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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
邪獣動乱編
224/302

第214話 邪獣ウィルス

あけましておめでとうございます!

 私はキジコ....に限りなく近い別人。

 名前はない。


 私は目覚めた。

 よくわからない液体の中で、

 よくわからない体を得て、

 よくわからない場所に足を着き、

 

 快適な部屋で寝て、

 暖かいシャワー浴びて体を洗い風呂入り、

 豪華とは言えないが良い食事をして、

 様々な本を読んで...


 ...あれ。

 実験体とは言え良い暮らししてね?


 「訳わからん...。」

 「?、頭痛薬ならあるぞ。」

 「いらない、ってかお前はなんなんだ?」


 この初老の男は教授。

 私達...いや正確にはオリジナルの私にちょっかいかけて来た研究所の大元というか一番のお偉いさん。

 コイツの部下達はかなり非人道的な実験を繰り返しその上私の暮らしを邪魔しようとした。


 なので町の平和を守ることも含め潰しに行ったら偶然コイツがいた。

 研究所の野郎共はプロト5共々スアから貰った音鳴石の爆音で気絶したんだがコイツの姿は無かった。


 いつの間にかは知らないがコイツは私の血を採取しそれを主として実験体に組み込んだ。

 それで私が生まれたってわけ....である。


 「俺は研究者だ。」

 「それはわかる、だがなんの研究だ。」

 「なんだ、興味あるのか?」

 「流石に退屈だ、それにオリジナルの私ではここの情報は知れそうに無いからな。」

 「...まぁ良いだろう。」

 「え?」


 え、いいの?

 普通こういうの機密情報だろ、何考えてんだ...?

 ...いや私も機密情報の塊か。


 

 そうしてやって来たのは数々のカプセルと液体の中に入った被験体の数々がある部屋....


 とかじゃなくて、

 割と普通という感じの研究室。

 

 「なんか怖いのがいっぱいあるかと思った。」

 「それは別の部屋なー。」

 「あるんかい...。」


 教授について行くと、教授は何かを手に持つ。

 それは栓のされた試験管、中には黒い液体が入っている。


 「...なんだそれは。」

 「邪獣の血だ。」

 「邪獣の血か...変ななま....うぇ?」


 ちょい待った。

 邪獣の血だと...!?


 「...邪獣ってなんだっけ?」

 「んがっ...邪獣は今から数百年前に現れた魔物だ。」

 「あーそういやそんな話をチラッと...。」

 「そいつはもしやロティアートの話じゃないのか?ヤツも十分狂った野郎だが研究結果自体は有機生物学者を震わせた、色々とな。」

 「...アイツを知っているのか!」

 「まぁな、そもそも末端の奴らがロティアートの研究結果を消した事で腹立ててただろ。研究結果が何かの拍子で消えるのは何も珍しい事でもないのにな。」

 「そういや...。」

 「んでだ、邪獣には厄介な性質があった。それは感染物質...お前に馴染みのある言葉で言うならウィルス、[邪獣ウィルス]を撒き散らしていた事だ。」

 「ウィルス...お前どこまで私の記憶を見た?」

 「まぁ...7割以上は見たな。異世界があるのは知ってたがこうやって記憶越しとは言え見るのは初めてだったよ。」

 「...。」

 「話を戻す、邪獣ウィルスに感染した者は長くて1年しか生きられない。感染者の体を内側から蝕みじわじわ殺していく恐ろしい物質でな、数百年経った今でもワクチンや血清が存在しない。」

 「なっ...ワクチンや血清が無い!?なんでだよ!」

 「変異が異次元に早すぎるんだ。例えば50年かけて作った薬が0.8秒もあれば完全攻略されて効かなくなったりな。」

 「...!!!」


 もしその話が本当なら向こうの世界の医学は絶望するだろう。


 「なら...なんでこの時代では流行って無いんだ?」

 「簡単だ、ウィルスにも効力の期限が存在した。それがわかったのは今から150年前だ。変異する一方でウィルスになんらかの異常が起こり人知れず消えていった。そして気づけばもういない...それが現状だ。」

 「...ならハッピーエンドじゃないか。お前はその血を使ってまた感染を広げる気か!?」

 「そんな事をするか!」

 「!!」

 「...ふぅ、感染を広げるんだったらマギアシリーズの意味が無いだろ。」

 「ああ...そうか。...ならあれは一体なんなんだ。」

 「マギアシリーズは邪獣ウィルスに感染しない。」

 「...は!?」

 「邪獣ウィルスの弱点を見つけた。それは...コイツだ。」


 教授は見た事のある紫色の鉱石を取り出す。

 これは...フォーセ鉱石か!?

  

 「フォーセ鉱石が...!?」

 「フォーセ鉱石はな、ある一定の電流を一定の時間流すとな、特殊な波長を生み出す。その波長が邪獣ウィルスを死滅させた。」

 「...!!」


 教授はピペットで邪獣の血を少し吸い出しシャーレに垂らす。

 そしてフォーセ鉱石の力を使うと途端に邪獣の血が真っ赤になりそのまま消えた。


 「仮に今感染したら初期症状程度は治せる。だがそれ以上進行すれば無理だな。そしてコイツを活かし邪獣ウィルスを無効化させるプログラムがマギアシリーズには組み込んである。だがこれは難しいもんでな、その波長は長くて3分しか持たない。」

 「そうなのか...でも待て、マギアシリーズは戦闘兵器だ。それじゃまるで邪獣と戦うかのように...、」

 「ああ戦う。なにせ邪獣は...。」



ーーーーーーーーーー


 「...驚いたわ、フォーセ鉱石にそんな使い道があったなんて。」

 「元が扱い注意の危険物ですからね、教授はある種の命知らずです。」

 「でも邪獣ねぇ...確か出現したのは400年前以上じゃない?そこから大流行した最悪の病気の話がこんな所で出るなんて...。」


 桃花様は驚いていた。

 少なくともこの場いる者の中で最年長。

 ハルカの言った事はどうやら私が思ってる以上に重大かつ深刻であるらしい。


 「だがマギアシリーズ...本来の運用がそれだとはな...しかもあの数。その話が本当なら迫る危機というのは相当やばいのか?」

 「はい、間違いなく世界の危機とは言っておきましょう。」


 晴夏は話を続ける。

新年早々物騒な話ですみませんorz

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