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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
164/302

第157話 レリィvsスア:少し前のお話

 翌日...


 『さて、いよいよ私達の番だね。』

 『あんたに負けるつもりは一切ないの、覚悟するの。』

 

 3段の第3回戦が始まる少し前のお話。

 私達は午前10時頃に闘技場へ集合、3段の後半戦はレリィとスア、ニコとクロマの闘いである。


 昨日の疲れでまだ眠気のある前半4人こと私キジコとリーデン、ルザーナとケイ。観覧席に着くと同時に大きなあくびをする。...おかしいな、私疲労回復スキル持ってるのにまだ全開じゃない。前世だったら過労死レベルの疲労だっていうのか?


 まぁそんな事はさておき、開戦前のお話に戻るとしよう。

 まずはレリィとスア。


 『前半戦の4人すごかったな、これでも比較的冷静さを保つのは自信あったけど興奮してしまった。』

 『別にいいじゃないの。盛り上がる心を持ってる方が愛嬌あるってものよ。』

 『はは、面白い事言うじゃないか。尚更スアと戦うのが楽しみだ。』 

 『こっちこそなの。』


 闘技場に入る前の廊下で女子(精霊)トーク。

 2人ともいつの間にか友達として距離を縮めてたようだ。


 『そういえば聞きたかったんだけどね、前に私と初めて会った日に寄ったあのカフェでさ、新作出るって聞いたんだけど...本当?』


 ※レリィは甘いスイーツが大好物である。


 『ええ本当よ。試食任された主人あるじ曰く...コーヒークリームって言うのが使われてるらしいわ。聞いた話の限りじゃおそらく、カラランの実の種を焙煎したのが混ぜ込んであるらしいわ。』

 

 ※スアは食べる事が大好きである。


 『え、それニガくない?』

 『それがそうでもないらしいの。その焙煎したカラランの種を濃密な液体にして、生クリームと混ぜ合わせることでほろ苦くて甘〜いクリームになるそうよ。』

 『なんと...じゅるり。大会が終わったら是非寄らなければ、店に出されるのはいつだい?』

 『来週だそうなの。是非ともよってあの店の売上貢献するの。』


 スイーツの話に盛り上がる2人、

 開戦前にお腹空かすんじゃないよー!


ーーーーー

 一方観覧席側、


 「お久しぶりでございます、帝王様。」

 「うむ、よく生きていた。あの時は大きな苦労をかけて申し訳なかった。」


 エキー改めケイとして、彼女は後半戦を見守る。サジェス王も彼女が生きている姿を見て安心をしている。

 本当に生きてて良かった、ケイ。


 「な、なぁエリア、すっごく気になるのはわかるんだけどさ...ルザーナ殿に迷惑だよ?」

 「ひぇぇ...。」

 「すごい...竜鱗だ、これが地竜の..!」

 

 そのまた一方、竜騎士エリアにすごい観察されてるルザーナと流石に自重してるけど部下の暴走に焦ってる竜人王エノガード。


 「...何やってんすか。」


 エリアを引っぺがすケイ。

 

 「観察です!!すごいですよ!今や竜種は背翼種と前腕種が大半を占めてる中で地生種ともう一種はあまり存在しないのです!ああああ、学生時代のインテリ魂があああ!!」

 「元に戻れ、チョップ!」

 「グエッ!?」


 流石にエノガードに止められた。


 「...ハッ、こ、これは大変失礼しました!!!」

 

 本当に戻った!?


 「ご、ご主人様ぁ...。」

 「大丈夫、大丈夫だよヨシヨシ...。」


 開戦前にごちゃごちゃ何やってんだか...。

 体力持つかなぁ。

 

 「...あ!そ、そういえばエリアさん。確かエリアさんってどこかの令嬢様とお知り合いでしたよね?」

 「へ?ああ、ヴィオレット御令嬢が...?」

 「そう、その方です。そのヴィオレット様宛てに伝言をもらいまして...。」

 「伝言?どなたからでしょう。」

 「えーと、ドラーシって言う精霊さんです。」

 「な!?」


 ルザーナの肩をガシッと掴むエリア。

 エノガードもその名を聞いて驚いていた。


 「ドラーシだと...!?」

 「ドラーシ、本当にドラーシって方でしたの!?」

 「ヒャッ...ひゃい!この世界でただ一人の竜精霊だとかなんとかと、私を竜としての見極めか何かで精神世界に招いて来まして。」

 「...!!」

 『あやつ...気配を隠して生きておったか。』


 エリアはふらつきながら席に座る。

 

 「...生きていた、のですね...ドラーシ。」

 「あの、お知り合いなのですか?」

 「はい。昔出会いました高貴な精霊様でして、ヴィオレット様をとても可愛がってくれていました。しかしある事件にて大怪我を負った私と、私を連れ逃げようとするヴィオレット様を庇い消息不明となってしまったのです。その際ドラーシの体が消滅するのを私とヴィオレット様は見ていました、死んでしまったのとばかり思っていましたが...!」

 「...それで伝言なのですが、ヴィオレット様に直接言うべきでしょうか。」

 「...それがいいでしょう。私が言うとただの慰めと思われてしまいます。」


 今の言い方から考えると、そのヴィオレットと言う御令嬢はドラーシが死んだと思いとても悲しんでいるんだな。それできっとどこかで生きてると言われても受け入れがたい、なにせ現場にいたから。


 「わかりました、ではもし大会に来られているのであれば、会う機会が欲しいです。」

 「はい、お嬢様はこの大会に来られていますので今日の夕方に会うとしましょう。」


 夕方か、キジコも着いていくとしよう。私も色々訳あってそのヴィオレットって子に会いたいからね。


 ブツッ...ザザッ....


 「お、そろそろ始まるな。」

 

 音声関連の術式が動き出す。

 第三回戦頑張れよ、スア、レリィ。

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