表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
邪獣動乱編
223/302

第213話 私にして私であらず 

新章開幕...

 私が目覚めたのは...液体の中だった。

 

 記憶があやふや、さっきまで何をしていたっけ...?

 私は...えーと、獣人になって、家を探して、お金を稼いで、...そうだ研究所...。

 確か...マギアシリーズを倒しまくって...でっかい音が鳴る石を投げたり、...そうだ朱斗と蒼鈴、ルザーナ達はどこだ...?


 というか、液体の中にいるのに苦しくない。

 でもなんか体がおかしいような...なんだこの白い服?


 「...目覚めたか。」

 「...お前は!?」


 初老の男、この顔...見覚えがある。

 ...そうだ、教授だ。研究所にいた教授と呼ばれていた男!!!


 「ふむ...状態が安定しているな。成功だ、今出してやる。」


 屋根...というより蓋が開き、私は外に出れた。


 「...猫パンチ!!!」

 「っ、いきなりこれだけの力を持っているか...興味深い。」


 あっさり受け止められた。


 「...ここはどこだ!!」

 「俺の研究所だ。」

 「皆はどこだ!?」

 「今頃リーツだ、[お前]とな。」

 「なんだよそれ!!」


 何を言っている、ルザーナ達は私とリーツにいる?訳のわからない事を!私はここに...、


 「肉体理解を持っているはずだろう。」

 「は!?....ぇ...なにこれ。」


 ...言われて気がついた。

 体が小さい。

 力が弱まっている。


 「どういうこと....あ゛ぁっ!?」


 強い頭痛が襲う。

 記憶が戻ってきた...なんだこれ、私の知らない記憶、いつの記憶だ、いやこんな記憶は無い!どうなってるんだ!?


 「...結論を言おう。お前はキジコであってキジコじゃない。キジコの血液を主として魂のない実験体に組み込んだ。その結果突然変異を起こし...事実上[もう1人のキジコ]としてお前が誕生した。」

 

 ...待て、それってクローンの事だよな!?

 理由はわからないが私は私の記憶がある、...でも違和感が!!


 「実験体...!?」

 「元は新たな兵器の予定だったが...新たな生命として...魂を持ってお前は生まれた。安心しろ、必死で調整したからお前の記憶にあるグロテスクな暴走とかの心配は無い。」

 「...。」


 私は雉野小夏ではない、キジコだけどキジコじゃない。

 キジコの遺伝子を主として生まれた別人。

 今この世界で最もキジコに近い存在。


 「私をどうする気だ?」

 「悪いようにする気は一切ないな。こんな見た事も無い結果を雑に扱うなんて馬鹿がする事だ。そもそも実験体にお前という魂が宿った事自体謎すぎる。しばらく様子見だな。」

 「...状況的に逃げるのは無理か。」

 「あー無理だ。だが安心しろ、ちゃんと部屋も着替えもある。」

 「...従うしかないか。」


 

 案内された部屋の環境は劣悪、

 服もボロボロ、

 食事も最悪...


 なんてことは無かった。

 机も本もテーブルも映像結晶もある。

 用意された服の着心地はまぁ悪くない。

 別の部屋には風呂もトイレもある。

 ベッドは尻尾用の穴がある、仰向けで寝られる。


 「...おかしい、こう言うのって凄惨な展開になるんじゃ...。」

 「馬鹿か、俺は末端の奴らと違って物は大切にするし下手に増やしもしない。まぁ豪華な物は用意出来んがそれで我慢してくれ。」


 それから私の訳の分からない人生が始まった。



ーーーーーーーーーー


 「ハルカ...晴と夏と書いて晴夏はるかだよ。」

 

 その女の子はハルカと名乗った。

 なんとも日本人らしい名前だ、可愛い。


 「とりあえず上がりなさい。立ち話も難だからね。」

 「失礼します。」

 「丁寧だな...。」


 雉虎柄のふわサラ髪、猫耳のような髪型、

 ぱっちりとした金色の眼、長いまつ毛、猫の尻尾、

 黒い和服、ハイソックスでスニーカー...、


 「...?どうしたのお母さん、ジロジロ見て。」

 「いや...私にそっくりだなって...。」

 「いやいや待て待てキジコ、俺達には今何が起きているのかの情報処理が追いついていない。」

 

 私とハルカは対面で座る。


 「じゃあ、色々説明するよ。ちゃんと聞いてね。」

 「ああ。」

 「...私は[教授]手により偶然生まれた突然変異の実験体です。キジコの血...遺伝子を主軸となるよう組み込んだ結果、魂が宿り私という存在が生まれました。」

 「...要するに私のクローンってやつ?」

 「間違ってはいません。ですが遺伝子学的には娘に近いです。一応素体があってこそのこの肉体ですから。」

 「そうか...。」

 「...キジコが研究所を襲撃した際、足から血を流していたが...やはりあの時に血を盗られていたのか。」

 「教授の目的はなんなの?」

 「その目的を伝えるのが本題です。」

 「!!」

 「朱斗...いえ朱斗さん、私を鑑定してください。」

 「?、わかった。鑑定。」


 種族名:ブレイク・エビル・キャット

 個体名:ハルカ


 称号:多趣味 獣人 邪獣の血 霊獣の血


 種族スキル:周囲感知 化け猫 呪力耐性(10)

       毒耐性(5)


 個体スキル:ディメンノート 念話 魔砲 物体移動(8)

       向上心(10) 学習力(10)

       精神強度(10) 威圧耐性(10)

       光覚感知 レーザーセンサー

       物体転移(8) 高治療ハイヒール(5)

       魔身強化(10) 身体強化(10) 鋭敏感覚(10)

       視力強化(3) 動体視力強化(3)

       染色 裁縫師 疲労回復効果上昇

       恐怖耐性(8) 魔力変形

       魔泡滅却 

       破邪之光力 滅光之影力

       足音軽減(8) 威圧(6) 

       安眠(5) 邪獣呪力耐性(10) 健康(8)

      


 「...ばかな、邪獣...!?」

 「邪獣ですって!?どういう事!?」

 「それもまた本題です。」

 「邪獣って確か...。」

 「数百年も昔にこの星を滅ぼしかけた存在よ。」

 「私が話さなければならない内容が沢山あります。そのためどうか落ち着いて聞いてください。」

 「...すまない。」

 「ごめんなさい...。」


 私にして私であらず、少女の目的とは...。

今後もハルカを視点とした研究所のストーリーを展開します。

キジコとハルカ、2人は一体どうなるのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ