表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
129/302

第124話 第一予選

 「すぅ....はぁ...。」


 今日は穏やかな晴れ。

 迎えに来た闘王闘技の転移スタッフ。

 信用しているのでそれほど心配をしていないヴァルケオ達。


 「コンディションばっちり、いつでも戦えます!」

 「ああ、1ヶ月の努力を見せてやれ。たった1ヶ月でもお前が得たものは多い、頑張れよ。」

 「本大会は私達も見に来るからね!」

 「健闘を祈るよ!」


 ついに迎えた闘王闘技の予選開催日。

 今から向かうリーツにはルザーナ達を含む120名が集まる。

 予選の内容は1グループ30名で1人になるまで戦う。

 これを計4グループ分行い、エデル代表4名を決めるのだ。


 「それじゃキジコ、手を出して。」

 「こう?」


 私は右手を差し出すと、ヴァルケオ達は人差し指を自分の胸に当てて、私の手のひらにその指を乗せた。


 「その手を胸に当ててキジコ。」

 「ほい...合ってる?」

 「うん。この辺りの地方に昔からあるおまじないでね、[自分の魂の灯火を信用できる者に渡し、戦を見送る]っていうものでね。」

 「私達はキジコちゃんの勝利を信じてるから、祈るのではなく信じて見送る事を決めたの。」

 「家族として今最後に出来る事だ。」


 ...なんかより元気が出た。

 プレッシャーでもあるけど私はそうは思わない。


 「それではキジコ様、そろそろご出発致しましょう。」

 「はい!」


 私は振り向きヴァルケオ達を見る。


 「それじゃ、いってきます!」

 「いってらっしゃい!」



ーーーーーーーーーー

 

 1ヶ月ぶりのリーツ。

 この町にある闘技場が予選会場なのでいつも以上に賑わいを見せている。

 闘技場には予選を見ようと多くの者が集まっる。今になってちょっと緊張してきたぁ。


 闘技場への道や会場前には屋台の数々、たこ焼きはないけどね。あ、焼きとうもろこしくださーい。


 私は第一グループなので最初に戦う予定です。参加者用の入り口を通り、待ち合い室へ向かうとしよう。


 「ご主人様!」


 そうしようとした瞬間、久しぶりに聞くこの声。

 青く長い髪を後に束ね、動きやすそうな服を着ている、


 「久しぶり、ルザーナ!」

 「はい!」

 「その服は?」

 「ギルド付近の武具屋で貰いました!とても軽くて丈夫なんです!」


 その装備は黒っぽい色で、なんというか...ルザーナがより大人っぽい見た目魅力が...。


 「お久しぶりです師匠!」


 金のラインが入った紺色のハットとローブを来た狼魔女っ子、


 「似合ってるじゃないか、クロマ!」

 「えへへ!祖母が大昔使っていた物を貰いました。市場で出せる値段じゃないほどお高いですよ?」

 「マジで!?」


 それを証拠にクロマの装備から何か強い力を感じる。もしかして魔法具?


 『お久しぶりなの主人あるじ。...なんか水の精霊の匂いがするの。』

 

 和服の色が水色になっており、魔力も一段と増している...


 「スア、少し背伸びた?」 

 『えへん!』

 「そういや精霊...確かに森では水の精霊と仲良くなったというか、見えるようになってたね。」

 『主人あるじは精霊といる時間が長いからそうなったの。この感じだと相当気に入られたの。』


 どうりであの夜の後も私に会いに来たりしていたのか...まぁ可愛かったからなんの問題もなかった。


 というかスア...多分この中で一番成長してる気がするんだけど、魔力が本当に跳ね上がってる。


 「ご主人様は第一グループでしたね、応援しています!」

 「ありがと!」


 「第一グループの皆様ー!そろそろ御召集お願いしまーす!」


 「やべ!じゃ、行ってくる!」


ーーーーー


 ざわざわ...


 今私が立っているのは闘技場の上。

 見渡す限り闘気に溢れる者達ばかり。

 重装備の者もいれば軽装備の者、和服やケモ耳など勢揃いである。


 皆位置には付いているが、やはり私に対する視線がすごく...鋭いです、はい。

 

 「あれが神獣候補....。」

 「最も厄介だわ...。」

 「俺達もう終わりだ...。」

 「全員で最初に叩き潰すべきだ...。」

 「大きすぎる壁だ...。」


 悪い予感が漂ってます。

 

 「せっかくの場だ、飛び道具というか遠距離技は使わないことを誓う。」

 「な!?」

 「私の攻め手は物理、拳やら脚などにするからそんなすぐ終わりそうって考えはやめろ!」

 「...いいだろう、舐めやがって!」

 「あの手この手使ってでもぶっ飛ばしてやる..!」


 よしこれでこのグループのやる気は上がったな、詰みゲー挑んでやる気無くした者達をぶっ飛ばしてもなんの見どころもないからなぁ。

 どうせなら参加した以上ちゃんと頑張ってほしいものだよ。


 「それでは闘王闘技第一予選試合、第一グループ開始したします!全員構え!」


 皆体勢を整える。

 私を含めた30人、倒すべき人数は29人。


 「始め!!!」

 「やれええええ!!」


 最初に5人私に飛び込んできた。


 「でや!!」

 「ごぁ!?」


 蹴りでぶっ飛ばし2人巻き込ませた。

 多分のびた、残り26人。


 「私の拳をくらええ!!」

 「来い!」


 ストレートなパンチが顔目掛けて飛んでくる。

 でも遅いです、投げ技の餌食になってください。


 「ギャァ!?」


 残り25人。

 というか皆やる気は出したが狙いが私なのか全然争ってないじゃん、ヘイト集めすぎたか。


 ふーむ...こっちから行きます!


 「行くよ。」

 「へ、ガァ!?」

 「いつの間に!?」


 重装備の男が大きな斧を振り下ろす。

 でも隙が大きいです。

 が、懐に潜ろうとしたら。


 「かかったな!」

 「む?」

 「もらった!!」


 素早い獣人格闘家3人が囲み襲い掛かる。

 即興連携にしては良く出来てる!


 「これはどうかな!」


 私は重装備男の鎧に強く音が鳴るよう叩く。


 「ァッ!?」

 「キャアッ!!」

 「しまっ...!?」


 その瞬間に獣人達を倒す。

 あとは重装備野郎...あら?


 「...。」


 そいつはその場に倒れ込んだ。

 ...どうやら強く叩いた際の衝撃が鎧の中にも響いたっぽいな。


 残り20人。


 「や、ヤベェぞ!!固まれ..固まれ!!」

 「遠距離攻撃を使わないならこれが有効だ!!」

 「いやバラけたほうが...。」


 それはハズレです。

 私は大きく飛び、彼らに目掛けて...


 「くっらえ猫パンチ!!」


 思いっきり飛び込んだ。

 その衝撃は闘技場全体に広がり彼らは固まるの関係なく吹っ飛んだ。

 なお闘技場と観客席の間にはバリアが張ってあるのでご安心を!


 「し...試合終了ーーーっ!!」


 観客席から凄まじい歓声。

 

 「第一グループ勝者は神獣候補キジコ様だあああ!!」

 

 よし第二予選決定!

 あとはあの子達の試合をゆっくり見ますかね。


 最後に私はせっかくなので拳を上に勝利ポーズをした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ