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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
波乱のマイライフ編
123/302

第118話 ミッドエデル重要会議②

後半会話ばかりです申し訳ない。


10/4訂正 うっかりムートの女王様の[女]という文字をつけ忘れてました。とんでもねぇミスを申し訳ありません。

 中立国家エデル中央都ミッドエデル。

 その大統領桃花様の館にて今重要な会議が行われている。


 最初の議題は元インヴァシオン派獣人の処遇についてだ。

 レリィが集めた情報も含め渡された資料には、今回の会議が始まるまでに集められた案が載っている。

 特に多かった案をまとめると、

 •労働力として償う。

 •一部の領域侵入不可。

 の二つだ。

 

 主な理由としてはバノス。

 彼による恐怖圧政は前々から各国でも知られており、襲撃に来たバノス兵達は皆恐怖に染まっていたとの事。

 記憶が読めるスキルを持ったある竜人族によると、あまりにも酷くて自分も数日恐怖に震えたとの事。

 とはいえ国に迷惑をかけた以上無罪とは言いがたいので、労働という形で刑罰を収めるのがいいのではないかという案である。

 もう一方は迷惑をかけた国に一定の期間侵入することが出来ないという刑罰。しかしこれは処遇としても元インヴァシオン派の人数を考え向いていないとして却下。


 「では、元インヴァシオン派獣人は各国に一定期間労働という形で刑を進めるという案。異論はございませんか?」

 「ジン。異論じゃなく質問がある、いいかな。」

 「先生?」

 「労働という形での刑はいいとして、彼らを雑に扱うような国や裏で彼らを使い非道な実験をしないか心配でな。その辺の対策はないか?」

 「その事なら心配ない。」

 「と、言いますと?」

 「今元バノス領域にてインヴァシオン派全員を集めているのは知っているな。」

 「ああ、処遇を決めるにあたってな。」

 「今彼らには労働刑という事で特殊な魔法陣を肉体に付与してある。その魔法陣はもし何かあった時のために彼らの状況や健康状態を調べるための記録能力やもしもの時のリアルタイム監視が出来る効果を持つ。」 

 「マジか...元インヴァシオン派は1万いるんだぞ、よく監視出来るな...。」

 「そういうのが得意な奴らが何人かいてな、そいつらなら心配ない。」

 「...わかった。ちなみに俺達元暗殺部隊はどうなる?無実とは言いがたい筈だ。」

 「お前らはパースで強制労働だ、その能力を生かしてこき使ってやる。」

 「りょーかい。だからと言って面倒な書類仕事を大半押し付けるのは無しな。」

 「(ギクッ)」

 「おい待てなんだ今のギクッて。」

 「では第一議題はこれにて決議したします。」 

 「無視かよ...。」


 こうして最初の議題である元インヴァシオン派の獣人達の処遇は決まった。



 第一議題が終わり、リーツ付近の町村代表者(モブ)は転移で帰って行った。なんでも第二議題は機密情報なども含み、重要関係者のみで行うのだ。


 次の議題が始まるまでに時間があるので私は重要会議室を出て、近くの休憩スペースのソファに猫モードで寝転がる。


 「ふぁ〜...。」

 「ご主人様モフモフ〜。」


 ルザーナやめてくすぐったい。


 「...キジコ。」

 「んぁ...ニコ。どうしたの?」


 なんかいつもとどこか空気の流れというか雰囲気が違う。しんみりというか薄暗いというか。


 「...いや、やっぱりなんでもないよ。私も触らせて。」

 

 私の頭を触るニコ。

 だがその手からはあまり力を感じない。

 それに...目が悲しそう。


 「どんと撫でるが良い、癒されたまえ。」

 「...ありがとう。」


 それでも、ニコからはとても弱い力で撫でる。


 「...何かあれば言ってくれ。今すぐにとは言わない、いつでもいいよ。」

 「...うん。」


 それから私達は会議室に戻った。


ーーーーー


 「第二議題からの各国来賓様方々がご到着しました。」


 翠柳がそう言い扉を開けると、知っている顔を含めた団体が会議室に入ってきた。


 「サジェス帝国より、サジェス帝王様、魔勇者ヴェアート様。」

 

 当時眠ってはいたが1年ぶりに会う2人。

 ヴェアートさんは私を見ると目をキラキラさせるがテンションを抑え私にお辞儀する。

 それを見たサジェス帝王も私を見つけ軽くお辞儀する。


 「続きましてムート王国より、ムート女王様、聖勇者シルト様。」


 ヴェアートさんよりも久しぶりなシルトさん。彼も私を見て軽くお辞儀をする。

 そしてあれがシルトさんの国の女王様か...威厳あるな。


 「続きまして竜人国より、エノガード王様、竜騎士エリア様。」


 おお、あれが竜人国の!綺麗でカッコいい竜角と竜尻尾!

 それと竜騎士だっけあの女性。もしかして国によって勇者のような超強いのがいるのかな。


 「続きましてエルフ国より、女王エルタナ様、エルフナイトのフィースィ様。」


 白い肌、輝く黄金の髪、エメラルドの目!!

 なんだ、リーツに旅行とかで来るエルフよりも輝かしいぞ!

 一体どういう種族なのだろうか?」


 「(キジコ様、エルタナ様は私の逆...ハイエルフと聖人族の混血であるシャインエルフという種族です。)」

 「(そうなのか...ってなんで私の考えてた事わかるんだよ!)」

 「(顔に出てましたよ♪。)」


 「最後に精霊族から、現精霊女王ガイスト様。」


 会議室の中央から眩い光と共に長身の女性が現れる。なんて神々しい...。

 ちなみにお付きの人はいない、彼女だけが訪れた。


 「もっと光量下げて現れないのかガイスト。」

 「目立ちたがり屋め...。」

 『なんです?私精霊だからいいでしょ?』

 「理由になってないピカピカガイスト。」

 『アンタに言われたくないわよエルタナ!』

 「あんたら落ち着いて、さっさと会議始めますよ。」


 というわけで第二議題、開始。


 「それでは重要会議、第二議題を始めます。内容は...例の研究員達についてです。」

 

 私にとってはこれが本題である。

 奴らの情報や対策についてはとにかく知っておきたい。


 「私からまず奴らに関係する話をしますがよろしいでしょうか。」

 「勿論だ、お主は特にこの件に巻き込まれては突っ込みすっかり奴らのターゲット。我々と比べれば保有情報量は多いのですからどうぞお願いします。」

 「では、今回バノスの一件で奴らは裏であの兵器...マギアシリーズを売買もしくは貸したりしている事、同時にそれは以前破壊した研究所意外にも量産体制が整ってある事がわかりました。おそらく出所は奴らの本拠地である可能性が高い、リーダーだと思われる[教授]という男は今だ逃走中で、おそらく集めたデータで当時不完全だった量産体制を完成させたかもしれません。」

 「確かにな、実を言うと最近我ら竜人国付近にも鳥型の機獣...マギアシリーズが現れましてな、奴らは見事な連携を取り町を襲撃しましてな。」

 「..!!その鳥って!」

 「...同盟式の日に現れたアイツらと同じ!!」

 「エノガードの所もか。ワシらの所は狼型だった、冒険者が何人か負傷し兵が取り押さえるも情報保護措置なのか自爆し調査が困難だった。」


 思ってた以上に奴らの行動範囲が広がってる。

 最悪な事に量産体制は完成しているのに違いない。

 

 「その中でも危険なのが以前リーツに現れたプロト10という存在です。資料に載っている通りこの機体は竜をベースに開発されたようです。この機体は今までのマギアシリーズと違い知能が高く会話が可能、その上転移が使えます。」

 「なんと...転移が使えるとは珍しい。」

 「魔物が使う事なんて極めて稀ですからね。」

 「そして強さは私とニコでも手が出なかった。朱斗と蒼鈴が駆けつけなかったらどうなっていたか。」 

 「ああ、俺達がほんの一瞬油断した隙に逃げられた。瞬間的に転移を行える時点で奴の実力は相当高い。」

 「それは厄介じゃのう。ただでさえ竜種は強いのに魔法実力も高いとなるといざ襲撃に来た際の被害が凄まじくなる。」

 「その上神獣候補に勝る実力、そんな奴らそうそういるもんじゃないぞ!」

 「(そう考えると先生って超強いんだな。)」


 プロト10は現時点でも脅威だ。

 思考が出来る故に細かい任務も遂行できるしもしもの時は撤退も出来る。兵器としても質が高い。

 浅知恵作戦はまず通じない可能性がある、ちゃんと練らないと。


 「そして新たに判明したのは元バノス領域に現れた、獣の肉体に変化する女だ。」

 「そう、ニコが言ったように奴らの技術はマギアシリーズだけではないのがわかりました。その実力ははっきり言ってマギアシリーズ以上、奴自身がプロト10以上か以下なのかは今ではわからないが、隠密能力が非常に高くウダスが後ろを取られる程だ。」

 「ああそうだ。はっきり言って隠密能力は俺以上だった、気配が読めなかった。」


 魔力共有して一時的とはいえステータス強化されていた私でさえも気づく事が出来なかったんだ、あれがもしさらにいるとなると頭が痛い。


 「その女は人間だったと書いてあるが、それってよ...人体実験や人体改造などの技術もあるって事だよな。」

 「はい、これの量産体制はおそらくまだでしょうけど完成してしまった場合もはや手に負えなくなる可能性があります。なんせ人に化けられるのですから。」

 「ああ、その場合は何かしら見抜きに長けた精鋭を作るべきだろう。」

 「でしたら我々エルフの中でそう言った能力に長けた者を後日派遣致しましょうか。あの者達ならその技術を教える事が可能でございますしいざとなれば戦力になる頼りな方達です。」

 「ふむ、エルタナの案に賛成だ。帝国もそう言った能力に長けた者は少ないからな。」

 「我々王国も同じだ。」


 皆エルタナの案に頷く。

 今取れる対策は正直言って出した情報を元に色々対策を練るくらいだ。変に何してくるから予測がつかない点もある。


 それからも私は色々情報を出しては出来る対策案を皆で上げる。

 

 「...私が知る情報はこんな所です。」

 「うむ、必要最低限の対策は取れたな。」

 「まぁ今後奴らが何をしてくるのがわからないから完璧な案ではないんだけどね...。」

 「無いよりはマシだ。今必要なのは情報、そんなすぐに優れた対策は出来るもんじゃない。あやふやな対策をとるくらいなら少しでも確実な案を通した方が安全だ。」

 『ですね、私も各地の精霊にも今出来る事を伝えておきましょう。あの子達も無力ではないわ。』


 「ひとまず手に入れた情報を共有する事を優先としましょう。それでは第二議題はこの辺で終了致します。皆様ありがとうございました。」


ーーーーーーーーーー


 『では第三の議題を...。』

 「待てガイスト!なぜ貴様が仕切る。」

 「しかも少しくらいは休憩挟まんのか。」

 「そもそもその話は議題じゃなくてほぼ広告でしょガイスト。」

 『いいじゃない、まだはっきり決まった情報出ていないし。』


 え、何?何かあるの?


 「えーと...?何かあったのでしょうか?」

 「...実はな。5年に一度行われるとある闘技大会をここミッドエデル領域内で行う事が決まってな。」

 「闘技大会...?」

 「長年行われる伝統的な行事でな、各国より名乗りでた猛者が出場し、優勝した者はそこの精霊王から[闘王]と呼ばれる称号とおまけに賞金が出る。簡単に言えば強い奴決めるぞって話だ。」

 「そんな行事があったのか。」

 「お前らも出場してみるか?なかなか面白い大会だ。」

 「いやぁ...私はやりたい事があるから...。」


 そう、私はマイホームを手に入れるのが今の目的ですので。

 研究所の脅威がまだあるけどようやく戦争関連からひと段落ついたので...。


 「キジコ!!」

 「うわあ!?...ニコ?」

 

 大声で私の名をいうニコ。


 「...私はその大会に出場するよ。」

 「はあ。」

 「だからキジコも参加して。」

 「なんで!?」


 待って待って道理が...。


 「今回の一件で色々あったのは私も同じなんだ。でも...まだ何か掴めていないんだ。無理を押し付けるけどさ、私はキジコと戦いたい!」

 「え..えぇーー!?」

時間波乱のマイライフ編最後。

自宅改修出来てないよキジコ〜!

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