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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
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第185話 不撓不屈

 ニコを助けるため、ギウスをぶっ飛ばすために現在スパルタ特訓中の私。


 ギウスの言う神罰というのは明日。

 うん、全然時間がありません。

 おまけに色々あってまともに戦えるのは私だけ。


 そんなわけで私は色々加護を与えられ速攻強化。

 しかし肉体が強化についていけず現在ヴァルケオ達の指導の元で特訓しているのだ。


 昼を過ぎたある時、指導役のヴァルケオが交代。

 次の指導役はマウ姉...のはずだった。


 やってきたのは...桃花様だった。

 彼女は大切な友人を悲劇から救う事が出来なかったのが凄く悔しかった。だがギウスの能力で私を除いた全ての人間、生物は動けなくなる。


 そのため桃花様はおそらく唯一の希望である私に託したい、だからこそ今出来る事を自らの手で託す。


 ならば私は...答えるのみ。


 「お願いします、桃花様。」

 「ありがとう...キジコちゃん。」


 するとその瞬間、ズシッと圧力が一帯に広がる。

 私は威圧耐性あるから大丈夫だが...離れた位置にいる館の従業員さんは震えて動けていないな。


 ※威圧...相手に圧力をかけるスキル。相応の耐性持ってないとまともに動く事すら出来ないぞ!


 「皆離れといてね。」

 「言われずとも!」

 「では結界張るね、これで存分暴れても大丈夫よキジコちゃん。」

 「はい!」


 魔身強化、レーダー機能フル稼働、さぁ行くぞ。

 

 「瞬速撃ハイソニック、猫パンチ!!」

 「ふむ。」


 結構な威力を込めたパンチを指一本で止められた。

 嘘だろオイ。


 「まだ拳の重心がブレブレやし余計な力を込め過ぎてる。もっと脱力する必要があるねぇ。」

 「それに加えて力を込めるタイミングも早い。技の威力を発揮しきれんぞ!」


 指一本でそこまでわかるの!?

 んでエレムス教官もよくわかるよねそういうの!?


 「ペネトレーザ!!」

 「このくらい弾けるわ。」


 桃花様が手を一振り、あら不思議レーザーが折れて上に向かって飛んでいった。

 そんな馬鹿な...。


 「うぎ...空間衝撃波ルームバースト!」

 「発動が遅い。もっと早く!!」

 

 桃花様のパンチ、空間衝撃波ルームバーストが砕け散った。


 「化猫起動、妖炎乱舞!!」

 「勢い任せな所が多い。」

 

 全部防がれた。


 「やけくそ妖炎猫キック!!!」

 「動きが読みやすい。」


 あっさり避けられた。


 「はぁ...はぁ...すごい、全く通じない。」

 「ふむ...キジコちゃんは所々荒削りな部分が多いねぇ。まぁヴァルケオのおかげで動きの基礎はどうにかなってるけど細部がまだまだやね。」

 「ううっ...。」


 格上からの指導は貴重だ、指導された箇所を直していかないと。


 「ほら、早くしなさい。時間は無いんよ!」

 「はい!」


ーーーーー


 それからさらに3時間経っただろうか。

 皆が私を見守る中、私の強化はどんどん進んだ。


 「っ!!」

 「おっ!?...だいぶ良くなったね。」

 「スキル学習力の効果もあって思ったより早く加護が馴染んできたよ。肉体理解で今じゃ違和感はほとんど無い。」


 それを聞くと桃花様の雰囲気が少し尖るというか、鋭い威圧を放つ。


 「そっか...それじゃ。化猫と魔砲...起動しよっか。」

 「え?」


 ちょい待て、どういうこと。


 「待て母上。そんな事したらキジコ、また大変な事になるぞ。明日ギウスと戦うというのに!」

 「昨日使ったのに今キジコちゃんがこんな状態であるなら多分大丈夫よ。治療は私らがするから。」

 「...やるしか無い。」

 「無茶はするなよ、キジコ!」


 朱斗と蒼鈴が焦ってる。

 そういやケイとの戦いの後、顔を真っ青にしながら私を修復治療したんだったな。


 「化猫、魔砲...起動!!」


 肉体にヒビが入り、妖炎と魔砲エネルギーが溢れ始める。


 「あぐっ!?...これで良いですか?」

 「うん、あとは魔身強化を最大にして。」

 「はい!!」


 魔身強化、出力最大。

 ヒビが広がり放出エネルギーも増す。


 「...っが!?」


 あまりの負担で血を吐いた。


 「キジコ!!!」

 「うん、それで良い。」


 桃花様は私の胸に手を当てる。


 「キジコちゃん、ここまで増させた魔力の中でね、高密度というか、純粋なエネルギーを感じとれるかな。私も手伝うから、その状態を維持して感じ取ってみ。」

 「...わかりました。」


 今言われた事を意識しろ。


 今の崩壊が始まったこの肉体の中にある純粋な力を感じ取れ。


 私なら出来る、


 ...


 ...



 ...妖炎と魔砲エネルギーの中に、なんというか...輝くエネルギーが見えるというか表現するというか。


 「これか...?」

 「増幅させて。」

 

 この力で、ニコを助ける事が出来るなら...


 「!!!」

 「来た!」


 その瞬間、妖炎と魔砲エネルギーが吹っ飛び、内側から白く、虹にも見えるエネルギーが溢れ始めた。不思議な事に体の痛みがない。


 そして、力が溢れる。


 「これは...!?」

 「なんだ、この凄まじい魔力は!?」

 「魔力の純粋な力を引き出す秘技、と言った所やね。」

 「...魔砲撃マジックブラスト。」


 ゴウッ


 「...!?!?」


 絶大なエネルギーが空の彼方へ飛んでいった。


 「な...なんじゃこりゃ。」

 「こりゃすごいわ、ダメ元で何か隠された力があるかもと言ってみたけどまさかここまでだなんて。」

 「確かにこれはすご....いや待て、ダメ元だと?」

 「そうやで、勘で言ってみただけなんよ?」

 「こっち危うく死ぬかも知れなかったんですけど!?」

 

 とんでもねぇ事態になりかけた件。


 「でも、こんな力があるなんて。桃花様でも知らなかったならせめて名前が欲しいな...。」

 「そうやね、どうせならかっこいい名前がいいよね。」


 ギウスとかいうふざけた神へ対抗する力...


 「...よし、この世界で生きる、誰かと仲良くする、穏やかに暮らす、誰かを助ける、誰かを守る、思うがままに生きる...善も悪もある力、私にとって、みんなにとっての自由、どんな形であっても誰もが求め屈しない自由を目指す意思!!


 私達は諦めない!!


 名付けて...不撓不屈ふとうふくつ!!!」


 [究極スキル:不撓不屈ふとうふくつを登録。]

 [警告:この力は大変危険を及ぼします。]

 [扱いには十分注意してください。]


 「待ってろニコ、私が...私達が絶対に助けてやる。」

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