第15話 森の外
帝王に直接話をつけるため一度ヴァルケオ達と別れレギスの森から離れた私。
私にとって初めての外の世界。
転生してから数日間ずっと森の中にいたから結構新鮮。
ヴェアート曰く、軍が待機してる場所までは数時間かかるとの事。
一応大群引き連れてるわけじゃないので道のショートカットなど時短で動けるだけで良い方である。
今歩いてるここはフィエド平野というらしくレギスに最も近い魔人族の領土だという。
そんな平野を歩き3時間くらいたった。
「キジコ様...それは?」
「リンゴ。」
鮮やかな赤色の果実があったから見てみれば、
まさかこの世界にもリンゴがあるとはね。
しかも野生の割には前世で見たリンゴとほぼ同じ。
栄養とかがいいのかな。
「いえ、リンゴなのはわかるのですが...食べれるのですか?」
「細かく切れば...あ?」
ちょっと待ったなんつった。リンゴ?
「え、リンゴって..こっちの世界でもその名前なの?」
「こっちの世界...?ええ、別国ではロンゴやリンガともいうみたいです。」
妙な偶然なのか過去に同じ世界の人が来て言葉広めたか...。しらね。
「あの...こっちの世界..とは?」
「あれ、個体鑑定使ってなかったの?」
ヴェアートは個体鑑定を使った。
「鑑定完了....え!?」
種族名:アサシン・ターロン・キャット
個体名:キジコ
称号:転生者 知恵ある者 前世の知識 多趣味
神獣へ歩みし者
種族スキル:周囲感知 隠密
ソニッククロー(3) パワークロー(3)
個体スキル:ディメンノート 念話 魔砲 物体移動(1)
向上心(3) 学習力(3)
精神強度(8) 威圧耐性(8)
光覚感知 物体転移(1) 小治療(1)
加護:白銀獅子の加護
「転生者...!?それもあるけど何このスキル数..。」
「数日前に別世界で死にこっちの世界来ました。」
自分も今ステータスで見てるけど色々増えたな。
努力はやってみるもんだな!
「...異世界ってあるのですね。」
「あります。」
ヴェアートが唖然とする。
やっぱ意外なものか。
「いやそれよりも、まだ幼いのにこんなにスキル手に入れていいのですか!?」
「へ?」
ん?スキルっていっぱい手に入れちゃダメなのか?
「個人個体が持てるスキルは上限があります、一般人でも最大記録23、アタイとシルトでも32、守護獣様でも40前後です!」
「でもまだまだいけるどころか限界感じないんだけど..。」
「そんな...ん?まさか?」
称号 多趣味:スキル所得数未知。
(スキル所得数未知!?..この方はまだまだスキルを手に入れられるっていうの..?)
なんだ?急に考え込み始めたぞ。
そんな疑問になる点あるのか。
「キジコ様、どうやら貴方様は本当にスキルをまだまだ手に入れられるみたいです。」
「は、はあ。」
よくわからんがまいいや、リンゴ食うか。
あ、皿がねぇ。念力で浮かしておくか。
私はリンゴを爪で....ではなく、ちっちゃい魔砲貫通光線でリンゴを6等分に切った。
「!?」
ヴェアートに驚かれた。
しゃーないでしょ包丁も剣もないんだし。
爪で切るより衛生的だし真っ直ぐ切れる。
ついでにご丁寧に種と芯も切り除いた。
「どーぞ。」
「あ、ありがとうございます。」
自分のは細かく切って食べたが、ちゃんと私の知るリンゴと同じ味だった。
「...美味しい。」
「この地域は気候が穏やかでレギス周辺もあって、土地の土や水も良質なのです。」
「なるほど...。」
この世界の果物も良いな、美味しいし。
以前食べたオレンジも良かったn...あ?
リンゴ...オレンジ...、
ちょっと待った、
リンゴとオレンジの収穫時期って...
リンゴ→だいたい8月〜11月
オレンジ→だいたい1月〜3月
違うじゃん!?
食べ頃含めても違うじゃん!?
前世ではリンゴの冷蔵やCA貯蔵とかで旬じゃなくても食えたから感覚鈍ってた!
(CA貯蔵:低温・低酸素かつ二酸化炭素を増やした
状態の庫内で果物の呼吸を最低限に抑える事で
長期保存を可能とする貯蔵方法。)
「ね、ねぇヴェアート、今って何月なの?」
「月日ですか?...月日って概念と言葉もあるんですね、そっちの世界。」
「そりゃあるよ失敬だな。」
「失礼しました、この世界は13ヶ月395日で現在4月28日です。」
前世の世界より1ヶ月分多いな。
空見てる感じ太陽と月の動きと位置もそこまで大差がなかった。
閏年とかどうなんだろ。
天文学上でこの1ヶ月の違いがどうこの星に影響あるか気になるが...。
でも難しい事考えてばっかじゃ面白くない。
リンゴも食べ終わったので歩きながらヴェアートに聞いてみる。
「ヴェアートさんやシルトさんは、いつ勇者になったの?」
「え?ああ、ンン“ッ...生まれた時からこの称号は持ってたんだ。シルトもね。」
「その称号、なんか効果あったりするの?」
「少なくともとんでもない強さを得る。だから2人揃って幼い頃からはんば無理矢理英才教育さ。」
ヴェアートは少し呆れたように過去を言った。
あまりいい思い出ではないのは確実だろう。
「あの頃、国と国での戦争もそれほどなく、シルトとは行事で会うたび色んなとこに行った。教育ばかりでロクに友達もいなかった。だから同じ境遇のアイツと気が合った。」
「だからシルトと仲良かったのか。」
2人とも生まれもった称号に振り回され失った時間が大きかったのだろう。
称号はすごけりゃいいってもんじゃないんだな。
「でもいつしか戦争も激しくなり、アイツとは会える時が少なくなっていた。会うたびにお互い実力かなり上がってたりだったし。」
「...皆さんにも平穏が訪れるといいですね。」
「...はい。」
歩き始めて時間はたったが軍隊にはまだ着きそうにない。
このまま何もトラブル起きずたどりつけるといいな。
ディメン「キジコちゃんそれ後で悪い事起きるパターンよ。」




