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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
帝国道中編
21/302

第20話 疑う刃



 キジコです。


 ケイ先生のレーダー教室を終え、ゼオに案内されちょうどいい場所で休憩中です。

 川があり、魚も取れ、風が吹くたび駆け巡る心地よさ。


 ミーシャさんが空間収納で持ってきた調理道具や材料で鹿肉の鍋料理を作ってくれるとのこと。

 そんな美味しそうな料理をルザーナやアリア、ケイと楽しみに待っていた。


 そして現在、ミーシャさん作ってる料理の前で....



 「貴様がどうしても怪しい。この手で確かめてやる。」

 


 慌てるゼオ

 戸惑うアリア

 仰天するケイ

 唖然とするミーシャ

 威嚇するルザーナ


 私に大剣の刃向けるスーロッタ

 何も知らないキジコさん


 「「「「「は!?」」」」」

 


 一体なんでこうなってしまったのやら

 話を戻す事ちょっと前、


ーーーーーーーーーー


 「この辺りなら川もある、魚もいる、割と広い河原だからうってつけなんじゃねぇか?」


 そこは綺麗な水の流れてる川があり、河原も荒れておらず、まさに平穏なキャンプ地だ。


 「さすがゼオね、あんたに場所探しさせればいつもいい所見つけてくる。」

 「ひひっあんがとな!」

 「そういえばスーロッタは?」

 「ああ、この辺りあんまでかい石ないからってスーの奴、反対側に行ってるからむかえにいくわ。先に料理作っといてくれ。」

 「わかったわ。」


 元気だなぁ若人よ。(前世32歳の女性)


 「ゼオさんはこういうの得意なの?」

 「ええ、学園の頃からキャンプになるとアイツ主導であれば大抵なんとかなるほどね。」

 「その際ミーシャの料理もプラスで2人いればほぼノルマクリア状態だったっすね。」

 

 またさらにありがたすぎる才能の子来たよ!


 「さて、空間収納庫から...よいしょっと!」

 「おお!?鍋やらお玉やら色んな調理器具が!」

 「ふふ♪さぁ始めましょうか!」


 

 そこからはもう凄かった。


 まな板の上にあった臭み消しや味付けの野菜があっという間に切り刻まれ、

 いつのまにかあらかじめクーの実の果汁に浸されていた鹿肉を大きなボウルから取り出し、

 食べやすい大きさにとこれまた見事な包丁捌きをする。


 指をパチンとすると鍋の下の薪が燃え上がる。

 浮遊魔法で刻まれた肉が鍋に入り、挽いてあった油が熱でほとばしる。

 そこにさっきの野菜も投入、魔法で水を投入。


 そしてさらに調味料を入れ蓋を閉める。

 蓋を閉めた際、蓋の少し回してカチッと音が出る。

 ...まさか圧力鍋か!?


 「それ!」

 

 今度はまな板や包丁が水魔法で一瞬で綺麗に!

 さらに炎魔法で即乾燥!

 それ前世で欲しかった!!


 「さ、あとは待つのみよ♪」

 「すげぇ...。」


 いや素晴らしい、無駄がない。

 正直、魔法なしでも十分腕のある料理人いけるじゃん!

 美味しい物に反応してルザーナも興味津々。


 「さて、あたしは川で魚捕まえられるか試して来るっす。」

 「気をつけてね〜。」


「〜〜♪〜♪〜...」


 「お?ミーシャのエルフ族の歌っすか。」

 「エルフ族の歌?」

 「ミーシャがたまに歌っていて、エルフ語だから何言ってるかがわかんないすけどいい歌なのはわかるっす。」

 「へ?わからない?私にはちゃんと聞こえるんだけど...?」

 「あれ..?あ、多言語念話使ってる感じっすか?」

 

 多言語念話:その名の通り多数の言語も対応できる特殊な念話。念話スキルの上位種である。

 ただしある程度その言語を知っていないと使用出来ないので注意。


 ちなみに私はレギスでマウリに色々教え込まれたため、ある程度わかる模様。

 ヴェアートさんに言われるまで気づかんかった。


 「まぁそんな感じです。」

 「ほぇ〜、どこで知ったんすか?私学園でも習った覚え...」

 「ケイ...多言語の授業で習ったはずよ..。」

 「あれ?そうすか?」

 「アンタその授業大抵居眠りしてたから。」

 「アーソウダッタスネ。」


 ミーシャの歌っている歌は旅の安全を祈るかのような歌だった。

 その姿はまるで森の精霊と言わんばかりの美しいオーラがあった。

 (鍋からの美味しい匂いと共に。)

 



 ザッザッザ...


 「おーい、スー見つかったぞー。」

 「...遅くなってすまない。」

 「いいよいいよ、気にしなくても。ミーシャの料理も大方終わってるからあとは待つだけよ。」

 「〜♪〜〜..あらスーロッタ、お疲れ様。」

 「...エルフの歌か。」

 「スーロッタさんも知っていたのか。」

 「...幼馴染..だからな。」

 「旅に関する歌なんだろうけど、綺麗な歌声だったよ。」


 「....!」


 ん?スーロッタからなんか変な感じが..?


 「お、おいスー、さっきから闘気が溢れてるけどなんかあったのか?」

 「そういや確かに、何があったんだい?」

 「....。」

 「....!キジちゃん避けて!!!」

 

 スーロッタの浮かしていた岩が私に飛んでくる。


 「ああ!?」

 急でレーダー発動出来なかったが距離が近かったのでスキル外のセンサー(毛)で十分避けれた。


 「あっぶねぇ...。」

 飛んできた岩は地面にめり込んでた。


 「チッ...邪魔をするな、ケイ。」

 「そっちこそ何やってんすか!?」

 「疑わしいから攻撃したまでだ。」

 「はあ!?」

 

 「俺はコイツが信用できない。得体の知れない事が多すぎる。」

 

 スーロッタは大剣を私に向ける


 そして現在に至る



ーーーーーーーーーー



 大方あらすじ終わり!

 まるで意味がわからんぞ!


 「おいスー!何やって..ガァッ!?」

 「邪魔だ、ゼオ。お前も巻き込みたくない。」

 「落ち着け、スーロッタ!」


 アリアがスーロッタを止めに入るが...。

 「が...!?なにこれ..体が..動かない..!?」

 「だから巻き込みたくないと言ってるだろう。」

 「...拘束魔法っすか..どこで覚えたんすか?あんたそんな魔法覚えないどころか嫌いだったはずっす!」

 「事情が変わっただけだ。」


 ケイやミーシャ、ルザーナも魔法で拘束された。


 「皆を傷つける事はしない。俺が用あるのはそこの魔物だ。」

 「....何をする気だ。私になんの用?」

 「お前を信用出来ないからこの手で確かめる、ただそれだけだ。信用しきれない場合は...殺す。」

 「スー...!?お前...一体..!?」


 スーロッタの目が完全に私に対し敵対する様子を見せる。


 「覚悟しろ...ハァッ!!」

 「おわ!?」

 「周囲感知は使わせんぞ!!」


 速い!!

 とんでもない大剣捌きを見せるスーロッタ。

 まともに食らえば死ぬ。

 周囲感知は下手につけばバレる、己のセンサーを頼るしかない。


 「ソニックスラッシュ!!」

 「やばっ!?」

 

 スレスレだった、まさかソニッククローと似た仕組みのスキル持ってたとは..。

 

 「魔砲弾マジックキャノン!!」

 「ふん!!」

 「!?」


 私の魔法弾を大剣を盾に防ぎやがった、


 「お返しだ、斬撃弾ソードキャノン!!」

 「うお!」 

 

 全力で避けたが後ろにあった木が荒々しい跡を残し倒木した。


 「ちょこまかと...腹立たしい。」

 「落ち着け!」

 「黙れ!!ハァッ!!」


 こちらへ迫り横なぎに剣を振るう。

 

 「っ、魔砲貫通光線マジックペネトレーザ!!」


 ペネトレーザを縦向きに7弾、刃を防ぎはしたが..

 

 「この程度...はああああ...!!」


 ゴリ押しで通すきか!?そうはさせん、物体移動、

 さっきの岩のお返しだ!


 「!?..ぐあっ!!」


 一個しか飛ばせなかったが結構重量あったのでなんとか怯ませ距離は取れた。


 あの盾にもなる大剣と身に纏ってる鎧相手じゃ通常の爪技じゃダメだ。

 意識しろ、爪に切り裂く魔力を...!


 (攻撃アタックスキル:強撃爪を習得。

  なお、このスキルは現在、他のスキルと融合技としての同時使用不可。)


 行けるか....!?

 「くらえ!強撃爪!!」

 「ぐっ!?」


 スーロッタの大剣に魔力による大きな爪痕が残った。


 「...一筋縄にはいかないようだな。」

 「アンタが攻撃止めるならこっちも抵抗しないけど?」

 「...断る。」


 カタカタッ...


 「...!!」

 「下です!!」

 しくじった、スーロッタは浮遊魔法で地面の小石を上へ打ち上げた。


 「ぐあっ...!?」

 足場から浮かされ、小石がいくつか被弾した。


 「これで終わりだ。」

 「キジコ様!!」


 私は宙に浮き、身動きは取れない。

 誰も助けに行けない。

 その隙を狙い横薙ぎが来る。

 まずい...防御が間に合わな.....!





 「....!?」

 「....!」

 

 「...いい加減にしろよスーロッタ。いや、[寄生虫]が。」


 「...!リミットを外したか、ケイ!」

 「ケイさん..!?」


 激しい怒りの形相、荒れた毛、掴まれ砕けた大剣、殺意に染まった目...


 「さっさとその体から出て行け、命までは取らん。」

 「...?なんの事だ?」


 「も う 一 度 言 う 。

  そ の 体 か ら 出 て 行 け 。」

 



 「....チッ、バレてたんかよ。」

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