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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
174/302

第166話 ニコvsクロマ④

 ニコ視点


 青白く輝くその衣はまるで夜空の星々。

 人の手では完全な再現が不可と言えてしまうような、神秘的で神々しくも恐ろしき。


 かつて大魔法使いはその力に目をつけ星空の力を得た。だが、その秘めたる力は余りにも強大。大魔法使いは一族の中で身と心共に才のある者にこれを受け継がせた。


 その力の名は蒼星夜。


 私が昔読んだ絵本にも出てきた伝説の魔法具にして、魔法具の頂点の一つである。


 その真の力が今、私の目の前で煌めく。


 「行くよ真成無双剣トゥルーワン、私と一緒に...伝説に挑むよ。」

 

 覚悟は決めた。

 新たなる蒼星夜の魔法使いクロマに、

 全力で挑む。


 私はクロマに斬りかかる。


 バチバチッ


 「!?、またか!!」

 「簡単には近づけさせません。」


 剣を弾く電撃の威力がかなり上がっている。

 序盤でこれをくらっていれば吹っ飛んでいた。

 

 「でも押し通す、それが私だ!!」 

 「!!?」


 しかしそんな電撃で今の私が押し負けては後が無い。こんなくらい押し通してやる、私は強いのだから!!

 

 「どりゃああ!!!」

 「うわぁっ!?」


 電磁力というやつか、反発する力に押し勝ってクロマは吹っ飛んだ。さらに行くよ、


 「ニコ・ストーム!!」

 「!!、転移!」

 「!、そこだ!!」

 「うぐっ...!!」


 後ろに現れる事を予測して剣を振る。

 予測は的中しクロマはギリギリでバリアを張る。


 「...雷撃砲サンダーブラスト!!」

 「!、グアッ!?」


 だが今のクロマも弱いわけでは無い。

 雷撃砲サンダーブラストで私も吹っ飛んだ。


 「サンダースピア、フォールサンダー!!」

 「な...!?」


 青白い雷が横から上からとんでもない速度で私に襲いかかる。全力で避けたのに体の何箇所も掠めた。雷撃が早すぎて体が反応しきれない!


 「誘導プログラム...。」

 (あれはまずい!!)

 「ニコ・ストーム!!!」

 「!?、掻き乱されましたか...。」


 今のは危なかった、プログラムサンダーってやつが発動すれば私でも防ぐ事は出来ない。ストームで周囲を砂埃やらで荒れさせて正解だった。


 「凄い力...これが蒼星夜...いや、クロマの力!」

 「さっきは驚きましたよ。まさか転移を読まれるなんて...感覚鋭すぎるでしょ。」


 私は体勢を整え魔力の流れを整える。


 キジコと戦う感覚で挑んではダメだ、闘い方が違う。狙うべき隙とタイミング、対抗出来るようなスキルが違う。


 今まで鍛えた感覚とこの闘いで得たクロマの情報を合わせて攻略するしか今は最善の道は無い。

 

 見極めろ、何か大きな弱点があるはずだ。

 さっきは直撃だけは避けれたじゃないか!

 深く考え過ぎて単純な内容に気づかない事だってある。ならどうする、闘って気付けばいい!!


 「どりゃあ!!」

 「まだ来ますか!!」


 とにかくクロマを、弾かれても押し斬り続ける。多少強引でもこれを続ける、勝利の道を見つけてやる!!


 私は真成無双剣トゥルーワンに思い切り魔力を込める。


 「ニコ・スラッシュ....連続発動!!!」

 「!!」

 「いっけええええ!!!」

 

 私は無我夢中に剣を振る。

 クロマが弾いて来ようと反撃をして来ようと。

 

 グラッ


 「しまっ...!?」

 「!、そこだあああ!!!」

 「ぐぁっ..!?」


 一瞬だ、クロマがふらついた。

 同時に後ろの地面が少し削れていた。

 そうだ、いくら剣を弾いても力を一方的に与える訳ではない、反発する力だってある。何度も見たじゃないか!


 そして今私はスキルでクロマを攻めていた、そのおかげでクロマの魔力を持ってしても防ぎきれない力がふらつきに繋がった。

 

 「この...程度!!!」


 とんでもない速度の電撃が広範囲に私を攻撃する。

 でも本気の私はそれくらい...

 

 「なんとかなる!!」

 「嘘...!?」

 「伝説くらい...超えてやる!!!」

 

 重い一撃を入れた。

 クロマは闘技場の中央で、膝をつく。

 

 「...蒼星夜をごり押しで勝つなんて本当に化け物ですね...。」

 「これが私の力だクロマ。本気なのに...正直危なかったよ。」

 「ええ、凄いですよ。もっと戦えるかと思えばこんなに早く決着が着きそうなのですから。強い力同士はぶつかると、噛み合わない部分からすぐに崩壊します、私達は強くても技術の違いがこの結果です。」


 クロマは立ち上がる。


 「それでも言い訳ついて敗北はしません!私は最後まで足掻く!!!」

 「!!」


 クロマは今までにないくらいの魔力を纏う。

 何重にも重なる魔法陣は膨大な魔力を溜め込み始める。

 ...まさか残りの魔力全部放出する気か!?


 「思った以上にはチャージ出来ましたよ...覚悟を!!」

 「...迷ってる間は無い、勝ってみせる!!!」


 来い...クロマ!!!


 「極限雷魔力大砲撃ギガボルトブラスト!!!」


 私は勝つ、勝ってみせる!


 「これが..私の...勝利へ導く一撃だああああ!!!」


 私の奥義、真成無双大一閃トゥルースラッシュ....!!



 

 「...こんなに魔力を使うとは思わなかったよ。ヘトヘトだ。」

 「それは私も同じですよ...はぁ、疲れた。」


 クロマは倒れた。


 「試合終了!!勝者はニコ様だー!!!」


 先に寝転ぶなよ、

 私も今すぐ寝転んで寝落ちしたい。

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