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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
210/302

第202話 霊獣キジコ

霊獣キジコの身長は170cmではなく165cmでした!

表記ミスごめんなさい!

 「霊獣...?」

 「そうです。」


 死んだわけじゃないけど復活した私。

 現在仲間を救い館に戻ってきた所である、タビさんの料理がとにかくうめぇ。

 ...それはさておきその後だ。


 私は今の状態について色々聞かれている。


 「その魔力...神獣とは違うのか?」

 「うん、」


 霊獣...この力を知ったのは向こうで肉体の修復が完了した時である。神獣候補として力を積み重ねていた私だが、バッドステータスの効果で神獣への覚醒はそもそも無理だった。

 しかし以前、覚醒条件を満たした後で不撓不屈による限界突破で消滅した肉体は、神獣として使うはずだった潜在力を解放し再構築したのだ。


 その結果、今の私は神獣のようで神獣ではない存在へと覚醒。神獣は100年に一体だからただ覚醒したという訳ではなかったのか、見たことも聞いたこともない、霊獣という存在に。

 ある方曰く、神獣としての力を例外的に引き出した結果による新たな存在、この世で唯一の存在であると。


 「...ってわけです。」

 「...驚いたな。」

 「どうりで力に溢れてるというか...神々しさも感じると言うか...。」

 「一応、ニコと同様前の姿にもなれます。」


 ドロン、と私は前の姿に変身。


 「この通り。」 

 「...尻尾は2本あるままだな。」

 「余計に仰向けで寝られません。」


 フリフリとした尻尾。

 

 「さて、聞きたいことがある。」

 「...闘王闘技の事だな。」 

 「それもあるが違う。」

 「違うんかい。」

 「この団子だ、ほんはひんひょうひんふぃいふぇふぁいふぉ(こんな新商品聞いてないぞ)。」

 「食いながら喋るなよ!!」

 「ズズズ...(茶)、抹茶あん団子...上手い。」

 「でしょ、キジコ!私も今日はそれを食べにこの町に来たんだよ!」

 

 尻尾ブンブンのニコ。


 「さてと、闘王闘技ってどうなったの。」

 「結論で言うと、中止に向かった...だがな。それは決勝進出者であるお前がいないからの話だ。今こうしてお前がいるとならば大会運営に色々言えば何とかなるだろ。」

 「そうか...それと、あれから私が町で見た少女については?」

 「いや、見かけていない。」

 「そう。」


 ふむ、ゴミクズエルフが現れるまでは特に大きな事件はなく平和な方だったのだろう。実際、ルザーナ達が以前よりもしっかりとした風貌というか、大人...?になった感じがある。

 

 聞けばこの館で働き始めたようだ、3人ともに任せられる仕事があるから朱斗達がもし良ければで進めたところ選んだようだ。良かったな、定職おめでとう!


 ...私どうしよ。(無職)


 「んんっ...ちなみにだが、闘王闘技でニコとスアの結果ってどうなってるの。」

 『あれは私の負けなの。邪魔が入らずともそのくらいわかるの。』

 「...という事は。」

 「キジコ、私と決勝で闘える。約束を叶える事が出来る!」

 「!」


 思わずニコとハイタッチ。

 そしてニコの歓喜のハグ、ぎゃー。


 「まぁ大会の再開はこちらで任せて。改めておかえり、キジコちゃん。」

 「はい、ただいま!」

 

ーーーーーーーーーー

  

 「ふぅ、いつもながらいい湯だ。」


 久しぶりの館のお風呂。

 広くて温かい。

 そして...。


 「はぁ〜...気持ちい。」


 ニコが可愛い。

 現在ニコと入浴中。


 「久しぶりに入ったなぁ、ここのお風呂。しばらくはミッドエデルにいたから本当に懐かしく感じるよ。」

 「そういえばキジコは今までどこにいたの?」

 「ああ、私を転生させてくれた神様の所で肉体が直るまでの間暮らしていたんだ。」

 「キジコを転生させた神様の所...!?そういう神様っているんだ...。」

 「いるよ。」

 「どんな人?」

 「オネエ口調のイケメン。」

 「どんなんだよ...。」

 

 そういう神様なんですディメンは。


 「それとちょっと目つきの悪い閻魔様と面白いメイドさんもいる。」

 「閻魔...様?」

 「私のいた世界で、死んだ人の魂を天国か地獄に行くかを決める方さ。綺麗な女性だよ。」

 「へぇ〜。」


 冥さん背が高いしスタイル良いんだよね。


 [キジコさん、綺麗な女性と言った所で冥様は照れながら威張ってます。]

 (風呂覗くんじゃねーよ!!?)

 [失礼しました♪]


 

 「キジコ。」

 「どうした?」

 「私ね、キジコがいなくなってからさ、パースのために結構頑張ったよ。」

 「ほう。」

 「まだ約1ヶ月しか経ってないけどさ、パースに住む人が増え始めてね、町も少しずつだけど広くなって来たんだ。」

 「すごいじゃないか。ニコは凄いね。」


 ニコは国の主としてはまだまだ若いけど、私が考えてた以上に成長している。それが聞けただけでも私は嬉しい。


 「えへへ、ありがとう。公務って大変だよ、休憩としてリーツに連れて来てくれた先生...ウダスにも感謝しないと。」

 「そうなのか、ウダスさんは元気?」

 「うん、私の下で働いてるせいか仮面越しでも楽しそうなのがわかるんだよね。」

 「流石は生徒さん。」


 それから私とニコは話したい事をとにかく話した。

 親友だから、この瞬間がとても楽しくて仕方がない。

 ただいま、親友。



 「...ちなみにだけど、」

 「ん?」


 風呂から上がるニコ。

 すると髪が伸び、白く輝く。

 背が伸びて少し大人びる。


 「...この姿も綺麗でしょ、キジコ!」


 神獣形態か、改めて見ると...眩しい。


 「ああ、とーっても綺麗になってる!でもね。」


 私も負けじと霊獣形態。

 165cmの長髪猫又。


 「私も負けてられないね、その辺りは!」

 「...身長は私が勝ってるね!」

 「言うな!」


 お互いとりあえずポーズ。

 風呂場に二人の美人。


 「急に凄い気配がしました師匠って...ぶはぁっ!」

 「クロマーーッ!?」


 入口には、

 サムズアップしたまま気絶したクロマがいた。

 その顔はとても幸せそうだったとか。

クロマの[そういうところ]は何も変わってません。

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