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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
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第192話 3日後

 ギウスティージアとの戦いから3日が経った。


 私とニコは現在、桜華の館にて安静中。

 なにせ小者といえど神と戦ったんだ、そのためにかけた体の負担はいつも以上に強く、ニコは今も眠っており、私に至っては...。


 「ご主人様ぁ〜ゴロゴロ〜ゴロゴロゴロゴロ〜。」

 「ほぁ...やめ...。」

 「モフモフですー。」

 『わしゃわしゃー。』


 人間態を維持出来なくなった。猫モード。

 恐らく不撓不屈の出力上げた上で極限魔力大砲撃ギガブラストを撃ったから、生活の必要最低限の魔力も失ったのだろう。


 お陰で家族に触られ捏ねくり回れて喉が震える毎日。

 早く起きないかな、ニコ。


 「それにしても、ニコさん見た目が元に戻っていますね。」


 今のニコの姿は前と同じ、人間態の私よりちょっと背が高く、朱色のフワサラボサな髪と尻尾。


 『でも神獣には覚醒してるの。』

 「恐らく...朱斗や蒼鈴、桃花様が以前使ったあの神獣の力の解放と同じなんじゃないかな。」

 

 根本的には覚醒している。

 今のニコはちゃんと立派なニコだ。


 「そういや ...闘王闘技はどうなったんだ?」

 「はい、闘王闘技についは現在会議中で、結果はまた後ほどになるかと思われます。」

 「そう...。」


 ギウスのせいでめちゃくちゃになったからなぁ。

 せっかく盛り上がってたのに。


 「...私、散歩してくるよ。」

 『主人、まだ全快でもないのに大丈夫なの?』

 「魔力的にペネトレーザは100発しか撃てないけど大丈夫だ。もしもの時は威圧でもなんでも使える。」

 「わかりました、お気をつけていってらっしゃいませ。」


ーーーーー

 ミッドエデル・街中


 「毎度!それじゃ出発するよ。」


 馬車に乗って街を散策することにした。

 え?猫なんだから歩けって?気にしてはいけない。

 馬車には仕事道具を持った男性や母娘の親子が乗っている。御者の爺さん儲かってるねぇ。


 「あ、猫ちゃん!」

 「まぁ、本当。可愛らしいわね。」

 

 あら、その親子が私に反応した。


 「どうかしました?」

 「わ!ママ、猫ちゃん喋った!」

 「お客さん、その方キジコ様ですよ!ちゃんとお金払ってるお客さんですぜ。」

 「ええ!?」


 御者さん気づいてたか。

 年の功ってすげぇ。


 「はい、キジコです。ああ、神獣案件は終わってますのでもう別にお偉い方でもなんでもありませんよ。」

 「そんな事はありませんぜ、キジコ様はそれとは関係なく十分有名じゃないですぜ。帝国を救い、獣人国の長年の争いを鎮めるのに貢献し、果てには闘王闘技の本大会に出て嫌な神さんぶっ飛ばす。これ程して有名ならねぇ奴はいねぇさ!」

 「改めて言われると色々暴れたな私...。」


 ほぼ成り行きでしていたからなぁ...。

 まぁお陰で多くを救えたんだけどね。


 「というかキジコ様、本当はそんな可愛らしい姿だったのですね。俺は人間の姿も気に入ってるぜ!」


 ストレートな奴だなこの男。


 「ああそういや キジコ様、どこで降りるんだい?」

 「闘技場までお願いします。」

 「あいよ、着いたらお伝えしますぜ。」


 それから30分程私達は馬車でゆったり街中を進んだ。

 

 「ねー猫ちゃん、これであそぼ!」


 ちびっ子が馬車の荷物にくっついていた猫じゃらしを手に持った。

 

 「えい!」

 「ニャッ!」

 「えーい!」

 「ニャニャー!」


 その光景に乗ってた男性とちびっ子の母親は笑っていた。


 「ウフフッ、お優しい方ですね。」

 「新聞や噂だけでは知らなかったな、キジコ様がこんなに面白い方だなんてな。」

 「そりゃー!」

 「ニャーン!」


 そして...


 「楽しんでるとこ悪いけどよキジコ様、闘技会場前に到着したぜ!」

 「ありゃ、もう着いたのか。それじゃ、私はこれで!」

 「猫ちゃんバイバーイ!」


 母親と男性も手を振って私を見送った。


ーーーーー

 闘王闘技・闘技場


 「おーい、そっちの壁の修理は終わったかー?」

 「はい、今終わりましたー!」

 「んじゃこっち手伝ってくれ!人手が足りん!」

 「了解ですー!」


 闘技場は現在修理中。

 極限魔力大砲撃ギガブラストで巻き込んでぶっ飛ばしたからね。


 「とんだご迷惑かけてごめんなさい、皆さん。」

 「ん?あ!?キジコ様!?」

 「ええ!?」


 うわ、すぐ気づいたこの人。


 「工事手伝いましょうか?」

 「いえいえ、皆を救った方にそんな事出来ませんぜ!」

 「ではせめて...。」


 空間収納庫から疲労回復ポーションを取り出した。このポーション...薬はその名の通り疲労回復効果がある、元々は私用に支給されたけど私は疲労回復効果上昇ってスキルがあり、それを発動した上で寝た方が効果あるので使っていなかった。

 どうしようかなと残してたが、工事のおっちゃん達に渡してもバチはないだろ。


 「全部で25本一箱×2で50本しかないけど、良かったらどうぞ!」

 「おお、ありがてぇ!!」

 「ありがとうございます、キジコ様!!」

 「手の空いてる奴!休憩中の奴らにこれを渡しとけ!」

 

 なかなか活気のある現場じゃないか。

 本当にいい街だ、ここは。


 私は闘技場に降り立つ。


 「ああキジコ様!そっちは資材が置いてありますので足元にはお気をつけください!」

 「はーい!」


 すっかり綺麗になっちゃったな、闘技場の地面。

 あの戦いが嘘の様だ。

 まぁ、立ってはいるけど特に用はないので資材伝って観覧席の方に向かうかな。





 そうして私は観覧席に戻ろうとした時だった。


 ビュオオッ!!


 「...!!不自然な風の音!!」


 嫌な音を感じ取り、木材から離れた瞬間、上から凄まじい風圧の砲弾が襲来、木材を木っ端微塵にした。


 「な、なんだぁ!?」 

 「お、おい!上...空を見ろ!!」


 彼らの見る方向にいたのは...竜。

 緑色で風を纏う竜。


 冒険図鑑、

 種族名....ウインド・グリーン・ワイバーン。


 「な、なんでワイバーンがここにいるんだぁ!?」

 「みんな逃げて、早く!!」

 

 工事のおっちゃん達は若手や非戦闘員の闘王闘技のスタッフを先に逃がす。


 「おい、キジコ様大丈夫か!?今のあんた見る限り魔力が相当減退しているぞ!!」


 !!、魔力や闘気が見えるスキル持ってたのか、あのおっちゃん...!


 「今ここでこいつを止められるのは私だけだ!おっちゃんはみんなを安全な所に!!」

 「...わかった!近くの衛兵に救援要請出す、それまで持ち堪えてくれ!!」


 そう言っておっちゃんは会場に私とワイバーン以外に誰か残っていないか確認し、その場を後にした。


 「魔力が弱り、力を持つ私を食いに狙って来たか?私を食う気満々の視線が丸わかりだ。」

 「グオオオオーーーーッ!!!!」


 まずいな、今の私に倒せるか!?

 いやマイナスな事考えてる場合じゃない、

 絶対なんとかしないといけない!


 持ち堪えてくれよ、私の体!!

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