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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
176/302

第168話 3段戦を終えて

 「えっぐ...それで、第二王子がさぁ...。」

 「うんうん。」


 飲んでもいないのに泣き上戸っぽくなってるよこの人。でも愚痴はいっぱい聞いてやろう、ようやく出会えた元日本人として。


 数分後...


 「...そんな感じです。」

 「色々溜まってたんだね、お疲れ様。」

 

 15分くらい話してたな。

 わかった事は、

 ・彼女は生前20歳という、10代の努力が

  やっと結び始める若さで亡くなった事。

 ・前世も女性である事。

 ・今も昔もピーマンがちょっと嫌い(私は好き)。

 ・私と同じくアニメ漫画小説が好き。

 ・幼い頃から通して運動部のスポーツガール。

 ・趣味はお菓子作り。


 ...といった感じだ。

 まぁ異世界来て色々苦労していた者同士だ、

 正直な所もっと話したい。


 そう思っていた所で扉からノック音。


 「お嬢様、そろそろ...。」

 「あ...そうですね。それではキジコさん、もっとお話したかったですけど私はこれにて失礼します。またお時間があればお話しましょう!」

 「うん、今日はありがとうね。」

 「それと...。」

 「?」

 

 ヴィオレットは息を吸う。


 「私は私なりの人生を送る!悪役令嬢になってたまるもんですか!!」

 「ニヒッ、おうよ!」


ーーーーーーーーーー


 さて、ひと段落終えてホテルへ戻る私達。

 医務室に戻った頃にはクロマもニコも起きていた。

 私を見るなり私頑張ったーって二人とも抱きついてきたのは困ったけどね...。


 クロマのお祖母さんと椿姫つばきさんは私がすみれちゃんと話してる間に医務室に行っていたらしく、どうやらクロマは大泣きしたっぽい。目の周りがちょっと赤い。


 さーさて、

 2段戦はまさかの3日後。

 こんな疲れてるのにせっかちだろ大会運営。

 疲れてる時は何か、酒か?違うわ!!


 

 「温泉貸切じゃーー!!!」

 「ヤッター!!!」


 というわけでやってきました温泉街!!

 桃花様が私達のために貸切にしてくれたのでありがた〜くご利用してやろうではありませんか!


 貸切にしてもらったのは大きな銭湯。

 各地の温泉に温められた空気が辺りに漂う。

 さぁさぁ突撃だー!


 『待て、なんで俺まで参加させられてんだ?俺男だぞ。』


 平常心で待ったかけるリーデン。


 『いいじゃないの。』

 『男俺だけだぞ!?女子7人で女子旅しとけよ!?』

 「まぁまぁ、せっかく桃花様が私達のために用意してくれたんだからさっさといくよ。」

 

 そんなわけで女子7人は女湯参上!!

 

 「...ご主人様、身長少し伸びました?」

 「ん?あはは、そうか...なぁっ!?」


 ルザーナ、タオル巻いても刺激が強いって。

 スタイルならこの中で一番美しいが故に恐ろしき。


 『...。』


 レリィ、あんたは成長したらもっと綺麗なるから、だからぺたに手を当てて暗い顔やめて!?


 んんっ、気を取り直して...


 「行くぞー!」

 「おー!」


 扉を開けると広い空間、数々の大きな湯船。

 ドオッと来る暖かい空気。

 花やハーブなどのいい香り。


 「すっごーい!!」

 「早速いきまs...

 「体洗おうね。」


 数分後ゴシゴシ...


 「さ、入るとしましょうか。」


 皆んな好きな温泉に入り始めた。

 私はどこの温泉に入ろうか...お。


 あったあった、夜空が見える温泉。

 私は湯に入りフゥと息をはく。


 2日続けての盛り上がりに疲れた。

 温泉の熱が体に染み渡る。

 夜空の星が目を癒す。

 やっぱこの風呂が好きだなぁ。


 「風呂で寝ちゃダメだよ、キジコ。」

 「...寝てないよ、ニコ。」

 「フフッ。」


 ニコがくすりと笑いながらこちらへ来た。

 

 「私もそっちに入っていいっすか?」

 「いいよ、ケイ。」


 ケイもやってきた。

 相変わらずナイスバディで羨ましい事この上なく。


 「改めて自己紹介するっす。私はユイット=ケイル・イーク・ストルヤーナ、皆からはケイって呼ばれているっす。」

 「私はニコ・ランド・ウルフェンです。よろしくお願いします、ニコさん。」


 ようやく自己紹介する2人。

 まぁ2日間バタバタしてたからね。


 「キジちゃん、私がいない間にも友達いっぱい増えたっすね。良かったっす。」

 「私が友達いないタイプに聞こえるんだが。」

 「あの頃キジちゃんこの世界来たばかりである意味間違っていなかったと思うっすよ。」

 「うぐっ。」

 

 痛いです、心が。

 

 「ねぇ、ケイは行方不明の間はさ、何をしていたの?」

 「ああ、キジちゃん庇ったあの後なんすけどね、皆からは瓦礫で死角の場所に吹っ飛んでしまったすの。魔力もカラカラで気づいてもらえそうにないから死を覚悟したっすけど、そこで助けてもらったっす。」

 「?、誰にだ?」

 「お母さんっす。」

 「え!?」

 「まぁ詳しい話はまた今度にして、まとめるととりあえず実家に連れ帰ってもらって修行し直してたっす。仮にもお母さんは7代目のイークストルヤーナだからビシバシと日々鍛錬でしたっす。たまに他の国に勝ち込んで道場破り紛いな事もしたっすね。」

 「本当に何してんだ...。」

 「それである時町に買い物してた時にスーロッタにバレたっすね!」

 「あっはは.....はぁ!!?スー君知ってたの!?」

 「はい、一番最初にバレたっす。2番目がルザーナちゃんね。」

 「面白いね、キジコの周りはいつも笑顔があって。」

 「わかるっす?私もキジちゃんと会いたくて予選の待合室ではずっとうずうずしてたんすよ!」

 「そうだったの!?」

 「当たり前っす!あの子猫がこんな美少女になってぇ!!」

 「わー抱きつくな熱い暑い!!!」

 「あっはははは!!」


 喜ぶ狐、

 慌てる猫、

 笑う狼。

 湯以上にアツくなりましたとさ。


ーーーーー


 キラッ


 「お、希望星!」

 「聞いたことあるっす、稀に光る衛星っすね。」

 「...確か前見た時もこうやって温泉入っていたよね。」

 「覗きが好きなんすかね?」

 「それは絶対違う。」


 「...私は私の内にある神獣の力に負けない。私は私の全力でキジコと戦う。だからキジコもまだまだ隠してる作戦や技を出し切ってよね。」

 「当たり前だ!でもその前に2段戦をなんとかしないとね、私はケイと戦うし、そっちはスアと戦う。気をつけなよ、ウチのスアは強いよ。」

 

 私とニコはバチンッとハイタッチ。


 「決まったっすね!これぞ友情!!」

 「アッハハ!」

 「ご主人様ー、ジュース持って来ましたよー!」

 「お、飲む飲む!」


 さぁ3日後の2段戦、

 さらに気合い入れなきゃね!


 私はオレンジジュースを一気に飲んだ。

キジコ「あた...頭が...。」

 ニコ「一気に飲むからだよ...大丈夫?」

 ケイ「ゲラゲラゲラw」

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