜の視界は問題ない。ちなみに2頭ともどういう訳か覚醒してから視界の色が増えたらしい。良いじゃないか〜。
「...うん...ええ!?」
「?」
「...わかった。そっちはお願い。」
「どうした?」
「え?ああ、向こうはここよりも雪が凄いらしいの。多分視界がかなり悪くなるよ。」
「ぬぁ...それは困ったな。」
視界がホワイトアウトすれば最悪だ。
どこか泊まれる所があればな...気候とか大丈夫で安全な場所、ここから近い....あ。
「森だ、レギスの森に行こう。」
「おお、それは名案だ。」
「では急ごう。地面はまだ大丈夫だがこちらも雪が増えてきた。」
「あ、待ちやがれ競争だ!!」
「ふん、早速リベンジか。良いだろう。」
「「いやなんでええーーーーー!?」」
ーーーーー
「って訳です。」
「そっか、雪降ってる中大変だったね。そして...おかえり。」
「久しぶり、マウ姉....。」
「うんうん、久しぶりね!」
守護獣マウリことマウ姉が出迎えてくれた。
前々からなんとなく察してはいたがここもミッドエデルと同じで春の様に暖かい気候の魔法がかかってる。
「...ちょっと良いかしら?」
「?」
「そーれ!」
「わー!?」
ああ、予想通りマウ姉はハルカを抱っこして抱きついた。
「もーキジコちゃんったらこんなに小さくなって帰ってきてぇ!こっちもかーわーいーい!!あ、今はハルカか!でも可愛いーー!!」
「お、お母さん...助け....。」
「マウ姉うちの娘を離して、」
「そーれ!」
「「ぎゃーーー!!」」
しまった私も抱きつかれた!
「こーらマウリ、2人とも困ってるでしょ。」
「いたっ。」
マウ姉の頭引っ叩く守護獣テューニことテュー兄。
「テュー兄も久しぶり。」
「久しぶり、キジコ...ハルカの方がいいか!」
「それマウ姉も言った。」
「あっはは。それと...彼らは新しい仲間かい?」
「そうだよ、召喚だけどね。」
カラミアとディザスアは2人に頭を下げている。
やっぱり位の高い魔物...というか守護獣には礼儀正しいな。私達も魔物なのに。
「キジコ、残念だけどエデル領域はかなり積雪するっぽいんだ。」
「そうかぁ、まぁ泊まる準備はちゃんと空間収納庫にあるし、その辺は問題ない。」
「じゃあ向こうに行きましょう、ヴァルケオも待ってるはずよ。貴方達もどうぞいらっしゃい。」
「「はっ!」」
明日誕生日だったのに飛んだ前日だ。
まぁ無事帰れば良いか。
「そういえばお母さん、食料あるの?」
「その辺は問題ない、後で料理手伝ってくれる?」
「うん。」
「親子だねぇ...。」
「親子だなぁ。」
ちなみに獣人国は北方面なのですっごい雪が降るそうです。




