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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
222/302

第212話 私の家

闘王闘技編...最終回

 12月23日...とある午後。


 「...ついに....ああついに!!!」

 「いよいよですね、ご主人様!」

 「長かったです...。」

 『この地を守った甲斐があったの。』


 リーツから少し離れた平原、近くには山と森。

 広がる薬草畑。

 綺麗な木製塀。

 シートで覆われた建物。

 ルザーナ達と朱斗達。

 

 「表彰式前に渡された準優勝賞金を加算してようやく貯まった改修費400万G!!ようやく...私のマイホームが出来上がった!!」

 『私と初めて会った日から...ついになの。』

 「トラブルだらけで長く感じました...。」

 「おめでとうございます、師匠!」


 ようやく...改修完了!

 夢のマイホームについに住めるぞ!!!


 そう!今日は私のマイホームの改修が完了する日。この日のために家の図面を見ては合う家具を選び悩んだ。特にベッドはちゃんと尻尾穴付きで丈夫かつ寝心地の良い物を見つけるのに苦労した。

 

 でも悩みはまだある。それは...


 「なぁ...キジコ。これいるのか?」

 「朱斗、例えいらなくてもキジコ様は霊獣。形は最低限あらなければならない。...でも正直いらないよな。」

 「祝いって正直ありがた迷惑な所あるよねぇ。後で美味しい物持ってくるからね、キジコちゃん。」


 ...館からの引っ越し、家の改修祝いでの花の数々。正直スアが育てる薬草も花が綺麗だしその花束の花は数日でしおれるから正直ゴミになる。

 どうしたもんか....。


 『...主人あるじ。』

 「ん?どうしたのスア。」

 『花、全部欲しいの。』 

 「?、いいよ。」


 スアは謎の魔法陣を展開。

 

 『花よ、煌めく姿となりて集約せよ。』

 「...おお!?花が!」


 スアが何かを唱えると、朱斗達や祝いで来た人が持ってきた花の数々が魔法陣に集約。


 『仕上げなの。』


 スアは空間収納庫を開くと鉱石や宝石を取り出す。


 『魔力変形シャープチェンジ装飾品化合成アクセシンセシス。』

 「うぉ!?」


 出来上がったのは美しい花の髪飾り。淡い色の宝石の花、中心に白と黒の真珠。赤と白の紐飾り。金属はとても軽いのに丈夫という異世界ならではのご都合素材。

 

 「おおおおお!?」

 『主人あるじがいない間暇だったからこういう本読んでたの。自信作のつもりなの。』

 「スアさんすげえええーーーーーッ!!!」


 なんって綺麗な髪飾り...霊獣モードや大人モードの時に似合うぞこれ、すごい...似合う和服買った次第ぜひ身につける!


 「ありがとースアーーー!!!」

 『のわああーーーっ!!?』


 「それでは皆さん、シートを取りますぜ!」


 ドキドキ...


 「そーりゃあ!!」

 「...!!!」


 瓦の屋根、コンクリと木造建築、ガラス窓、障子、引き戸...、


 「...すごい。」

 「それじゃ、俺たち職人はこの辺でおさらばするぜ!」


 ...長かった。

 始まりは獣人としてこの町で目覚めた時だ。

 住む場所を決めようとしたがずっと館に住むってのが嫌だから家を探した。そしてちょうど落ち着けるし生活に困らないボロ屋を見つけた。


 そこでスアと出会った。

 スアはこの平原を棲家としている上級自然精霊ハイエレメンティアだった。色々あってこの家に住む事の許可をもらった。


 家の改修費を集めるためにギルドで依頼をこなしてお金稼ぎ。薬草採取の依頼中、クロマと出会う。盗賊まがいな事をしてきたので懲らしめたら無理矢理弟子になってきた。


 そして...それからすぐ、私と同じく人へ覚醒したルザーナと再会した。エレムス教官の元で鍛え上げられたその実力は本物。


 こうして今の私達4人が揃った。

 偶然にも金色の目を持った4人がね。


 引き戸を開けると石床の玄関。


 「ああ...木のいい匂いだ。」

 「...お邪魔しまs...、」

 「待った!!」

 「え?」

 「家具置くからさ!」

 「あ...ごめん。」


ーーーーーーーーーー


 んんんーーーーーー....あはぁ..!!!

 自分の思う通りに買った家具を配置して...


 「完....成ぃ!!!」

 「ご主人様お邪魔しまーす。」ガラッ

 「って早!?」

 「おおー!」

 「外観からもそうだが程良く広い部屋じゃないか。」

 「こういう家なら静かに暮らせそうだな。」

 

 ちなみに2回は特にカスタムしている。

 ゲーム機があれば完璧だった。


 まぁそんな事は置いといて、座布団に座る。

 ちゃんと客間、花梨の机、お菓子の入った皿、そして茶!


 「では改めて...私、家をようやく手に入れました!!」

 「はい、おめでとうございます師匠!」

 

 皆が拍手する。

 

 「そういえばニコさんは?」

 「ああ、昼に来るってさ。仮にも向こうは国の主人だから。」

 

 ニコだとおそらく今後お泊まりしてくる可能性があるからあらかじめ複数人分の布団はあるぜ。

 ...そういや。


 「なぁルザーナ達。お前らはこの家に住むのか?」

 「え?」

 「お前ら住み込みで働いてるんだろ?」

 「今日からここに住みますっ!!クロマ、スアは!!」

 『ここに住むわ。薬草畑に近いからなの。』

 「私もです!!」

 「決まりだな!2階もちゃんと広い部屋あるから生活は余裕で出来るぞ!」


 仲良くハイターッチ!

 縁側に日向ぼっこしながら座る朱斗達は茶をすする。


 「ええ家だねぇ。」


 ダメだ、こう聞くとただのジジババだ...。



 それから...


 ピンポーン...


 「はーい!」

 「お邪魔しまーす!」


 ニコも来た。

 彼女の出会いも元はギルドを通じてだ。

 ある時ギルド長に呼ばれ、私宛の依頼で届いたあの一通がきっかけ。

 私と戦え...だっけな。同じ神獣候補として戦いを通しお互いを知る。1年も経ってないのに懐かしいなぁ、おまけに私相変わらず過密スケジュール過ぎー。


 あれから私とニコは何度も会って何度も遊んで何度も危機を超えて...今や一番の友達だ。

 

 「あ、冷蔵庫にサンゼリーある!もらっていい!?」

 「その味だけはダメ。」

 「えーなんで?」

 「[食べた人]がいるんでね、...奥のリンゴ味ならいいよ。」

 「ちぇっ、わかった。」


 まぁいきなり魔法冷蔵庫開けるアンタも図々しいもいいとこだが。


 「...さて、今日来る予定のみんな揃ったし。」


 私は色々出す。


 「お菓子...作ろ!」

 「おー!」

 「お菓子か...何を作る?」←お菓子作り得意

 「うお、朱斗の心に火がついた。」

 「頑張るよー!」


 マイホームを手に入れ、家族と友達、ご近所さんとの始めての作業は...お菓子作りだ!


 さーて、いっぱい作るぞー!

 














ーーーーーーーーーー


 夕方...


 「クッキーやらケーキやらキジコちゃんの世界のお菓子やら。ほんっっと美味しいわ。あーお腹いっぱい。」

 「いいレシピを学んだ。」

 「...。」

 「?、どうしたん蒼鈴。」


 「キジコ様、何か隠してますか?」

 「!」

 「...何かあるんですか?」

 「ああ。...時間的にそろそろだな。」


 ピンポーン...


 「...!」

 「入ってもいいよ。」


 ガラッ





 「お邪魔します...こんばんは。」

 「!!!!!」


 そこにいたのは少女。

 フルフェイスヘルメットの女の子。


 「...ヘルメット外したらどうだい、喋りづらいだろうしゼリーも食べれないよ。1日20個限定のお高いみかん...サンゼリー食べれないよ。」

 「っ!あのゼリーの予約って...。」

 「...よぃしょっ。」


 ...皆が驚いた、私も驚いた。

 

 雉虎柄の髪色、

 猫耳型の髪型、

 ぱっちり金色の眼、

 猫の尻尾。


 ...まるで小学生の頃の私。

 幼い頃の私とほとんど同じ顔。


 「...名前は?」

 「ハルカ...晴と夏と書いて晴夏はるかだよ。」

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