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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
邪獣動乱編
241/302

第231話 明日は...

 12月26日...11時半辺り。


 「午前現在...邪獣の前兆が発生した報告は無いな。」


 自宅の屋根上でひなたぼっこ中の私。

 この姿を得てから太陽光がやたら気持ち良く眠い。

 猫は1日の大半を睡眠に費やす生物だ、たまには寝る事に一日を費やしましょうかねぇ...。


 12月26日かぁ...そういえば明日は前世の私の誕生日、1年間眠ってた時期を含め明日で前世34歳です。

 ああ...私も中年に近づいてゆく..。


 「お母さん。」

 「え?」


 なんでハルカがいるかは別として、

 見えてる、見えてます。母親の前であっても下着は隠してはしたない。 

 私と違ってあんたはハイソックスでスポーツパンツじゃないでしょ。


 「...隠せよ。」

 「むっ。」


 私を抱え膝に乗せ、頭から体や尻尾の付け根をめっちゃ撫でる。


 「やめろぉぉぉぉぉ.....。」ゴロゴロ...

 「お母さん可愛い。」


 ハルカは笑顔で私を撫で回す。

 見ているこっちも暖かい気分になるよ。

 

 「お母さん暖かい。」

 「グルグル....。」

 

ーーーーーーーーーー


 少し時間は戻る。

 キジコが屋根の上でぐっすり寝ている頃。


 「え、ご主人様の誕生日!?」

 「正確には前世でのね、こっちの世界での誕生日というか、やってきた日は...4月25日くらい?」

 「どっちもめでたい日でいいじゃない。」

 「うん。だから別に祝うとかは...、」

 「祝いましょうよ!!」

 「え。」

 

 ルザーナ、一応キジコの記憶を持つ者である私から言わせてもらうと...別にいいんだよ?

 いやまぁ私とキジコ...お母さんは同一人物寄りの別人だけど、多分大丈夫だよ。


 「そうですよ、師匠という魂と肉体が生まれた日は大事です!祝うべきですよ!!」

 『うんうん。』

 「キジコちゃんに何あげようかなぁ。」

 「「ふむ...。」」朱蒼


 .......完全にサプライズしてやる雰囲気だ。

 お母さん信頼されてるね、こうなったら私も手伝いたくなるじゃないか。


 「同じ思考として、欲しいものは.......、」

 「「『ストーーーーーップ!!!!』」」

 「むぐぅ!?」

 「そんなネタバレはダメです!」

 「私達は私達で選びます!!」

 『それが私達なの!!』

 「「「うんうん。」」」桃朱蒼

 「わかったよ、じゃあ私は明日までお母さんにこの事がバレないよう抑えとくからさ、よろしく頼むよ。」

 「了解です!」


 お母さんをどう抑え込むか...まぁ色々方法はある。

 とりあえず私はお母さんの所に行こう。


 「ところでだ。」

 「?」

 「...なんでお前、リーツにいる。」

 「邪獣前兆の調査という名目で遊びに来ただけだよ、ここいらが基本的に危ないから。というかそのための私なんだけど?」

 「ああ...そうか、そうだったな。」


 今に至る。


 うーむ、ギルドの依頼受けたりどこか食べに行こうって考えたけど...、


 「だめ、わたしもねむ....。」

 「すぅ...すぅ...。」


 親子揃って日に当たりながら眠った。


ーーーーー


 「ご主人様...何をあげたらいいでしょうか?」

 「師匠の事ですし...ネックレスやイヤリングなどは違うと思いますね。」

 『かと言って食べ物でも無いの。主はその辺行動早いの。』

 「「『ハァ...。』」」


 己の主人のために店を回る3人。

 しかしどうも良いものが見つからない。

 

 「うーむ...桃花様達が用意する物に合わせたのが良いですよね。」

 「髪留めはスアが作ったのがありますし...。」

 『靴はどう?』

 「「靴?」」

 『主の靴はブーツみたいだけど違う、柔らかい材質で凄く動きやすそうなの。それみたいない靴を作りたいの。あれはどの店にも無い素材なの。』

 「それいいじゃないですか!作りましょうよ!」

 「はい!」

 「あ、でも...どうやって作るのです?サイズはわかるのですが...師匠の靴は霊獣形態に合わせてサイズも変化しますし機能性も抜群の魔法具ですよ?材料もわからないのに。」

 『主曰く、覚醒時にスキルが勝手に働き作られたとか言ってたの。だから主自身もわからないの。』

 「うーむ...。」


 この世界にスニーカーを作る技術は無い。

 特にソールの素材なんかは無い。

 キジコが使っているのはあくまでなんちゃって品なのだがレシピが分からなければ意味がない。

 だから実質、詰みに近いのだが...。


 「何かモンスターの素材で作れますかね?」

 「...そうだ、転移!!」


 シュンッ


 「わっ、って図書館?」

 「確か以前ここで似たようなものを持つ魔物の文献を見ました!」

 『でかしたのクロマ!』


 「えーと...この本の....あった、これです!」

 

 [種族名:ソフト・スケイル・ドラゴン]

 

 ・柔らかく弾力のある変わった鱗を持つ背翼種の竜。

 ・その鱗は外部からの衝撃を緩和し、内部を守る。

 ・渡り鳥のよう季節に合わせ暖かい地域に移動する習性がある。


 「ダメだぁ...今寒い時期真っ只中じゃないですかぁ!」

 「振り出しですね....。」


 「...おや、クロマさん。」

 「あ...館長さん。」

 「それは...どうかなされたのですかな?」

 「実は...、」

 

 美少女解説....


 「なるほど...であればエルフ国に行ってみてはいかがでしょうか。春や夏になるとあの地域の近辺に現れるのですよ。もしかすれば素材を持っているかもしれません。」

 「え!?本当ですか!?」

 「長く生きると色々わかるのですよ、ほっほっほ。」

 「ありがとうございます!」


 やる事は決まった。


ーーーーーーーーーー


 「では、行って参ります!」


 朱斗さん曰くご主人様はまだ寝てる様子。

 今のうちに私達はエルフ国に向かう事にしました。


 「私らの従業員の転移、使わなくても良かったの?」

 「いえ、自分達でやるべき事です。だから入国用の紹介状だけで十分です!」

 『主のために頑張りたいの。主のお世話になってる私達は恩返ししたいの!!』

 

 桃花様はにっこり笑う。


 「そう...ならきっちり、そのお目当ての物を作るんだよ!」

 「はい!」


 私は地竜形態になりクロマとスアを乗せる。

 

 「では...行きますよ!」

 「『おーーー!!』」


 待ってて下さい、ご主人様!

朱斗「まだ寝てるな。」

蒼鈴「俺も眠くなって....、」

朱斗「お前は起きろ。」

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