第178話 スアvsニコ②
始まった第二回戦スアvsニコ。
スアはニコの技に驚くも楽しそうな笑顔で挑む。
『まぁ、そう来なくちゃ面白くないの。彼岸花!!』
彼岸花のような赤いレーザーはニコに襲い掛かる。
「ニコ・スーパースラッシュ!!!」
『ぬぁ!!』
しかし一振りでかき消される。
「それじゃお返しだ!!」
『...なんてね、なの。』
「!!」
ニコはスアに襲い掛かった瞬間、ほんの一瞬隙が出来たそのタイミングに、地面から魔力を感じた。
「レーザーは囮か!?」
『ヴェルツェールランス!!』
「うぐぁ!!」
間一髪剣で防ぐも上に吹っ飛ばされる。
『後は簡単、ほいっ!』
「ぅあ!?」
吹っ飛んだニコに地面から伸ばした蔓を巻きつける。
『蔓之搥!!』
そしてスアはニコを割と高い位置から地面に叩きつけた。怖い。
運営スタッフが頑張って整えた闘技場の地面にはまた痛々しい跡が付いた。
『...耐えたの。』
「...当たり前だ、ニコ・スーパーアーマー、6秒間だけの防御技...!!」
『これはやられたの。初めて見る技である上にこちらの手の内一個がもう使えないの。』
ニコは近距離も遠距離も、問題なく闘えるとんでもガール。その上、己の主人と同格である以上勝率が見えて来ない。かと言って諦めるのはもっとダメ。
ならどうする、最後まで闘うしかない。
「それじゃ...でやああ!!」
『!?、バリア..ぐああ!?』
大剣の重い一撃がスアをバリアごとぶっ飛ばす。
レリィのような私への対策とか関係なく、ゴリ押しで十分勝てる凄まじい強さ。
「もういっちょ、ニコ・ストーム!!!」
『!?、ヴェルツェールランス!!!』
ニコは竜巻を発生させる、
スアは木の根の槍を高く伸ばして竜巻とぶつけ相殺した。
『(アイツの事、絶対どこからか来るの!)』
しかし、後ろや横、上を狙って襲い掛かって来る気配が一切無い。
『...まさか!!』
「ニコ・魔砲斬撃!!」
『(主人の技の応用!?)』
ニコは青色のエネルギーを真成無双剣に纏わせ、土煙ごと正面から斬りに来た。その魔砲はさらに大きな剣の形を作り、横一振りに襲い掛かる。
『これはやばいの!!』
スアは慌てて大きく距離を取る。
振り返るとまだ距離のある観覧席のバリアに跡が付いている。後ろに下がってたら真っ二つだっただろう。
『...殺す気か...なの。』
「あっはは、初めて使ったけどここまで火力あるなんて...ごめんね!」
『ごめんね!っで済むか大馬鹿!』
流石のスアも怒る。
『しかし、様子を見る限り言い換えればあのくらいの技はまだまだ出せるって事じゃないの、とんでもない。』
「ああ、私はとんでもなく...強いよ!!」
ニコは大剣を地面に叩きつけると、サメの背鰭のような斬撃がいくつも発生、私に向かって来る。
『ヴェルツェールランス、あんなの貫け!!』
その間にスアは宙へ飛び上がる。
『蔓操作!!あんな技見せられた以上、今度はそう簡単には近づけさせないの!!』
「なら私は、また正面から行かせてもらう!」
すっかり笑顔なんて消えたスア。
さぁ、ニコにどう挑む!?
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おまけ
観覧席にて..
「ニコー、ファイトー!!」
「頑張れー!!」
ニコを応援する二人の獣人。
名はジンとハル。
ニコの保護者...家族だ。
可愛い娘の頑張る姿をとにかく応援!
「...すっかり元気になって良かったわ。」
「ああ、この大会であんなに張り切った姿を見れてすごく嬉しいのは俺も一緒だ。...本当に強い子に育ってくれた。」
ニコは真っ直ぐ、スアの攻撃を打ち破って突き進む。
「お前なら優勝出来る、そしてその姿を俺たちは見守っているからな、ニコ。」
二人のは娘が無事に、何事もなく、娘の思うがままに楽しむ事を心から願う。
弱い自分を乗り越え、悲しい過去をもう訪れさせないために、己の道を進んで欲しいと。
...そう叶って欲しかった。