第13話 真の狙い
推測会話が多いですorz
戦争阻止作戦会議前の会談
「軍はあと少しでこの森に到着する。」
「両国の王はその際のぶつかり合いで止めようと現れる守護獣を倒すのが狙いでしょう。」
「ん?それってかなり賭けじゃないの?ヴァルケオ達ずっと強いのに。」
すると勇者達は自分の武器と予備のナイフを見せる。
「これらには対魔物の魔法が付与されております。一般兵の武器にも全て。」
「ヴァルケオ様方は守護獣と呼ばれておりますが本質は魔物。生半可な攻撃でもアタイらが数で攻めれば無事では済まない。」
「さらに、以前から両国では守護獣様も危険な魔物として悪い噂が流れており、兵達の中には強く敵対している者がいる傾向です。」
その両国の王ってのはかなりヴァルケオ達が嫌いというか邪魔なんだな..。
「あの、なぜヴァルケオ達が狙われるのでしょう。」
「そういえばキジコは知らなかったね、両国は我らを倒し中立の周辺諸国の領域を手に入れるのが目的なんだ。」
「中立?」
「特定の民族への加担などをせず平穏に暮らす者達です。」
「加担しないって言っても主に戦争とかの話で、基本的その町へ行っても特に悪い事しなければ邪険されません。」
そんな所があったのか。
「近頃は様々な種族が共にに暮らす小国が増えていて、それぞれの分野に適した商業で協力し支え合ったりしています。」
「特に大型の農業や家畜を持つ所が増えていて、両国はそこを集中的に狙うと言ったところでしょう。」
「そして重要なのが、その中立の領域の中でもこの森周辺は実りが多く、ヴァルケオ様達の守護下にありますので下手に攻めれば返り討ちに遭うだけ。」
「つまり、そういった領域を手に入れるため戦争というカモフラージュを使いあらかじめ守護獣を倒すと言ったところでしょう。」
「まわりくどくね???」
「「え?」」
Q:「だってそれなら各地の町や近辺の土地で暴れてヴァルケオ達おびき寄せた方が戦力分散で倒しやすいんじゃないの?」
A:「いえ、仮にも今は戦争であって協力ではないので、下手に兵も分散させれば戦力的に戦争に負けてしまいます。」
Q:「なぜレギスが戦争予定地になったの。」
A:「両国の王が決めました。普段はどこにも被害の無い土地で戦になるのですが今回はなぜか中立の領域、それもレギスの森で決まったので疑問となり今に至りますが...。」
Q:「兵達は威圧耐性あるの?」
A:「もってはいますがヴァルケオ様達の強い威圧に耐えれるレベルのものは少な....!?」
「....ウチもだよシルト。」
「妙だったのです。威圧耐性がなければそもそもまともに戦えるはずがないのに、なぜ戦おうとするのか。一般兵の実力も私の技でも吹っ飛ぶ程度の実力です。
それどころかどっちかの軍のお偉いさんも私相手に負けていました。ソウルイーターに頼るまでは。」
「あの老害はアタイ達の軍の兵、それも第6隊長だよ。..その事は大変申し訳ありませんでした。」
「ああいや、えーとヴェアートさんが悪いわけではないので..。」
ヴェアートは深く頭を下げた。
その際見えた顔は大きな責任を持って自分を責めている顔だった。
向こうの独断だったのに制御出来なかった悔やみなんだろう...。
「コホン、つまりいくら数がいてもあの実力もおろか威圧に耐えられなきゃヴァルケオ達に勝負を挑む事すら難しい。なのに王はここを戦地に選んだ。
裏があるのは間違いありません。悪い噂こそ流れてますが目的はヴァルケオ達では無いのかも知れません。」
「待って下さい、実力の点に関しては俺達勇者が戦う前提なら勝機はあったはずです。ヴェアと協力すれば特に...。」
「開けた土地があるとはいえ一般兵と共に戦うのは難しいしヴェアートさんと連携しても多分ヴァルケオは勝ってる。
地の利もあればまだ見せていない本気も含めて。」
「...。」
「それにこうやって秘密の会談してる事自体、本来想定外だからお互いの戦略は普通知らない。それゆえさっき言ってた分散は出来ずテュー兄やマウリ姉が2人の場所へ行けば負け確定。」
「なら結界で時間稼ぎなどは?邪精霊が使っていましたが。」
「ヴァルケオ、結界ってあの凄まじい威圧も防げる?」
「いや、相当上位なものでなければ我らの威圧は防げない。邪精霊が使っていた神力結界なら防げるけどあれ人間は使えないから。」
解説 補助スキル:結界と神力結界
・結界は持続的に魔力を送ればずっと維持出来る。
ただし威圧や個体鑑定などは使い手の魔力の質が
高くないと防げない。
・神力結界は精霊やとある一部の種族のみ使用
出来る強固な結界。人間が使用できた例は現在も
無い。通常の結界と違い魔力を持続的に供給しな
くとも時間制限で張り続ける。
この結界は威圧を防げる。
「まぁだから結界での時間稼ぎを使ったとしても対した戦略的効果はないって事です。」
そして出た結論
「そもそも客観的に考えて守護獣に挑んでも両国の国家兵力が大損害くらうだけ、だからヴァルケオ達に挑むような隠し作戦は無いと思うよ。」
「じゃあなんでこの森で戦争を...?」
「何も考えないで決めたとは思えない。」
「そこがわからないのです。」
結局そこが分からず皆で沈黙していると...
「シル君とヴェアちゃんの国の王って特殊なスキルとか持ってたり、特定の何かを嫌ってたりは?」
森の方から2体の影。
テューニとマウリだ。
「久しぶり、2人とも。」
「テューニ様、マウリ様、お久しぶりでございます。」
「早速だけど今マウリが言った点に心あたりはない?」
2人は深く考え込む。
「...すみません。ムート王とは何度か会ってはいるものの、そういった事に心あたりはありません。」
「ごめん、アタイもないです。」
ぐぬぅ...結局の所それもあくまで推論に過ぎないとはいえ迷宮入りである。
気になる事
なんでもいい、思い出せ。
思い出せ...
(こいつはなぁ、スキルイーターつって殺した相手のスキルを蓄え使える禁忌の道具よ!)
(「何者かしらねぇが」ラッキーだ。こんなゴミみてぇな野獣が神獣の資格が持ってるんだ。)
...!
Q:「ねぇ、あのジジイいつスキルイーターを手に入れてた?」
A:「あの老害は以前、帝王様にもらったと自慢散らかしていましたがそれが何か?」
Q:「なぜそんな危なっかしい奴にソウルイーターなんか搭載してある道具渡したんだ?」
A:「確か国に大きな貢献したからという理由で帝王様が渡した物でしたから大丈夫だと思ったのですが。」
「ならば邪精霊が宿った物をなぜ渡すんだ?邪精霊が言ってた、思念を操って餌を集めてたって。帝国の王が見抜けないとは思えないんだ。」
「!!」
「...確か今の帝国の王はかなりの実力を持った元戦士。考えてみれば見抜けないはずがない。」
「疑問はまだある、この中で個体鑑定使える者は?」
ヴァ「前使った。」
テュ「はい。」
マウ「はい!」
シル「使えるよ。」
ヴェ「使えるぜ。」
(´・ω・)使えないの私だけかよ。
「コホン..んで、個体鑑定でレベル低い状態だとどこまで見れるの?」
「1だと個体名と種族名、2で一部の個体スキル、3で一部の種族スキル、4以降で見れるスキルが増えていき、8でようやく称号が閲覧可能になります。
つまり
個体種族名→個体スキル→種族スキル→称号
という順番になります。」
「だとしたらまた妙な...。」
「?」
「あのジジイ、私に「何者かしらねぇが」って言ってた。なのに神獣の資格持ってる事がバレてた。」
「なんだと!?」
「個体鑑定なら何者かがわかるはずなのに称号だけを見抜いていた
...いや、どこかで知っていたのかも知れない。」
「!?」
「まさか、情報が漏れた...!?」
「いや、ここに来て怪しい奴は見ていない。ジジイと邪精霊以外は。」
「我々から記憶を盗み見られた跡もない。」
「まさか...秩序之天秤....。」
ヴェアートさんの顔が驚愕と恐怖に溢れていた。
「?、ヴェアートさん、なんでしょうそれ。」
「通称[スターリブラ]、この世に絶対5人しか持たないスキルで、効果はそれぞれ、
守護、調律、時空、輪廻、そして神域です。
ですがこの力を持つ者はその力を持っているわけではなく、その力に関する者達を知れる監視役です。」
「監視....ちょっと待って、私は神獣の資格を持ってる。てことは...まさか!?」
「第6隊長は[神域]を持つ誰かに接触、情報を渡された。そして殺すよう命じられた。」
「今までの話で繋げるとわかる答え、現在[神域]を持つ者、間違いない、帝国の現帝王、サジェスだ。」
「動機はわからない、けど間違いない。
狙いは最初から....私だ。」
帝王が私を狙った理由はわからない。
けどわかるのはただ一つ、
またなんかに巻き込まれたぜ畜生。
超大まかまとめ
平穏「サラダバー」
トラブル「こっちから会いに来ちゃった!」
キジコ「いぃぃぃぃやぁぁぁぁ!!」