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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
異世界参上編
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第1話 異世界に参りました

 んん..妙に眩しく感じる..。

 周りからガサガサと聞こえ少し暖かい風が吹いてきた。ダメだ、眠いし二度寝でもするか...。


 いやいや待て待て、そうだ、転生したんだった!

てか、ここどこだ?


 目を開けてみるとそこはどこかの森の中だった。それもとても平穏な。...本当にどこだここ?

 

 とりあえず状況確認

 私は雉野小夏きじの こなつ32歳の趣味没頭が好きな女。独身

 昼休みにて後輩との昼食から会社へ戻る途中に現れた暴走車から後輩を庇って死亡。

 その後オネエ口調のハンサムなディメンに未練強いからって第二の人生エンジョイしてこいとして転生させられる。

 そして今に至る。

 うん、我ながら超ざっくり説明だがだいたいこんな所だろう。ちゃんと前世の記憶も残っているが妙に頭がぼやぼやする。

 

 ここがどこだか知らないけどとりあえずまずは探索からしてみる...ん?


 あれ動き方が妙に違和感あるぞ、というか視点低い。

 四足で歩いてるからか...ん?四足??


 ようやく頭のぼやぼや感がなくなり完全に思い出してきた。そして自分の手を見てすぐに気づいた。


 本当に猫に転生してるぅー!!!


 落ち着け、落ち着くんだ!話せばわかる!!...いや私1人じゃん。

  

 と少々焦ったが結局これが現実。ここまで焦るなんていつぶりだろう。

 手をみた感じ1歳あるかないかくらいの猫の手だった。とうとうアニメや漫画の世界に憧れる人達を追い抜き本物の異世界に来てしまいました。


 少し時間が経って気持ちも落ち着いた所で探索してみることにした。

 なにせせっかくの異世界、冒険せずして安全な保証などない。


 というわけで私はThe・スタート地点である森の探索することにしました。いえーいどんどんぱふぱふ〜

 するとまた風が吹いてきたが..


 ゾワッ


 おおう!?なんだこの感覚、全身で風の細かい動きや気持ちよさを味わうというかなんというか。

 特に顔や腕...というより前後足首裏が特に強く感じるが....

 猫で頭..手に比較的強い感覚....そうか髭か!!

 いわゆる触毛とかいうやつだ。

 猫にとってこの触毛は日常生活に非常に重要で、平衡感覚、気配の察知や空気の僅かな振動をもキャッチするセンサーの役割など、いわばレーダーである。

 つまり切られてしまえばそれこそ命取りだ。神様ディメン曰く魔物がいる世界らしいから気をつけよう。ていうか私も魔物だけどね☆

 

 

 しばらく森の中を歩いてるうちにこの体での走り方がだんだんわかってきたのでいざ駆け抜けてみるとこれが結構楽しい。走るだけで風が心地良く来る。

 ああ私、風になってるみたーいアハハ〜


 と、妙にテンション上げ進むうちに開けた所に出た。

 見たところそこそこ大きい川が流れており、特に濁ってもない様子だ。

 だが異世界とはいえ変な薬品だの毒物だの混ざってたら飲料としては意味がない。

 そうだ、別の魔物が飲みに来るかもしれない。もしその魔物が飲んでいればおそらく私も飲めるに違いない。


 というわけで猫らしく草木に隠れ待ってみる。前世だとスナイパーとかが数時間数日間とじっと獲物ターゲットを待って出てきた瞬間狙うと聞いた事あるが、

生憎私はそこまで我慢強くない。数時間待って来ないなら諦めてちょびっと飲んでみるかな...

 

 と思っていた時だった。

 

ガサガサッ


 驚いた、もう出てきた。

 見た感じ、割とすらっとした体型、金属のような鈍い光沢を持った割と大きな角、白い斑点のある茶色い毛。

そして額に赤い宝石のようなものがついてある。

 

 前世の生物とは似ているようであんま似ていないようにも見えるが間違いない、あれは....鹿だ!


 この世界に来て初めて見た魔物は鹿でした。いえーい

 そして予想通り川の水をなんの躊躇いもなく飲んでいた。なるほどこれはきっと飲める水だ。


 しかし興味を優先してしまった事がこの世界に来て初めての私の失敗だった。

 

 隠れてた所から出た途端、


 「ヴォオオーーーーー!!!」

 

 え!?今の鳴き声!?予想と全ッ然違う!

 つーか息荒げ気味にこっち見てない!?

 まずいまずいロックオンくらってるわこれ!

 

 そして鹿の魔物は角をこちらに向け、川の中をドシャドシャと走りながらこちらへ突進してきた。

 

 「どぅわぁ!?」

 

 川の中を無理やり進んできたからか前世の暴走車と比べれば避けるのはまだ簡単な速さだった。

 とはいえこの体よりも大きいあの体躯の突進と角攻撃なんぞくらえば無事で済むはずがない!

 やばい、もう突進の準備し始めている...いくら避けれてもこの体にはまだ慣れてるわけでもないし体力もいつまで持つかわからない。

 何か...何か補助とかは....補助....ヘルプ....アシスト..。

 あ!

 

 そうだ、ここに来る前に神様がアシストがなんちゃら言ってたな。だがそれは一体そうすればいいものなのか..

ものは試し、念じてみる

 

 アシストこい!!!!


 「やっほーキジコちゃん♪ もうピンチかしら?」

 

 念じてたら急に頭の中に聞こえてきたこの口調....まさか神様ディメンか!?

 

 「せいかーい! さっそくだけどどういう状況かな?」


 どういう状況って....て、そうだやばい鹿の突進が来r....て、あれ....鹿の動きが微動だにしていない..?


 「ああ、あの鹿の魔物、アイアンディアーは気性が荒くってねぇ、話の邪魔になるのは嫌だから一旦停止させてあるわ。」

 

 は!?そういうのできるの!?

 神の名は伊達じゃないってことね...


 「ふふん♪ さて本題だけど見た感じ襲われてる状況だからアシストを求めたって感じかしら。」

 

 大当たり、戦い方もわからないし。

 

 「そんな時は〜....こちら!ディメンノート!

 

 なんだそのテレビショッピングみたいなノリと商品。


 「商品というよりこのノート自体がアシスト、いわゆるスキルよ。」

 

 なんと!とうとう私もスキルデビュー!


 「このスキルはサービスとして今後役に立つようなスキルや情報を備えてある複合スキルなの。」


 それはありがたすぎる。この世界の知識がない以上頼れるものはなるべく頼っておこう。


 「最初はこちら!一度戦った魔物の情報が知れる、魔物図鑑! 」


 さっそく妙に反則気味なのが来たな....まぁゲームとかでは割とよく見たあれだが。


 「次にこちら、自分の体力魔力、スキルなどが閲覧できる、ステータス!!」


 出ましたゲームや異世界ものでお馴染み、ステータス

 ..待てよ、個人を表すものなのにそれ自体スキルなのか?まぁそういう世界なんだろう。

 

 「3つ目は...食べ物に困った時、この木の実は食べれる物なのか、毒はないのか、それがすぐに判別できるスキル、飲食鑑定!」

 

 本当にありがたいのが出てきた。これならある程度は食に困らないだろう。一応猫って肉食だけど一応一部の野菜もある程度は食べれるらしいし。だからと言って人が食って大丈夫でも犬猫が食えば毒になる食べ物なんて結構あったしな。今魔物だけどね。


 「最後はこちら、今どうやって鍛えればいいか、この体はどう動かせるのか、そんなキジコちゃんのためにこのスキル!肉体理解!!」

 

 脳筋染みたのがきた。でもこれがあればちゃんと強くなれるな。目指してるのスローライフだが。


 「ちなみに今の4つのスキルはこの世界でそこそこの強さの人間が持ってたりするスキルだから、そこまで反則じゃないから安心してね♪」

 

 最後の聞いてなんか気分下がったような却って安心できるような...まいいか。

 

 「あーそうそう、スキルの使い方は実際試した方が早いよ、それと今後たまにこの念話を通じて連絡したりするから、その辺よろしくね〜。」


 とても大事なところ省かれた気もするが百聞は一見にしかず、聞くよりみて試す方がいいか。

 そして連絡ね..何話してくるか知らんけど大丈夫だろ。


 「さて、ちょっと大雑把な説明だったけどそろそろ戦闘準備はいいかしら?3、2、1...」


 あ、やべ


 「停止解除!がんばってね〜!」

 

 そして停止が解除された鹿が私に向かって突進してくるのでした。 

 

次回ようやくバトルスタート!


ディメン「ちなみにアイアンディアーは初級者用モブにしてはちょっと強いのよね...大丈夫かしらキジコちゃん

(´・ω・)」

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