番外編:ハロウィンパーティ!
「な、なんでしょうかこの衣装は!?」
「ニッヒヒ、カボチャと狼ベースデザインの魔女衣装!似合ってるじゃないかクロマ!!」
これはとあるハロウィンのお話である。
ある時私はハロウィンをしたいと思い、クロマという魔女っ娘にクルジュさんに設計図を渡して用意させた服を着せたのだ!
いやー可愛いいい!!!
私の見立てた通りこれ以上にないくらい似合ってる!!
『カボチャ...?それが魔女と何か関係があるの?』
「私が元いた世界ではハロウィンって言うお祭りがあってね。カボチャのランタンは魔除けの意味があるんだ。それと仮装は悪さをする奴らに化て身を守るって意味合いもあるんだ。」
「そんなイベントがあったんですね...。」
「みんなの分もあるよ!さぁ着た着た!!」
ーーーーー
と言うわけでルザーナとスアも衣装チェンジ!
ルザーナは吸血鬼!
背が高いので大人漂うノーブルな衣装を着せるだけで...出来上がっちゃったよ、うん。
牙もあるし視線も頼めば鋭く気品ある。
元が良すぎた...、お美しいです女王様。
そしてスアはカボチャスペシャル!
カボチャカラーをふんだんに使った可愛らしいデザイン!!健気でわんぱくなイメージがどーんとしてる!!見よこのカボチャのバルーン型スカートを!ちょー可愛い!!!
さて私のは...確か悪魔チックな設計図渡したはず...ふぁ?
「ご主人様...わぁ!?」
「ど、どうしたのルザーナ!?」
そこにいたのは、背中がちょっと大胆スースーの黒と赤の可愛らしい小悪魔衣装の赤面キジコがいました。
「恥じゅ...これは恥じゅ...あの野郎...なんて魔改造品作りやがった...!!」
「師匠...グフッ!?」
「わぁっ、クロマがあまりの興奮で!?」
さてさて気を取り直して、皆んな仮装完了!
あーちなみに他の人の家に行ってお菓子を集ってイタズラするとかはしないよ。
あと一人来ればちょっとしたゲームをしようと思う。
「皆様、ニコ様が参られました。」
と思ってた所にちゃんと来たようだ。
よーし、頼んでおいたこの服を!
数分後...
「どうだ、この服似合ってる?」
「おお...おおお...!」
ニコに着せたのは狼男チックな女性服。
簡単に言えば男装寄りのデザインである。
渋めの色でかっこよさ溢れるこのデザイン、
やだイケメン!!
「ところで皆んな変わった服を着てこれから何をするんだい?」
「ふっふっふ、これからあるゲームを始めたいと思います!」
「ゲーム?」
「見ていて、幻魔召喚!」
キジコの手に魔力で出来たカボチャのお化けのような魔物の姿が現れる。
「なんですかこれ...?こんな魔物見たことがありません。」
「幻魔召喚はスキル冒険図鑑に載ってる魔物を魔力で一時的に複製するんだけどね、これは私の記憶から無理矢理作り上げたお化けのパンプちゃんだ!」
(前世のシューティングゲームの雑魚キャラ!)
「これをどうするの?」
「この杖に微量の魔力を通すとね...。」
キラーン
「なんか光って飛んだぞ?」
「ただの光玉さ、当たっても怪我も損傷もしないただの光。でもこれをパンプちゃんに当てると...。」
ポンッ
「わ、消えた!」
「こんなふうに消えちゃいます、今から館の中にパンプちゃんを大量に発生させます。杖を渡すから皆んなでそれを倒してきてください!沢山倒した人には景品があります!」
「なんと!」
「ただし他人を妨害したり直接スキル技を撃ったり殴ったりするのはダメです。」
「はーい!」
「ちなみに私は主催者側だからここでパンプちゃんの管理をします。残りの数を言ったり追加をしたりするからちゃんと聞いておいてよね!範囲は館の西館全域だ、さぁ行ってきな!」
ーーーーー
「[と言うわけで皆準備はいい?]」
「一つ質問いいでしょうか?」
「[はいルザーナ!]」
「なぜ暗いのでしょうか...?今まだ明るい時間帯のはずですが...?」
「[周囲が暗くなるスキルです、エレムス教官が協力してくれました!雰囲気ある方がいいよねっ。]」
一応館内は灯りがあるから真っ暗じゃないよ。
「[それじゃ準備はいいかなぁ?]」
「負けませんよぉ?」
「私が勝って見せます!」
『負けないよわよ。』
「私が勝つ!』
「[それじゃ...パンプちゃん出てこーい!!残り100体だよー!]」
さてさてゲームスタート!
おお、始まってすぐ数が減ってゆくのがわかる。
あらかじめこのゲームのための魔法陣術式を作っておいて正解だった、スキルにもカウントされないから基礎さえわかっていりゃ自由にプログラミングが出来る。
いやぁ、入院中本を読んでおいて良かった!
...お、いっぱいいる所にスアが!
『とりゃあああ!!えい、そりゃあ!!』
すげぇ、もう17体倒したのか!
器用だなぁあの子。
さて次は...クロマだな
「えい!それ!きらーん!!」
今15体、なかなかいいじゃないか!
...なんか面白い戦い方してるな。
えーとルザーナは..
「それ、ほい!ふふ、面白いですね。」
25体!?すごいな、早めに追加のパンプちゃんを...
[残り10体を切りました。早く補充してください。]
は?
ちょい待った、残り10体切った...?
「この辺は殲滅しちゃったかな...向こうに行ってみるか。」
36体撃破...ニコ。
うっそだろ早すぎんだろ!?!?
やばいやばい、あらかじめ作っておいたパンプちゃん行ってこーい!!
「[パンプちゃんが150体追加されました。残り157体でーす!]」
「お、早速狩りに行きますか!!」
ふぃ...もうあと100体いるけど、
予想以上に早く減ってるなこれ...。
楽しいゲームにしたつもりだったがまさかここまで大変だとは...。
もうあと50体作っておくべきか...?
いや管理放っておいてそれはやめておこう。
今は皆の様子を見ようじゃないか。
ーーーーー
『だんだん慣れてきたの、えい!』
「すごいですスア!私も負けませんよ〜、そりゃ!」
ポンッ
「へへーん!」
『なかなかやるの!』
「この辺りは狩り尽くしましたし私は向こうに行きますね。」
『その辺り薄暗いから気をつけるの。』
「わかりましたー...
ボムッ
「あでっ...何かに当たり....え!?うわああああああああ!?」
「「「『!?』」」」
『どうしたの!?』
「で...で、でかいパンプちゃんが...!?」
『でかいパンプちゃん!?一体どう言う...え!?』
西館の大広間にいたのはちょっと怖い顔の大きなパンプちゃん。明らかにボスキャラなのがいるではありませんか。
「[ちょっと待ったそんなの配置した記憶ないよ!?]」
「ええ!?じゃあ、あれは一体!?」
おいおいおい、あれはなんだ!?
あんなの設置も召喚もしていないよ!?
これはまずい、ストックのパンプちゃん!
皆を助けに行くよ!!
私は術式を一旦閉じて、パンプちゃんを連れ西館に急ぐ。
「お待たせ!皆んな大丈夫!?」
「あ、キジコ!あいつ攻撃が効かないんだ!」
「ええ!?」
皆が杖を向け、パンプちゃんモドキに攻撃しているがバリアのような何かに阻まれてる。
おまけに変な光弾撃ってきて鬱陶しい、ダメージはないけど眩しい。パンプちゃんも必死にタックルしてるけど効かないどころか消えちゃってる。
...ん?ちょっと待て、
あれ、そもそもコイツ今のゲームの敵扱いなのか?
術式展開...名称...あれ、
ボスキャラ...[デカパンプちゃん]!?
トラブル発生なのは分かったけど...どう倒す?
見た感じ皆んな撃って撃ちまくってるけどダメージが通ってない。あのバリアを貫く方法...何がある?私の分の杖は作ってないから協力プレイは出来ないし...プレイ?
そうだ!そもそもこれは前世のゲームを参考に作ったんだ、そしてとあるアイテムを私は作ってある!私の記憶を参考に作ったのなら...この広い部屋のどこかに..。
『ぬぁ?箱の中から変なのが...。』
「...!それだ!!」
「ゴオオオオ!!」
「!?、スア、それを私にパス!!!」
『はいなの!』
「キャッチ、そしてくらいやがれえええ!!」
ガシャーンッ
「やっぱりあった、バクハツくん!!広範囲高威力爆発を起こす隠しアイテム!予想通りバリアが壊れた!皆んないっけえええ!!」
皆んなは一斉射撃、
デカパンプちゃんを撃破した。
ーーーーーーーーーー
デカパンプちゃんを倒し、本館に戻ってきた私達。すっかり夕方。
「はぁ、結局なんだったのか。」
「うーむ、魔法陣術式を見てるけど...やっぱりあんなの作られる仕組みにはなっていないや。」
「ではなんだったのでしょうか...?」
「おかえりなさい、可愛い可愛い子猫達...!」
「え...?」
気づかぬ間に後に現れたのは、
ザ・魔女って見た目の大人の魅力溢れる黒色の魔女...って、
「桃花様!?」
「ハァ〜イ!朱斗達から面白い事してるって聞いたからイタズラさせてもらったわよ!可愛かったでしょ、あの大きなカボチャちゃん!」
「あんたの仕業かい!!?」
とんだサプライズ仕掛けてくれたな桃花様め。
「ねぇキジコ、結局ゲームはどうするんだ?」
「ん?ああ、もう終わりにしようか。パンプちゃん消えちゃったし。」
「と言うわけで優勝者を発表します。一番多く倒したのはぁ....68体倒したニコ!!」
「ぃやったぁー!!」
「ふぎぃ、負けちゃったです...。」
「むぅ...。」
「そんなわけでニコには...こちら!」
「...!!」
キジコが手渡したのは、...飴。
「飴?キジコちゃんこれは...?」
「まさか...入手困難で有名なあの...ドルーシスキャンディ!?」
「ええ!?」
「なになに...皆すごく驚いてるじゃない、そんなに有名なの?」
「ああ、この飴はね。1日10袋しか売られない上に季節に合った美味しいフルーツが素材として使われてるんだ。そのため大人気でね、朝からこれのために並ぶ客の競争がすごいんだよ。売っているのは帝国内だから夜中にこっそり買いに行ったんだ。いやぁ運良く手に入った!」
「ありがとうキジコぉ!!欲しかった、これ欲しかったの!!」
「そんなに有名なのね、私も買いに行ってみようかしら?」
「取り寄せればいいじゃないか母上...。」
「あ、蒼鈴!」
「そろそろ館の大広間に来るといい、焼き上がったぞ。」
「焼き上がった...?」
ーーーーー
「わああああ...!!」
「おう、お腹減っただろ。いっぱい食うといい。」
机に並べられていたのは、
カボチャのパイ、
カボチャのパウンドケーキ、
そしてのカボチャクッキー!
「朱斗のお菓子作りの腕前はすごいからな。」
「キジコ様が以前言ってたお菓子とカボチャのイベント遊びを元に、カボチャを使ったお菓子にしてみたんだが...。」
「すげぇ...全部前世の世界にあったようなスイーツだよ!良く再現出来たね..!」
「味はどうだ?試食分だ。」
「では...あむ、む!?美味い!」
「なら大成功だな!すごいな朱斗!」
「よせ、お前が面白い話があるって言うから作ったんだろ。」
「もーぅ仲が良いんだからぁ二人とも!」
やばい、お腹がさらに減ってきた!
「じゃ、食べようか!」
「いただきまーす!」
「エバルティジュースもあるからな、それと慌てて食うなよ?」
(※エバルティ...前世でいうブドウ)
私にとってこの世界に来てから初めてのハロウィンパーティ。中のいい友達と美味しいスイーツがいっぱいでとっても幸せです。
また来年もこんなパーティ出来るといいな。
『そういえば主人、そっちの世界では他にもイベントはあったの?』
「ん?そうだな...クリスマスってのがあったな...。まぁその時に教えるよ、向こうもスイーツやお祭りがいっぱいあるから!」
「本当かキジコ!何かゲームあるなら負けないよ!」
「待った待ったクリスマスはそう言うイベントじゃなーい!!」
「スイーツあるなら...任せてくれないか?」
「それは是非教えるよ!!」
今日はとても楽しかった!
最高のハッピーハロウィン!!