第137話 第二予選(Eブロック)
次のEブロックに出場するのはレリィとレダン。
『やっと私の番か。』
「私の番でもあります、本大会への出場権はもらいますよ?」
『言うじゃないか...面白い、私の力を存分に見せてやる...!』
「はいそこ、バッチバチになるなら闘技場の上にしてくれ。」
己の大切な者達を守るためにその力を奮い成長した精霊レリィ、己の強さを高めその先を知るために力を奮う狐獣人レダン。
正直なところどっちもバトル漫画のキャラの設定にありそうなやつなのでどっちが勝ってもおかしくない。
...え?3人目の選手が勝つ可能性?
ないな。
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「さぁ第二予選も折り返し、Eブロック!最初の選手はサジェス帝国より、精霊レリィ!!」
白い髪と銀の鎧、身長140cmくらいの精霊レリィ。誰かを守る意思を表したかのような美しい騎士の姿。
武器は体格に合ったサイズのショートソード。
「続きましてムート王国より、剣士レダン!!」
出てきたなレダ....ん?
ちょい待ったレダンがムート王国からだと?
いや待てそういや参加国から各4人で獣人国はリタイア兎と厄介双子猫の二人...そしてニコ。
...あれ?
「ニコ、レダンは獣人国からじゃないのか?」
「ああ...ウダスから聞いた話なんだけどね、闘王闘技の予選応募期間中にレダンは元インヴァシオン派の獣人を労働力としてムート王国のに送っていたんだ。」
「ああ、そういや元インヴァシオン派の処遇は一定期間、迷惑かけた各地への労働力という形で決まったのだっけ。」
「うん、それでレダンも仕事にひと段落つけて闘王闘技に獣人国側として参加する予定だったんだけど...私達の種族は面白い事には惹かれやすいというか、悪い人ではないんだけど戦いたい人がとにかく多くてね、レダンが応募しようとした頃には満員だったんだ。」
「まじか...。」
「それでまだ空いていた王国の方から参加したって訳。」
なるほど、強くなる事が生きがいのレダンにとっては出ない訳にはいかないから出場国も気にしない判断にしたか...。
「そして最後にエルフ国より、魔術師ルーゴ!!」
「...ねぇフィースィさん、エルフ国って別の名前とかないの?エデルやサジェスとかそういうの。」
「はい、我々の国は昔大陸内外の数種のエルフ族の小国が集まって作られた国でして、それからは当時の王が代表として国を纏め[エルフ族共生連邦国]となったのです。」
「なるほどなぁ。だとしたらあの女王様は大統領でもあるのか?」
「はい、エルタナ様は現在の王として全てを纏めていらっしゃいますので間違ってはいません。」
そういう国もあるもんなんだな。
「それでは第二予選Eブロック...」
おお、始まる。
「開始!!」
ガキィィンッ!!!
「!?」
始まると同時に響く金属音。
「危ないじゃないですか、早速飛びかかってくるなんて。」
『攻めて来ないお前が悪い、出場権は私がもらう。』
レリィはレダンに全くの容赦なく、殺してもおかしくない勢いで襲い掛かる。一方レダンもあの一瞬で防御、反撃態勢に入ってる。
「生憎私は負ける気は一切ありません、覚悟を。」
『言ってくれる。』
そこから始まったのは最後に出てきた選手の存在が霞むほどの激しい剣技のぶつかり合い。かつてアニメで見たような激しい斬り合いが今私の見る世界で起こっている。
「行けー!!」
「そこだー!!」
「やっちまえー!!」
流石は剣と剣のぶつかり合い、開始して間もないのに観客の熱を一気に上げた!
「二連斬!!」
『うお!!』
おお!?レダンの技が決まった!!
『チッ、ライトニングペネトレイター!!』
「ぐぉ!?」
今度はレリィの技だ、稲妻のように輝き高速でレダンに突き技を放った!!
『輝炎剣!!』
「派手な技は命取りですよ!!」
『!?、どこ行った!!』
輝く炎に紛れ姿を消すレダン、
「もらった!!」
『!!、させるか!!』
「いけーー!!」
今までは戦う側だったけど、こうやっていざ見る側としてこんな光景を見せられたらワクワクするじゃないか、いけ、そこだ!!
「出力上昇、魔身強化!!」
『精霊之祝福!!』
またさらに二人の派手さが増す。
「...僕を忘れては困る、二人まとめてくらいやがれ!!ファイア...
「『邪魔だ貴様!!』」
すっかり忘れていたエルフ魔術師はあっさり壁に叩きつけられ戦闘不能。
『全然倒れないなレダン!!』
「それは其方も同じでしょう!!」
あれだけ激しく戦っているのにどちらも倒れる気配がない、大きな技を撃っては避け、隙を狙い襲ってくるなら未然に防ぐ。
『輝炎剣!!』
「また隙を見せるだけで...な!?」
『隙を見せたな、はあっ!!』
わざと派手な技を撃って目眩し、一瞬の隙を突き追撃。
「そう来るでしょうね!!」
それを予測し回避する。
とにかくすごいのだ、この戦いは。
お互いの武器がショートソードだからこそ成せる剣技と戦術、そして予測。
はっきり言ってもっと見ていたいが、終わりは訪れるものだった。
「はぁ...はぁ...。」
『これで...最後だ。』
激しい戦いを続け体力と魔力を消費した二人。
お互い距離を取り剣を構える。
「...。」
『...。』
目線から外さない、一切の隙も見せない。
沈黙が広がり、風が静かに通りゆく。
「『勝つのは...。』」
「私だああああああああああ!!!!」
『私だああああああああああ!!!!』
放たれたのは魔力を使わない、純粋な力の一撃。
「...。」
『...。』
「守る力...ですか。それだけ素晴らしい力に守られている方は...とても幸せ者でしょう。」
レダンは倒れた。
『ああ...とても幸せだよ、あの子は。』
「レダン選手戦闘不能!!勝者はレリィ選手!!」
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医務室
「...ふぅ、久しぶりでしたよ。あそこまで本気で斬りかかったのは。」
「ウダスが認める辺りは流石の実力だね。」
『私あんな化け物と戦う可能性あるの...。』
お互い限界まで戦った故、体はボロボロ。
すぐ医務室に連れて行かれた。
『一方あの精霊は人形の中でスヤスヤぐっすりねぇ、依代無しであんなに動けるから化け物って事には俺からは異議無しな。』
精霊は本来魔力で構成された特殊な生命。
依代も無しに魔力切れを起こせば死すら有り得るのだ。
「今日のところはここでもう寝ていますので、皆さんは早く観覧席に戻るといいでしょう。それどころかスアさん、あなた次のブロックですから。」
『おお、そうだったの。行ってくるの主人!』
「頑張ってね、スア!」
さ、Fブロック始まるまでに観覧席に戻りますかな。




