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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
闘王闘技編
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第122話 夜の散歩

 己よりも強い攻撃を魔力で相殺するスキル、重力比例攻撃を得た私。

 あの後疲れて寝落ちした。

 

 その日の夜の事である。

 気持ち良く目覚めれば朝ではなく夜、キラッキラの星空が起きてすぐ目に映りました。


 「目覚めたかい、キジコ。」

 「うん...結構寝てたなこれは。」

 「まぁね、でも有力なスキルを得る事出来たのだからもっと眠っていても良いと思うけどね。」

 「いや、これ以上寝るのはやめとく。頭痛くなる。」


 私の体は猫魔物なので夜に対しては多少耐性がある、せっかくなので起きてどこかへ行ってみるとしよう。


 「起きたついでに散歩して来るね、テュー兄。」

 「気をつけてね。ちなみにヴァルケオとマウリは森内を巡回してるからね。」


ーーーーーーーーーー


 レギスの森。


 私がこの世界に転生して目覚めた地である。

 当時はゆったり暮らす事前提の猫魔物で、特にこれと言った強いスキルは最初持っていなかった。そしてすぐあの魔物鹿に遭遇したけどね。


 確かこの先に...お、あった。

 精霊水の川、ここより下流でその鹿と戦いその後ヴァルケオと出会ったのだよね。

 彼らと暮らすうちに威圧耐性が爆上がりして多少は怖くは無くなったのだよね。


 ...そういえばこの精霊水の川はどこから流れてるのやら?

 興味持ったのも何かの縁、更なる上流目指して向かってみよう。


 

 と、歩いてはいるが割と何もない景色である。別に荒れ果ててるわけじゃなくて、対してさっきと変わらない景色であるという事だ。川自体は奥に見える山の方から流れてるっぽいけど...これは遠いな。

 

 私自身もあの辺りは行った事ないし、下手に近づくのはやめておこうかな。

 というわけで帰りまs...あら?


 私は帰るために振り向いた瞬間、帰り道...下流方面にいくつもの白色や水色の光が浮かんでいる。

 蛍...じゃないよな、あんな色じゃないし。

 あ、この世界の蛍はあんな色だったり?


 『あれー、人間がいるよ?』

 『いや魔物の匂いがするよー?』

 『不思議ー!』

 『不思議だねー!』


 ...蛍ではありませんでした、これ精霊じゃん。

 それに珠精霊リトルフェアリー自然精霊エレメンティアだっけか、なんで声が聞こえるんだ?


 ミーシャは例外として、一般人に聞こえる精霊の声は上級自然精霊ハイエレメンティア(例:スアやミーシャの精霊)以降だと思ってたのに。


 「初めまして...で言うのもあれだけどなんで私にも君達の声が聞こえるんだ?」

 『えー?んー...お姉さん精霊の匂いが強いね!それもとびきり強いの!』

 『精霊と長い時間過ごした人は稀にどの精霊の声も聞こえるんだよ〜。』

 『精霊と過ごす人は余りいないから珍しいねー!』


 ...どうやら知らない間に変わった能力を身につけていたようだ。実際猫時代はミーシャのレリィやその他、上級自然精霊ハイエレメンティア自然精霊エレメンティア、覚醒後はスア(元大地の上級自然精霊である邪精霊)と過ごしてたからあり得なくも...ないか?


 「君達はどうしてここに?」

 『それはもうすぐわかるよ!』

 「もうすぐ?」


 すると、珠妖精リトルフェアリー達が多く集まり始め、輝き始める。そして水色の光を放ち始めたのだ。

 

 『この子達が自然精霊エレメンティアになるのを見守るために集まったんだ〜。』

 『水の自然精霊よー!』

 「おお...!」


 貴重な光景を見た気がする。

 気づけば周囲は精霊の優しい光で明るくなっており、まるで星空が舞い降りてきたようである。


 「綺麗...!」

 『わーい!綺麗だって、綺麗だってー!』

 『褒められた、やったー!』

 

 可愛いなぁ。


 『たいへーん!!』

 「え?!」


 すると森の奥から別の色の精霊がやって来る。

 

 『どうしたの?』

 『人が倒れてるよ、変な顔の人が!』

 「な!?」


 私は念のため物体浮遊で精霊水を汲み上げ、案内された所へ走る。


 「うう..う...。」


 そこには、ちょっと変な格好をした小太りな男。顔は...悪っぽいというかアニメで見る目が小さい奴小デブというか。


 「どうした、大丈夫か!」

 「え...?あ..、魔物!?」

 「そうだけど。」


 男は私を見て驚く。


 「...よくわかったね、この見た目で。」

 「俺は見透しのスキルを持ってる、こっちへ来るな!!」

 「怪我してるのだから動かない方がいいよ。」

 「だから来るな!!俺を食ってもまずいぞ!!」


 こりゃひどく怖がってるな。


 「だから違うよほら、高治療ハイヒール。」

 「うわあああああ!.....ってあれ?傷が治ってるし痛くない?」

 「だから言ったでしょ?ついでに。」


 精霊水の玉を投げつけたった。

 するとより健康そうな状態になった。


 「な...!?な...!?」

 「何があったの?どうしてここにいるかわからないけど、一旦開けた所に行こう。向こうに精霊水の川あるし。」

 「え..あ..はい。」


 男は急に大人しくなってちゃんと着いてきた。


 

 「んで、あなたは何者なのでしょう。私はキジコです。」

 「...私はヴィリーと申します。ある町の領主を務めます貴族でございます。」

 「どうしてここに迷い込んでるの?」

 「はい...実は先程まで私は馬車に乗り、この森を通りその先にある町へ帰る予定でした。しかし途中魔物の群れに襲われ従者と共に必死に逃げてきたのです。」

 (※馬も魔物類です)

 「だとしたら従者さんは迷ってるな...。そういやどこかへ行ってたの?」

 「はい、近頃私の町は作物の虫害が広がっておりまして、対策を学ぶため他の町へ行っておりました。」


 なるほど...思ったよりは真面目そうだなこの人、顔の割に。


 (皆、森に迷った人がいるらしい。探してもらえる?)

 (構わんが...何人だ?)


 「従者は何人?」

 「へ?ふ...2人でございます。」


 (2人だって、急だけどお願い!)

 (まっかせて!)


 「今従者さんの捜索出したから安心して。」

 「な!ほ、本当ですか!」

 「心配なのでしょ?顔に出てるよ。」

 「あ、ありがとうございます!!先程の怪我を治してくださった事も含めこの恩は必ず返します!!何倍にして返します!!!」


 男は土下座して私に言う。

 人は見かけによらずだね!


 さて、あとは待ちますか。

この世界の馬はユニコーン辺りから派生した種類。

長い年月を重ねるうちに魔力よりも肉体的活動が多くなり前世とほぼ同じ馬となった。

たまに小さい角が生えている種類もいる。

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