番外編 転生者と転生者のお出かけ
キジコ&ニコ安静2日目。
ミッドエデルのとある場所の公園。
「ねぇキジコ、集合時間いつだっけ?」
「そろそろだ。この辺が待ち合せのはず...。」
「キジコさーん!」
「あ、ヴィオレットちゃん!」
手を振ってこちらにやってきた可愛く美しい女の子。この日は元同郷転生者、菫ちゃんことヴィオレットとカフェの新メニューをいただくために集まった。本当は小夏&菫ちゃんでお出かけ予定だったが...
昨日夕方...
「キジコ!なんか面白い事してたって聞いたぞ!!桃花様から!」
「うげっ、なんて事を...。」
「暇なんだぞ入院!!昼寝してたとは言えつまらんぞ!」
「(まずい、ニコは大会で燃えすぎたテンションがまだ消えていない!このまま放っておけば返ってストレスになるだけ、暴れられたら困る!)」
「あー、ニコ。明日知り合いととあるカフェの新しいメニューのスイーツ食べに行くんだけど一緒に来る?」
「行く!!!!!」
そして現在に至る。
「初めましてパース獣人国王ニコ様。私は竜国域オレス竜人国のとある貴族令嬢、ヴィオレット・フィエドゥラと申します。」
「ああ、竜人国第二王子の婚約者の...!こちらこそ初めまして。パース獣人国の主、ニコ・ランド・ウルフェンだ。」
「すげーや、遊びに来ただけで王族関係の挨拶に発展した。」
しかしここで疑問が。
「あれ、ヴィオレットちゃんは一人で来たのか?」
「まっさかあ!エリアー!」
やっぱりいるよね、うん。
「お嬢...様、変に一人にならないでください...冷や汗が出ます。」
「(お疲れ様ですこの人。)」合掌
「それじゃ行きましょ!」
「(エリアさんも苦労してるんだな。)」念話
「(...その様子だとキジコ様もですね。)」念話
ーーーーー
〜竜人族カフェ〜
「さて、新メニューが来るまで何か話をしよう。」
「話...ですか。」
「...場違いの私も同席して構わないのでしょうか?」
「良いのよエリア、あなた休暇でスイーツか仕事かで悩んでたじゃないの。だったら仕事でスイーツ食べれば有給休暇消費せずなんだから。」
「うう...お嬢様!」
エリアさん嬉しそう。
「しかし話ねぇ...そうだ。ねぇキジコ、確かキジコの家は?」
「ん?ああ、今改修工事中。ようやく400万ゴールド集まったからな。」
「家?」
「私さ、獣人になってリーツに住むと決めた際にね、家を買おうと思ってさ。本来館のような安全な場所で暮らすべきなんだろうけどずっと迷惑かけるわけにはいかないからさ。元がボロ物件だったから改修するためにお金貯めてたんだ。」
「でもキジコったら、いつも報酬金渡すたびに渡しすぎとかなんとか、あんな金額でも国家からすりゃ端金中の端金。もっと出せるのに...。」
「あっという間に終わったらつまらないでしょ?」
「やっぱりそれかぁ。」
「まぁそうだな。でもあの子...ルザーナ達がリーツの館に住み込みで働く事になったのは驚きだ。早速一人暮らしってやつさ。」
「キジコさんはこの世界じゃ血縁の人はいないのですか?」
「ああ...いな...ぁ。」
「?」
...そうなんじゃないかって言う女の子がただ一人いる。
「...いや、なんでもない。いな..。」
そこ素直に言えよ、お母さん。
「(!!?どこから話しかけてきやがった!??!?)」
「...キジコ?」
「...一人心当たりが...あるかもしれない。でも今はまだ...会えない...。」
「そうですか...。」
「でも私には大切な家族や友人がいっぱいいるから別に寂しくはないさ。」
「ふふん!ちなみにキジコ、改修はいつ終わる予定なんだ?」
「確か6日後だっけな....それに合わせて色々家具を買わなくちゃなぁ。」
「でも明日は表彰式だよ、変にどんな家具を買うか悩むのに体力使わない方がいいんじゃないか?」
「うぐっ...。」
一応家は木造二階建て建築。
それに合わせた家具を選びたい気持ちはあるが確かに体力を使いたくはない。
仕方ない、今しばらくは諦めるか。
それから...
「お待たせしました!ご注文の4種リベクレープです!」
(リベ:この世界のベリー)
「おお、待ってました!」
「ヴィオレットちゃん...クレープまで広めたのか。」
「この世界は周辺環境やインフラがすでに出来上がってるからね、ラノベのような一から色々作るとかは出来ないからこう言う事くらい良いかなって。」
「まぁ確かに。」
「...?なんの話でしょうか?」
「ああ、そっちには関係ないよ。」
「???」
良かった、異世界人には通じづらい話で。
「まぁ気にしても仕方がない、早く食べよ!」
「だな、いただきまーす!」
その後私達は4種のベリークレープの美味しさに満足したのでした。
ちなみに飲食鑑定をしたところ、使用されているベリーはブルーベリー、ラズベリー、クランベリー、カシスだった。そりゃ美味いわけだ。
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その後菫ちゃんは国に戻り、満足したニコも桜華の館に戻った。
私は誰もいない場所に移動する。
「...急にチャチャ入れるなんてどう言う事だ?」
...あ、私?
「あんただよ!...そもそも何者なんだ?」
その説明はまた今度。
6日後に説明する。
「6日後だと...?」
うん、結構色々話すよ。
こっち側も切羽詰まってるの。
タイムリミットが近づいている。
「ちょっ、どう言う事それ!?」
落ち着いてお母さん。
ちゃんとまた話すから。
「そのお母さんってのも一体...。...わかった、6日後だな。」
うん、夕方5時に行くから。
家に。
「...わかった。」
もちろんだけど、朱斗や蒼鈴達も呼んでね。
その話はとにかく信用出来る人に共有したい。
「...言っておく。何する気なのかは知らないがお菓子を置いて家で待ってるぞ。」
わかった。
じゃあね、お母さん。
あとゼリー買っておいて。
この世界にはあったはずだよ。
「子供か!!」




