表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
198/302

第190話 私が助ける番だ

 私は...ニコ。


 ニコ・ランド・ウルフェン。


 獣人族の王族として生まれ、

 神獣の可能性を持つ者として鍛えられ、

 ...結果的に神獣の力を持った人間だ。


 私の理想と欲は、

 両親や仲間達が目指した、人間ヒトらしく慈しみの心を持つ獣人族の姿がある世界。

 そして、目の前の誰かをより多く助ける力。


 ...くだらないと思われても良い。

 でもそれが私だから。

 否定されても自分まで否定するつもりはない。

 頑固だろうけど、それが私と言う存在意義であり、私が私であれた理由なんだから。


 神獣の力は欲しい。

 それはここまで来たからでもあるけど、

 今誰かを助ける事が出来るなら、大切な誰かに信頼され託されたなら、私はその力が欲しい。


 何度も逃げようと、捨てたいと思ったこの力。

 私の心を壊し、自分で自分を傷つけ、嫌な未来を歩ませたこの恐ろしい力が。


 でも...あの人と出会った事で私は変われた。

 あの人と出会えたから私は今の私にもなれた。


 改めて言おう。

 私はニコ。

 自分の理想に思うがまま突き進む者だ。


 私は...力を受け入れる。


 今度は私が助ける番だ。


ーーーーーーーーーー


 [やめろおおおおーーーッ!!!!]


 ギウスティージアから膨大な魔力が溢れ、ニコに纏ってゆく。ギウスからは輝かしい力が溢れていて、まるで本来持つべき者に呼応するかのように纏われていく。


 所詮コイツには相応しくない力って事だな。


 さて、もうそろそろかな。魔力変形シャープチェンジは思考力を沢山使ってこそ効果を発揮出来る魔法だから、頭が疲れるんだよなぁ。


 これが低負担高画質な魔法だったらそれこそチートだっただろうけど...使える者限られるだろうし割と魔力のコスパが悪い。


 帰ったら甘い物食うの確定だな。


 ...勿論、ニコと一緒に。


 

 ぐらっ


 「おお?」

 [まずい...体が...我の肉体がぁっ!?]

 「だから...お前のじゃねぇ!!」


 ギウスを思いっきり蹴飛ばした。


 「あ...神獣パワー足りたかな?」


 いや...今私の意識が揺らいだって事はおそらくニコはこの精神、肉体の支配権を奪い返したって事かな。じゃあ...戻りますか!



...



 「ぶはっ。」


 目が覚めると闘技場。

 向こうには私が蹴った背中を押さえるギウス。

 

 [あああ...あと少しで...あと少しで...!!]


 私達を睨みつけるギウス。


 「そうでもないだろ、お前は私達を舐めてた時点で碌な未来無かっただろ。それも特にニコ、あの子の生きる未来を散々傷つけ邪魔をし、多くの人に迷惑では済まない事をしたお前にかける慈悲は...この場の誰も持っていない。」

 [うるさい!!我を...誰だと思っている!]

 「この場に及んでまだ言うか...こんな奴にニコが振り回されてたって思うと...腹が立つな。ま、安心しな。処刑人は私じゃない。」

 [何...!?]

 「それじゃ、未来に一歩進んだ力を見せてやれ。」


 長年の痛みを...倍返ししろよ!


 「頼んだぞ、ニコ!」

 「ああ!」


 その時は来た。


 倒れていたニコから輝かしい光が放たれ、神々しい魔力に満ちてゆく。


 立ち上がると身長が伸びてゆき、170cmはある。

 髪と尻尾さらに伸び、白く美しい毛に。

 装備はその力を纏い姿を変え、美しい。

 

 「お待たせ、キジコ。」

 「ああ、待ってたよ。ニコ。」


 少し大人びた顔は笑っている、

 綺麗な青い眼はさらに輝かしい。

 

 ああ...なんて美しい姿だ。

 とても綺麗で...立派な姿。


 「どうやら上手くいったみたいよ。」

 「あれが今世の...!」

 「綺麗...。」

 「クラル様...ラミ様..、ニコ様は...御立派になられました!!」

 「良かった...良かった、ニコ!!」

 

 目の前だからすごく伝わる!

 今まで感じた事の無い、膨大で...優しく温かいこの魔力!!

 これが...これが...神獣!!


 [個体:ニコが神獣へと覚醒。]

 [種族名:アドバンス・プラチナム・フェンリル ]


 「ニコ・ランド・ウルフェン、今世の神獣として...ギウスティージア。貴様を倒す。」


 神獣ニコ、いざ出陣。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ