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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
132/302

第127話 到着/到着

 今日は晴れ。

 暑さも落ち着いてきた時期。


 「やっと着きましたね...。」

 「5時間以上はかかりましたな。」

 「はー!久々のミッドエデル、相変わらず綺麗な町だ!」

 「まずは予約したホテルに向かいましょう。」

 『確か東のほうだったの。』

 「えー、すぐ近くのカフェ行きたいです。」

 「ダメですクロマ、予約した以上変に予定時間遅らせてホテル側に迷惑かけてはいけないのですから!」


 ルザーナの言う通りです。


 「それに荷物は空間収納使えば楽なのにどうしてバッグに詰めてるのでしょうか?転移も使わず長距離馬車も使ったりと。」

 「こういうのは形ある方がいいんだよ。省略ばかりの生活じゃその内つまらなくなる事が多くなっちゃうんだ。結果ばかり求めるんじゃなくて過程も楽しまなくちゃ。」

 「はい!理解しました師匠!」


 私達は闘王闘技の第二会場があるミッドエデルにやってきた。

 第二予選は6日後、それまで調子を整えるためにルザーナ達...家族と観光含めて早めにやって来たのだ。


 この町はすごい、前世でいう京都寄りな雰囲気と風のある...なんというか?

 とにかくすごい。

 

 こういう所の茶屋のお茶も美味しいだろうな。


 「ご主人様、早く行きますよー!」

 「ああ、ごめんごめん。」


ーーーーー

 

 やってきたのは宿泊街。

 

 「お待ちしておりましたキジコ様。」

 

 私達がやってきたのは結構豪華なホテル。

 皆で割り勘してどこか予約しようとは決めたけどこれはすごい。ほのかに香るラベンダーアロマがいい匂い、歩き疲れが少しマシになった。


 「どうぞこちらへ。」

 「おや、これは...?」

 「...嘘だろ!?」


 ポーンっと音と共に横に開く扉。

 2m幅の四角い空間、そして機械の音。

 

 (マジか、エレベーター...あったの!?)

 『...どうしたの?』

 「へ?ああ、なんでもないよ。」


 驚いた、いやまぁこの世界なりの機械技術が存在しているのは知っていたけど、エレベーターもあったのか。

 いやでも...考えてみればエレベーターなら半導体作るよりはまだ仕組みは単純...?

 それから私達は3階へ。

 

 「こちらの部屋になります。」


 部屋は木製床で、広い部屋。

 入った瞬間静かな空間が広がり心に落ち着きを呼び込む。

 ベッドは4つ、風呂付きの部屋。

 椅子はゆったりと深め、ゲームしてたら寝落ち誘うタイプのやつ。

 

 「すごい部屋...!」

 「ベッド大きい!」

 「もぅ、先に荷物を片付けましょう!」

 「ちぇ!」


 とりあえず荷物は押し入れの中にしまい、持ってきた飲料は冷蔵庫に入れた。


 「あー疲れた!!」


 クロマが布団ダイブ。

 

 「ようやくひと段落着きましたねご主人様。観光は明日からにします?私も疲れましたので。」

 「そうだね、今日のところはホテル内を周ろう。何があるかちゃんと見て把握しておこう。」

 『夕方から銭湯開くそうよ。それにこのホテルの飲食メニューすごいわ、後で寄ってみるの。』

 「よし、それじゃ...。」


 ぐぅ....


 「...早速ご飯食べに行こうね。」

 「はーい!」


ーーーーーーーーーー


 「ついたぞお嬢。」

 「...。」

 「いい天気ね。」


 同じ頃、ミッドエデルに到着したニコ、ジン、ハル。

 二人はどうやらキジコ達と考える事が似ているらしく、ニコの力になると良いと思いこの旅行を計画したようだ。


 「...お腹すいた。」

 「そうね、あ!あの店寄って行きましょう!」

 「そうだな、確か[肉増量キャンペーン]だったっけな?」

 「!!」

 

 尻尾がピンと立つニコ。


 「決まりだな。」

 


 「どうだ、良いもの取れたか?」

 「バイキングもいいわね、好きなの取れるから!」

 

 自分の好きな食べ物をお皿にのせる二人。

 意外にも兎獣人のハルがはしゃいでいる、ダイエット大丈夫かなとふと思うジン。


 「お嬢は選べたか?」

 「うん。」


 ドンッと肉の山。

 ニコの肉への食欲はいつも通りで、見ていてとても安心する二人。

 その皿は見事と言わんばかりにステーキの岩、ジューっと肉汁がほとばしる。


 「それじゃ、いただきます!」

 「!」


 ナイフとフォームを使ってこそいるがその食いっぷりは獣。ガブリ、ブチッと食いごたえ絶対ある音が出る。肉の断面からはさらに肉汁が溢れ、半レアな肉の色がさらに食欲をそそる。


 「...!...!!」


 無我夢中に、超幸せそうに味わうニコ。

 

 「...私も少しもらっていいかしら?」

 「俺も、見ているこっちもさらに腹減るじゃないか。」

 「!」


 スパパッ


 「んっ!!」


 別の皿に四角く切ったステーキを乗せたニコ。その目はとても輝いている。

 これは思い切り味わなければ!


 「はむ...んんんー!!」

 「んん...美味いな!」

 「んー♪んー♪!」


 二人にとって久しぶりにみるニコの大満足な笑顔。

 ここに来るまではずっと物静かな状態だったニコ、日に日に変わりゆく姿の背を、形を変える心見ていた二人はずっと不安だった。

 

 「...良かった。」


 ハルは一滴、涙が出てしまった。


 「!?..大丈夫、お姉ちゃ...!」

 「え?」

 「あ...。」


 ハルの事をお姉ちゃんとつい呼ぶニコ。

 その顔は真っ赤。


 「...。」

 「大丈夫よニコ、目にゴミが入っただけよ。」

 「つーかお嬢、そこはお母さんって呼ぶパターンじゃないのか?」

 「ふぁ!?」

 「だまらっしゃい!」

 「ギャア!?」


 余計な冗談言ってハルに頭ぶっ叩かれたジンでした。


ーーーーー

 

 「...。」


 プシューと赤い肌。

 違う意味で黙ってしまった口。

 すごい上機嫌な兎。

 自分の頭さする狼。


 「ったく...あんな強く叩く必要ねーだろハル!」

 「あんたはちょっと反省しなさい!」


 プンスカうさぎ。


 「あ...あの!」

 「どうしたの?」


 ニコは二人の前に立つ。


 「ハル姉の事...お姉ちゃんって呼んでいい?」

 「..!!!」


 パァーッと幸せオーラ発するハル。


 「呼んで、ぜひ呼んで!!私はあなたのお姉ちゃんよ!!!」

 「待てハル!ニコがビックリしちゃってるって!!!」

 「だ...大丈夫ジン。」

 「俺はそのままか!?お父さんかお兄ちゃんって一回は言えよ!?」

 「やーだ!」

 「おいー!?」


 私の妹はとても幸せである!

ニコ「ね、温泉行こうよ!」

ハル「いいわね!ジン、ホテル先に向かっておいて!」

ジン「へいへい...。」

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