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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
邪獣動乱編
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第238話 お宝探し

 「ソフト・スケイル・ドラゴンの鱗ですか?それなら....。」


 色々トラブルに巻き込まれてしまいましたが私達はようやくエルフの国へやって来れました。

 入国するにあたり私達はフィースィさんにはやって来た理由を話しました。

 そして...、


 「それなら向こうの倉庫にいっぱいありますよ?」

 「おおおおお!!!」

 「皆様が言う通りこの辺りはそのドラゴンが毎年やって来ますので剥がれた鱗がよく入手出来るのですよ。耐衝素材として王国や帝国で使われたりしますが、皆様もそういった感じですか?」

 「そんな感じです。問題はどれほど柔らかいか...。」

 「部位によっては弾力が違います。私が案内しましょう。」

 「ありがとうございます。」


 やっと第一段階、素材の確保が出来ます。

 なんでしょう、すごく疲れました。

 走って走って戦って走って観て叫んでと、なんでしょうか...私もご主人様に似てきた気がします。

 ご主人様は興味のある事は必死になってもやろうとしますから。


 「こちらです。」

 「おお...外から見ても大きな倉庫とは思いましたが、中に入ってみるともっと凄い。」

 『希少な植物もあるの、これ東の大陸はもう無かったはずなの。』

 「...ふぇ!?凄いです、こっちは純度の高い宝石です!どれも魔力を宿しています...。」

 「えーと...あ!」


 見た目は白い竜の鱗。

 感触は同じ。

 柔らかく、弾力があり、強く押すと跳ね返ってくるこの...。


 「これです!!」

 「『やったー!!』」

 「それは脚部の鱗ですね、鱗の中でも良く生え変わる部位なので一番多いですね。今回我々は皆様に助けられましたのでどうぞ、それらを含めて許可出来る限り持っていって構いません。」

 「ありがとうございます!!」

 (グッド!)

 

 そう言うわけで私達は、せっかくですので倉庫探索おたからさがしをする事にしました。


ーーーーー


 「この魔法具は?」

 「変わった植物ですね...。」

 『なんなのこの石は。』


 お言葉甘えて私達は現在倉庫探索。

 面白そうなのを見つけては、なんだろうコレの繰り返し。


 「よくわからないのが多いですね。」

 「ここらにあるのは先程と違い古いものですからね。例えば...。」


 フィースィさんは小さな水晶を手に取りクロマに渡す。


 「コレを覗くと対象の気持ちがわかる...だけとか。」

 「子供の遊び道具でしょうか...?」

 『うむ。』

 「昔はこう言うのが多くあったみたいですよ。今ではすっかり減ってしまいましたが。」

 『時代の流れって随分緩やかなの。新たな世代のためならかつての輝きはジワジワと、知らず知らずのうちに、容赦無く消えていくの。』


 私達より長く生きているスアからの言葉は重さがあります....スアって何歳だろ。


 私も何か良い物探してみなくては...むむっ!!

 コレは...市販の灯り?


 「...!?なんでそれがっ、ルザーナさんパス!!」

 「へ!?えい!!」


 フィースィさんは窓を開けてそれを投げる。


 (ドカーーーンッ!!!)


 「....ほぇ?」

 「...アレは魔灯の旧型でして、長く使い過ぎるとあーなってしまうのが判明し現在は回収、破棄破壊された筈でしたが....まだ残っていたとは。」

 「ははは....私達生きて帰れるでしょうか?」



 『ねぇ、変わった本があるの。』

 「はい?」


 スアが持って来たのは新品の様な綺麗な状態の本。


 「なんでしょう、これは?」

 「たしか...よくわからない字で書かれた文献ですね。」

 「よくわからない?」

 「はい、我々でも知らない字で書かれており、文献自体は状態保存の魔法がかけられておりいつからあるかもわからずでして...。」

 『....もしかしたら主なら読めるかもなの。』

 「それか桃花様に聞いてみると言うのも良いですね、まぁこれでしょうもない内容でしたらがっかりですが....。」

 「...この字、どこかで...?」

 「どうしましたルザーナ?」

 「...いいえ、なんでもありません。」

 「良ければ、その文献も解読出来る機会があるならお渡しします。」

 「...それはいいのですが、この本はいつからあったのですか?」

 「いつから....ですか。それがわからないのです。エルタナ様もこの本については知っている様ですが...。」

 「そうですか...。」


 「...そろそろ帰りましょう。桃花様達を待たせる訳にも行きません。」

 「ですね。」

 「わかりました。今回の事は本当にありがとうございました。」

 「また何かあったらご連絡ください、ではルザーナ、スア、転移しますよ!」

 『アレ、転移は使わないんじゃ?』

 「それは行きだけです!」

 「フィースィさん、ありがとうございました!」

 「お気をつけて!」


 この時...、

 私達が持ち帰った本は...とんでもないお宝でした。

 続く!

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