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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
133/302

第128話 合流/合流

 「お待ちしておりました!」


 はぁ、ようやく宿泊予定のホテルに着いた。

 お嬢とハルは二人で温泉街、男の俺は予約したホテルに先に向かっとけ。

 まぁいい歳した男が女性二人の楽しみ邪魔する訳にはいかんよな。

 よし、また腹減った時のために何か美味いもの探すか!


 たしか...3階に飲食エリアがあったな。

 あそこは各地でも有名な店が並んでいて、ここでしか食えない味もあるんだよな。


 お、あれは王国で有名な料理店!

 上質な卵を使った料理が美味いんだよなぁ、ふわとろな卵で肉や野菜を閉じたあの料理は絶品だ、夕飯に絶対行こう。


 そしてこっちは...竜人国で話題のカフェか!

 確か[パンケーキ]という料理らしい、ふわふわの薄い生地を2〜3枚重ねてシロップやバターをかけ果物乗せて食べる物だとか。


 お、向こうの客が注文したらしいのか出てきた。

 ...おお!?聞いた通りの見た目だ、なんだあのふわっふわなケーキは!?彩りも綺麗だ...。


 元々の発案は竜人国の幼い令嬢が考えたものらしい。一体どう言う発想が有ればあんなの作れるんだ...?


 まぁ時代の流れは意外と早いもんだしこんなものかな?


 「...でしょ、それと...。」


 ドンッ


 「おあ!?ごめん、大丈夫!?」

 「ああ、大丈....ぶ?」


 黒のメッシュが少し入った茶髪、

 金の目、

 先が銀色の尻尾、

 白い服、

 

 「...ジン?」

 「な...キジコ様!?」

 

 まさかの遭遇だった。


ーーーーーーーーーー


 「...なるほど、私達と理由は割と似ているな。」

 「ああ、今は機嫌が良いがいつ何が起こるかわからない。あの姿も最近急におさまって来たがいつなるかわからない。」


 広間の休憩スペースに座る私達。

 たまたま宿泊先が同じだったジン(ニコ達)と会い、今のニコについて話をしている。


 どうやら神獣の力は完全覚醒こそしてはいないが暴走する事が稀にあるらしい。最近はそういった状態になる事がなくなって来たそうだがいつ何が起こるかわからない、それに抑えられるかもわからない、などジンは不安な様子だった。


 「...お嬢とは決勝まで会わない方がいいかもしれない。お嬢自身が誰かを傷つけてしまわないかを恐れている。」

 「わかった、念のため念話を登録しておこう。」

 「そもそもニコさんは一体どうしてそうなってしまったのでしょうか?」

 「それもまだわからない。神獣の力とはこれほどまでに恐ろしいのか...?」


 ジンの顔は事態深刻を表す。

 同時に今私達が出来る事はただ、私がニコと会わな事とジン達がニコのメンタルケアをする事。

 もうこれ以外ないのだ。


 「ちなみにニコは今どこなの。」

 「温泉街だ、しばらくは向こうにいるはずだからまだホテル内は出回って大丈夫だ。」

 「それでは今の内に食事や買い物を済ませておきましょう。」

 「だな。」


 それから私達はニコが戻ってくる前に食事を済ませる事にした。


ーーーーー


 よし、とりあえずキジコ様に現状報告は出来た。

 これで同ホテル内でもなんとか行動出来そうだけど、お嬢にどこか負担にならないといいな...。


 ひとまず持ってきた荷物の整理でもしますかな。

 えーとこのように片付けといてってメモがあったはず...ああこれだ。


 これがこれであれがそこで...あ?

 確かこの宝珠...お守りか。

 青紫はえーと...縁結びか?

 ハルのやつかな...あいつ防具製作中は力んで男っぽい声というか?オ゛リャアッって声出すから男性からちょっと怖がられてるって言ってたな。(なんで俺に話す)

 

 ちゃんとしまっておけよなぁ全く。

 あとはえーと...


 ピクッ


 ...マジか?

 この気配...!


 「(んんっ...お前ら温泉街に行ってたのじゃないのか?)」

 「(ええ、人が多かったから戻ってくるの。)」

 「(そりゃ残念だったな、ホテルの風呂も空くのは数時間先だぞ、それ以外は部屋の個室風呂だな。)」

 「(覗かないでよね♪)」

 「(覗くか馬鹿!!)」


 ...これはマズイ!!


 「(キジコ様ぁ!!)」

 「(どぅわぁ!?いきなりどうしたジン!?今サンドイッチ食べてるんだけど!?)」

 「(お嬢らが戻って来たんだよ!!温泉街人が多くて行くのやめたらしんだ!!)」

 「(はああ!?)」

 「(今からお嬢らを部屋に案内するから下手な行動は一体よしてくれ!)」

 「(イエッサー!!)」


 

 「おっす。」

 「あらぁ?ご丁寧にお出迎えかしら?」

 「思った以上に広いしな、俺から案内してやるよ。」

 「あらどうも♪」


 「(今入り口、部屋は3階でそっちの部屋方角とは反対だ!)」

 「(OK!)」


 「スンスンッ....あ゛!?」

 

 毛がブワッと立つニコ。

 

 (うわ!?何かやらかした!?)

 「...スッと来たぁ...。」

 「あら、飴のミッカが強かったかしら、ふふ!」(ミッカ:この世界のミント)

 「...なんだ驚かせやがって。」


 今のはいきなりヒヤッと来た、頼むから大人しく部屋に着いてくれよぉ〜...。


 ポーンッと3階へ着いた、なんとかキジコ様らがいる階を越えた、

 

 「こっちだ。」

 「この辺は部屋の数が少ないわね。」

 「一部屋一部屋が広いからな。ちょっと歩くけど大丈夫か、お嬢。」

 「うん。」


 よしよし...あと少し...。


 「ねぇジン。...今キジコ達どうしてるのかな?」

 「え?」


 ええ!?今その話題くる!?


 「さぁ...きっと家族と美味しい物食べているんじゃないか、今その時間帯だしな。温泉街も美味い物食える店多いからその人だかりだったのかもな。」

 「...ばったり会えないかな。でも怖いし...。」


 今下の階にいますぅーーーー!!


 「...怖いなら怖いでいいと思うぜ。」

 「え?」

 「中途半端な気持ちで会う自信がないんだろ?だったら気持ちが整うまで自分らしくすごしゃいいじゃねぇか。」

 「...うん。」


 ...気持ちがこんがらがってるな。

 会いたい気持ちはある。

 でも傷つけてしまうかもしれないから怖い気持ち。

 そして恐れてる力。

 

 ...その最終的に行き着く先が下の階で笑顔で飯食ってるなんて言えないよぉ。


ーーーーー


 「さ、部屋に着いたぜ。」

 「はぁ、疲れたわね。お先に部屋の風呂借りるわよ。」

 「あー、勝手に使っとけ。」

 「...のぞ。」

 「だから覗くか馬鹿!!」


 あーもうめんどくせぇ兎だ。


 「ほらお嬢も部屋に入んな、広いだろ?」

 「うん!」



 「なぁ知ってるか?今闘技大会の出場者で神獣候補のキジコ様が出るらしいな!」


 「....!!!」

 「な...!!」

 「ああ、さっき下の階でサンドイッチ食べてる所見たな!あの様子だとあのサンドイッチはそれほど美味いんだろうな、後で食べに行こうぜ!」


 「うそ...キジコいたんだ。」

 「待て、お嬢....!!!」


 だがニコは猛スピードで階段に向かって駆けてゆく。


 「(お前ら逃げろ!!!ニコがそっちに存在に気づきやがった!!!)」

 「(はあああああ!?!?)」


 マズイってこれはあああ!?


ーーーーーーーーーー


 「完食、ご馳走様でした!!」(先払い式)

 「ご主人様転移使います!」

 「任せたクロマ...


 「キジコ...!!」


 「あ...。」


 焦った様子。

 ずっと探してた人を見つけたような顔。

 溢れ始める魔力。

 

 「...まずった。」


 ごめんジン...こっちもやらかした。

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