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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
131/302

第126話 ボーンアットナイト

 闘王闘技会の第一予選を超え、第二予選へ進む事が出来た私達。

 色々あったがとりあえずお祝いはお開き。


 第二予選は1週間後。

 本来であれば手の内隠すために解散するところだが...。

 

 「皆、やる事は決まってるな?」

 「はい。」

 「勿論です。」

 『当然なの。』


 バッチバチの視線、熱いオーラが漂う寝室。


 (ねぇ...すごいオーラ感じない?この部屋。)

 (いくら仲間でも大会の敵である以上油断出来ないのかも...。)

 (でもなんで寝室が同じ...?)


 従業員から不安の声も漂う。

 それはなんというか、今にも爆発しそうな何か。

 

 「大丈夫ですよ、嵐はすぐ去るものです。」

 「タビさん...本当かしら?」


 キジコ達は何かを取り出す。

 そして...お互いに[それ]を向けた。


 (危ない!!)

 (イヤッ!!)



 [ミッドエデル新店舗!パティスリー△△、開業セール!!]

 [バイキング◯◯!肉増量キャンペーン!!]

 [今の季節おすすめスポット!涼季桜の海!]

 [夜の絶景!朱霊虫しゅりょうちゅうが飛び交う森!]


 「うーむ...。」


 お互い見せ合う広告。

 それはそれもミッドエデルで行えるものである。


 (...まさか。)

 (ほらね。予選始まるまでに完全に観光する気だよ。)


 ふーむ...スアのやつは最後に行くのは確定なのだが...私とルザーナのはどっち先に行くべきか?それか別の時間か日にするか?...いや、食後デザートの方が個人的にバランス取れるから...ルザーナ→キジコ→クロマ→スアの案の順番で行くかな。


 (予選よりも観光に興味湧くの!?)

 (由緒ある伝統の闘技大会の事は!?)

 (考えても無駄だよ、色々。)


 「ねぇクロマ、涼季桜って何?」

 「はい、この広告に載っているこの花でございます。」


 それは8枚のピンクの花弁はなびら、中心に黄色の綺麗な花。

 秋頃に絶対見るあの花。


 「コスモスか!」

 「コス...?」

 「私のいた世界での呼び方だよ!ちょうど今...涼しくなってくる季節に咲く花だからおそらくほとんど一緒だと思うよ。」

 「師匠の世界にもあったのですか!?」


 いやぁ、この世界にもコスモス畑があるなんて!部署で旅行行った時が懐かしいなぁ。部長が撮ってくれた私と日菜ちゃんのツーショット写真、まだ残ってるかなぁ。


 「それと、朱霊虫ってなに?」

 『この時期に羽が赤く光る夜行性の蝶なの。』


 そんな蝶々がいるのか。

 てっきり蛍だと思ってたが...夜行性の蝶々とかいるんだな、花の蜜吸えるのか?


 「とりあえず特に行きたい所は決まったな。出発は明日、今夜中に準備整えるよ!」

 「はい!」


 どうせ遠出するんだったらまずはその地であそb...生きる方法を探さなくては。大会に出る以上肉体的コンディションだけ出なくメンタル面も整えなくてはならない。

 だからその地を楽しみ、皆で全力出せるよう今のうちに動かなくては!

 決して知らないし面白そうなの多くてさっさと観光で遊びに行きたいとかじゃないからね!!


 「そうだクロマ、ホテル予約は出来たの?」

 「はい!師匠が言ってた景色の良い所取れましたよ!」

 

 せっかくの機会なんだ、この際良い所に泊まってもいいよね。本当は桃花様に桜華の館に来てもいいよと言われてたけど甘えてばかりはいられないよな。それに...私の家族ともっと一緒にいたい気持ちもあるから。


 自分から家族を持って、自分達の意志で行く所を決め、家族水入らずに楽しむ。

 実家の家族や会社の仲間、ヴァルケオ達とも違う、私の家族。


 『ふぁ...。』

 「スア、大きなあくびだね。」

 「そろそろ寝ようか。」 

 「はい。」


 それじゃ、おやすみなさい。



ーーーーーーーーーー


 ...ここはどこ


 ...寂しい


 ...暗い


 ...私は誰?



 「...!!!」


 ベッドから飛び出し、猛スピードで階段を駆け上がり窓から屋根へ向かうキジコ。

 その目は普通じゃない、本能的な何か。

 

 「ハァ...ハァ...何...今の!?」


 何かが私の中に入り込んできた、今一瞬...ほんの一瞬何かが。

 

 ...あなたは誰?


 「!!?」


 ...あなたは誰なの?


 「誰だ!?」


 ...あなたと私は誰?


 ...でも知ってる気がする


 「知るか誰だ!!」

 「ご主人様!!」

 「!!」


 謎の声は止まった。

 そして屋根にはルザーナ達。


 「師匠、何があったんですか!?」

 『目が変よ!何があったの!?』


 その瞳孔は鋭く、金の目は夜の中輝いている。


 「...今のは...?」

 

 途端目は元に戻り、だんだん心が落ち着いてきた。


 「ごめんね、心配かけちゃった。もう大丈夫だよ。」

 「...そうですか。」

 「転移で寝室に戻りましょう、つかまってください。」


 今のは一体何だったのか。

 誰の声だったのか。

 なんというか守らなくてはいけないような...え?


 守る?

 誰を、今の声の主を?

 なぜ?

 本当に今のは誰なの...?


 結局それはわからないままだった。

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