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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
邪獣動乱編
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第225話 二人の成長

 真っ黒なオーラを纏ったワイバーンが叫ぶと周囲に威圧が走る、警兵達が住民避難させていなければ大惨事になっていただろう。

 ルザーナとクロマは目の前の異常事態の対処を始める。


〜ルザーナ視点〜


 「雷撃砲サンダーブラスト、ルザーナ!!!」

 「瞬速撃ハイソニック!!!」


 クロマがチャージした雷撃砲サンダーブラストをワイバーンに向けて蹴り飛ばした。勢いのある爆発が起きワイバーンは後退しました。


 「私とルザーナの合体技、実戦投入は初めてですが上手くいくもんですね!」

 「ええ、でも今は前を見て!」

 「グルルル...。」


 真っ黒なオーラが槍状となり飛んできた。

 この技は強い呪いで構成されている...、当たるのはまずい。

 

 「クロマ、この技は呪力で構成されています、被弾しないでください!」

 「了解!電力分散、誘導電撃プログラムサンダー!!!」


 さっきの雷撃砲と電力分散で空気中に散った電力を操る誘導電撃による強力なバリア。電撃は呪いの槍を的確に防ぎ、私は攻撃に出る。


 「妖炎脚!!」

 「グオオッ!?」


 ワイバーンにアッパーキックを命中させた。

 防御貫通効果のある[妖炎]を纏った一撃です、効かないはずが.........


 「ルザーナ!!」

 「え...ぐあっ!?」


 竜鱗でかなり軽減は出来た、覚醒していなければ大きなダメージだったでしょう。


 「大丈夫ですか!?」

 「大丈夫!」


 今私は確実にワイバーンの頭を顎からぶっ飛ばしました、最低でも脳震盪が起こりまともに動けないはずなのに...。


 「グオオオオッ!!!!」

 「んぉ!?」

 「分散した電力が掻き消されましたか...!」


 クロマは急ぎ魔法を使う。


 「大落雷フォールサンダー!!」

 

 眩い落雷がワイバーンに直撃、しかし焼き尽くしたはずのワイバーンは起き上がる。


 「ええっ、これ強いとか次元が違うとかそういうのじゃないですよ!?」

 「クロマ、今のをもう一度!」

 「了解!大落雷フォールサンダー!!」

 「大妖炎玉!!!」

 「えええっ、ルザーナそれも使えたの!?でもこれなら...ぁ!?」


 ワイバーンは無事だった、ありえない。

 灰すら残さない合わせ技なのにどうして...!?


 「グオオオオ!!」

 「ぐぁっ!?」

 「クロマ!!」


 ワイバーンはクロマを尻尾で薙ぎ払い住宅に叩きつけられる。あれだけダメージを受けてなお俊敏に動き凄まじいパワーでクロマをゴリ押した。


 クロマの言った通り強いとかそういうのではない、また別の何かです。...そうだ、館の本で読みましたが大陸外には[アンデッド]と呼ばれる魔物化した死体が存在しており、治癒魔法や破邪の力に弱いと書かれていました。


 もしかしてこれもその一種...なら。


 「クロマ、おそらくワイバーンはアンデッドです!」

 「アンデッド!?でもアンデッドは焼き尽くされるのが弱点なはず...あ、呪い!!なら!」


 クロマは手を翳す。


 「最近進化したスキル、高治療ハイヒール!!!」

 「グオオオーーーッ!?」

 「「効いた!!」」


 ワイバーンは今まで与えた攻撃よりも強く苦しむ様子を見せる。そして起き上がるとすぐ飛び立ち呪いの槍を降らせる。


 「もう一度、高治療ハイヒール!!」

 

 降り注ぐ呪いの槍は一方的に打ち消され、光に当てられたワイバーンは落ちてきた。予想異常に効果が強い、いける!!


 「グオアアアアッ!!!」

 「っ!!」

 「青之流星アズールメテオ!!」

 「ルザーナ!」

 「...今から私の魔力を渡します!!」

 「っ!わかった!」


 私は治療魔法を持っていない...ならば。


 「はああああ!!」

 「ありがとうですルザーナ、これで...んぉ!?」


 するとクロマから与えた異常に膨大な魔力が溢れ出す。魔力はクロマの杖に収束し、竜の形を見せる。


 「なんでしょう、すごいの撃てる気がします!」

 「やっちゃってください、クロマ!!」

 「グオオオオ!!!!」

 「...合体スキル、蒼輝アズールセイクリッド!!」


 蒼い竜の姿をした魔力エネルギーがワイバーンに直撃、今までに無いダメージがワイバーンに入る。

 ワイバーンは青い光を浴びてどんどん弱ってゆく。 

 一方私は青い光を浴びると力が湧いてきた。


 「...トドメです!!」


 私は青い光を纏い一回転、


 「ゼロ距離、青之流星アズールメテオ!!!!!」


 後ろ蹴りを命中させた。

 ワイバーンは街道を削り後ろへ大きく吹っ飛んだ。


 「どうです!!!」

 「...。」

 「動いてませんね...ふぅ。」


 私達...勝ちました。


ーーーーーーーーーー


 「んで、俺らが到着するまでの短時間でぶっ倒したのか。」

 「流石キジコ様のご家族、俺らに暴れさせず書類案件だけ持ち込むとは。」

 

 朱斗さんと蒼鈴さんが到着。

 現在アンデッド(?)ワイバーンについて調べている。


 「だがコイツは一体なんだ...?やたら強い呪いを放ってやがる。」

 「俺達は強呪力耐性を持ってるから平気だが...お前達は?」

 「大丈夫です、なんかさっき使った青い光が呪いから守ってくれてます。」

 「その光がか...はぁ。」


 これ...なんなのでしょう?

 治療系の魔法なんでしょうか...?


 「やはり、かなり強い破邪の力を発している。ルザーナ自身が呪いを使える事がきっかけでその反対...破邪も使えたのかもしれない。」

 「えっ、そんな事あるんですか?」

 「何十年か前、有名な呪力の魔法使いが相反の力である破邪の力を呪力使いの自分が使えないかと研究した所、なんと呪力と破邪はある種の表裏一体である事を突き止めたんだ。お互いの力をぶつければ相殺ではなく中和で消える、それを元に研究し結果超が付くほど高位の呪力と破邪両方を使う魔法使いとなった。その名も。」

 「エルティマですよね、私のお母さんです。」

 「...血筋ってすげー。」



 「グルル....。」

 「っ!?逃げろーーーーー!!!」

 「なっ...!!?」


 ワイバーンが生きてた!?

 まずい、警兵さん達が....!!


 「グオオアアアッ!!!!!」




 『完全回復治療パーフェクトヒール。』

 「えっ...。」

 「グオオオオオオオ..............!!!?」


 大きく暖かい光がワイバーンを消滅させてゆく。


 『全く、周辺調査の手伝いをしてたから遅れたの。皆無事なの?』

 「「ス...ス...スアァァァァーーーーーッ!!!」」

 『わ゛ぁぁぁーーーーーーーーッッ!!?』


 という事で町で起きた異変は解決出来ました。

 最後はスアのお手柄という事で!

 ぎゅーっと!

 

 「「スアありがとーーーーーッ!!!!」」

 『は・な・せぇ゛ーーーーーーーッ!!!!!」

この2時間後あたりにキジコが到着予定。

やったね、書類が増えるよ!

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