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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
173/302

第165話 ニコvsクロマ③

 ニコ視点


 ふぃー、今のは危なかった。

 四方八方から雷が飛んでくるんだから。

 次はどう来ると様子を見ながら攻めたのが裏目に出た、これは油断してしまった。


 さて、無理矢理技を使ってかき消したのはいいけどあんなのが何度も来たら危ない。流石の私でも体力スタミナだってあるんだ、ペースが乱れれば調子が狂って敗北に繋がる。


 なにせ相手はクロマ、今の時点でもこれ程の腕前の魔法使いは滅多にいないぞ。普段見せないような技術もあって対策が取りづらい。というか電撃で剣撃を弾くってずるいだろ!どれだけ精度と威力を鍛えればあんな芸当出来るんだ!?


 ぐむむ、キジコが観ているんだ。

 情けない勝ち負けは絶対にしたくない。

 私、もっと頑張りまーす!


 「それじゃ化け物の一発、くらえ!!」

 「!!」


 バチッ


 「うぐっ!?」

 「...?」


 あれ、なんだ?

 殴ったけど感触が違う、


 「だりゃりゃりゃりゃああ!!」

 

 バチバチッ


 「...やっぱり何かおかしいよクロマ。何を仕掛けた...いや、もしかして私の真成無双剣トゥルーワンを弾いた時と同じ、もしくは似た仕組みの技を使ってる?」

 「はい、ただでさえくらいたくない貴方のパンチを防ぐ手立てです。転移直後の貴方のパンチの際に纏わせた電磁波と私が纏う電磁波がバチッと反発するようにしてます。」

 「...ずいぶんあっさり打ち明かすね。」

 「貴方相手じゃ気休め程度ですから。」


 いやいや気休めにしては面倒な嫌がらせだよこれ!?

 クロマ私の事、若干過大評価してない!?

 確かに私は強いけど無敵じゃないからね!?

 それにこれちょっとヒリヒリするし!


 とりあえずその電磁波とかいうのをなんとかしよう。全身に魔力を纏い、周囲を吹っ飛ばすイメージで...!


 「ニコ・バースト!!」

 「...!電磁波が散っちゃった。」

 「確かに、気休めだったね。」


 よしっ、その電磁波ってやつは消えたようだ。名前は適当に叫んで発動したけど...まぁいっか!


 「なら...これはどうです!!」


 クロマは魔法陣を展開すると、そこに紫色の電気が収束してゆく。何かまた大きな技を撃つつもりだが、今それを防ぎに突撃するのは正解か...?普通目の前でこんな隙だらけの技を使うはずはない、魔法弾を放ってみる。


 バシュッ


 「...近づかなくて正解だった。」


 魔法弾が粉々というか一瞬で粒子になっちゃった。

 なら...距離を取る!!


 「逃がしません...超電雷撃砲メガサンダーブラスト!!」

 「!!!」


 収束した雷魔法エネルギーの光線が地面を荒く削りながら、下から上へと放たれた。私は回避出来たが地面はえぐれ、観覧席のバリアは熱で変色していた。

 

 「ひぇ...あんなの当たってたら...。」

 「どうしました?早く来てください。そのくらいで心折られては後が面倒ですよ。」

 「...はは、逆に...さらに面白くなってきた!!」


 ああこれだ、これこそが闘王闘技。

 とんでもない技を見せられたなら、とんでもない技で返してやればいい。

 私は思い切り魔力を纏う。


 「魔身強化、出力上昇!!」

 「ッ...!!落雷之柱サンダーピラー!!」


 クロマは雷で出来た柱を何本も形成し、私の行手を阻む。

 そして私は....空間収納庫を開き剣を出す。


 「前にキジコがやってた技の真似だけど...やってみるかな!!」

 「来る...!」

 「ニコ・真剣一閃!!」

 

 私は真成無双剣トゥルーワンで目の前にあるものを断ち斬った。


 シュンッ


 「ハァ...ハァ...!!」

 「どう?ギリギリ転移で避けた気分は?」

 「余り...いい気はしませんね。」


 回避が遅れていれば間違いなく大怪我していたからね。クロマの顔には冷や汗が浮かんでいる。


 「ハァ...モヤモヤしたまま負けるところでしたよ。」

 「そうだな。隠し事があるのに負けるのは気分悪いもんね。」

 「...全く、その通りですよ!!」

 「!」


 その瞬間クロマから膨大な魔力が溢れ出す。

 蒼星夜の衣が青白い光を纏い、キラキラと星の模様が輝く。


 「...お互い遊び過ぎました。このままじゃ勝っても負けても誰もいい気にならない。私は情けない思い出を作りに来たのではありません、だからもう...容赦はしません。」


 クロマの雷魔力のエネルギーが一気に濃くなった。どうやら魔身強化でどうにかなる話ではないようだ。向こうが容赦無しだと言うのなら、


 「...私もそろそろ本気で行くよ。」

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