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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
異世界参上編
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第11話 邪精霊



 「[多種族共存中立大同盟国家レギス]の代表格として邪魔者であるとこの判断を両国代表が決めました。」

 「...そうか。」


 「...申し訳ありません。私が無力な故に。」

 「いや、君は悪くない。上へ抗議したくても部下の兵の心配もあったのだろう?」

 「はい。下手に動けば彼らも何かしら私の連帯責任を負わされる可能性もありましたから。」

 「...そうか。」


 「ん?ちょっと、待って下さい。」


 シルトの馬車の客車に1匹の鳩がやって来た。

 

 (この鳩は?..ん?手紙がある。)



 (...そうか、君も気づいたか..、ヴェア。)

 (お互いやる事は決まった、そして幸運だ。今ならまだ間に合う。)


 「..ヴェアから連絡が来ました!現在森に独断で出撃した部隊がいる模様です!」

 「何!?」


 (ヴェアって...昔シルト君といた魔人族の子よね。)

 (そうだよマウリ。僕らが見つけた時めっちゃ泣きべそかいた顔で迷子になってた2人のもう片方。)


 「手紙では奴らの隊長格は禁忌呪具[スキルイーター]を持ってる可能性が高く、もしかすればイーターが持つ力で結界を通り抜け神域に..!」


 「....!!キジコ!!」

 

 ヴァルケオはレーダーを使いキジコの方向へ猛スピードで駆けて行った。

 

 (ヴァルケオは本当、家族思いだね。)


 「キジ..コ?お仲間様でしょうか?」

 「そうよ、数日前にやって来た新しい家族。」

 「もしや、新たな守護獣様..?」

 「いや、キジコは...」



ーーーーーーーーーー


 「あとは任せろ。」

 「ごめんね..、ヴァルケオ。」


 ヴァルケオは焦りと怒りを顕にした。

 

 新しい家族を失いかけた自分への攻めと焦り

 他人の命を奪う事に躊躇ない者への怒り

 

 「貴様如きがイーターを持つには少々過度だな..。ましてや仲間の命を奪う事も迷わぬその穢れきった性根、そこ身魂ごと消してくれる。」


 「がががが..ゔぉあ.だっだまれ野獣がぁ..。」

 「震え声で何を言ってるか理解できんな。」

 「黙れ野獣があああ!ソウルイーター、全て飲み込めえええ....がばぁ!?」


 ジジイがまたぶっ飛ぶ。

 ヴァルケオのスキル:圧縮空気弾ハードエアキャノン

 圧縮した空気を撃ち出す出す見えない砲弾。

 弾サイズを変えれば連射も可能という恐ろしい技。


 「小癪な野獣めが!氷柱弾アイスピック!!」

 「ふんっ。」

 

 氷柱弾は発射した瞬間ガシャっと音を立てて崩壊した。

 「はあ!!」

 「ごぶぅっ!?」


 ジジイはこれでもかというくらい空気弾を当てられてボロボロ。

 それでもヴァルケオは攻撃をやめない。

 周りの兵も止める気が一切ない。

 私も止める気はない。


 「びっ...治療ヒール..ぶはぁ!?」

 「愚かな、回復しても攻撃は続くのに何を考えてる。」


 あれ、あのジジイ回復使えるじゃん。

 いや今のはイーターから発動したな、補充とか言ってたから、やっぱり貯めたスキル一個一個使い切りなんだ。


 私に個体鑑定した時はおそらくレベルの低いのしか残ってたのだろう。

 だから中途半端な結果しか見えてなかった。


 「やべ..やめ..ろ..。」

 「やめない。貴様のような人間を生かす方が愚行というもの。せめて手加減している間に懺悔をしておけ。」

 「あ..あ...嫌だ!!」


 

 ..ん?またイーターを取り出した。ソウルイーターなんていつのまにか止まってるし。


 「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!イーターよ...俺を守れえええええ!!」

 「...何を考えればそうなる。」


 とうとう道具に何いっちゃってるか。



 ....ん?



 イーターから謎の光が発し始める。

 ソウルイーターじゃない。

 

 ズオッ


 イーターから突然触手が出始めた。


 「!?」

 「な..なんだ!?俺の言うことを聞け!!」


  ドスッ

 「がゔぁ!?」


 触手はジジイを貫いた。

 

 そして触手はジジイを絡め取り...宝石はジジイ食い始めた。

 

 「あ...あ...あ。」


 急だった

 ジジイは食われた。消えた。


 『まずい..実にまずい。もっとマシな養分をよこせ..。』


 ....!?


 『この男に養分を集めるよう思念を操っては見たが...予想以上に役立たずだった。』


 


 シャァベッタァァァァァァァァ!!



 なんだ!?またまたあまりにも急展開!!

 待って待って戦争始まる前になんか来たよ!?

 誰だあれ!?

 

 宝石...イーターは周りの瀕死や遺体の兵に触手を伸ばした。

 まずい、ジジイに巻き込まれた兵の方々まで取り込むきか!?


 「魔法矢マジックアロー!!」

 「圧縮空気弾ハードエアキャノン!!」


 こっそり精錬水飲んで元気満タン、キジコ!


 「動けるか?キジコ!」

 「動けます!!」


 『何をする。食事を邪魔するなんてマナー知らずだなぁ。』


 イーターは触手を自分に纏い始め..変質し...不気味な人型の肉体を形成した。

 その顔は宝石を瞳孔とした一つ目。

 

 『ボクはこの宝石に宿ってイた邪精霊といったところかな。コの宝石は餌を集めるのに都合が良くてネ。』

 「邪精霊だと...!?」


 「ヴァルケオ、なにそれ?」

 「...精霊は本来、自然魔力に意志が宿った存在。そして役割は生きとし生ける物全てへの祝福。

  しかし、邪精霊はそう言った祝福する事を拒み己の自分勝手な欲望のままに力を奮い動く存在なんだ。特に、他の生きる者を害してでも生きようとする奴はああいった存在になる。」

 『キミ...博識ダね。』

 「それはどうも。」


 そんなやつまでいるなんて聞いてないぞ!

 平穏への道は万里の長城よりも長いのか!?

 

 『まァ、そんなことはドウでもいいかナ。シネ。』

 

 イーターは突然魔力弾を飛ばして来た。

 

 「わぁ!?」

 「大丈夫か、キジコ!」

 

 今のは危なかった。


 「王之鉤爪キングスクロー!!」

 「魔砲撃マジックブラスト!!」

 『グッ..。』


 よし、一応攻撃は効いてる!

 もう1発!!


 「魔砲貫通光線マジックペネトレーザ!!」

 『チッ、火炎壁ファイアウォール!』


 げ、防がれたか。

 どうやら今のペネトレーザよりも向こうのあの火炎壁ファイアウォールの方が丈夫らしいな。


 『...養分が足りなサ過ぎたかナ。』

 「逃がさん、貴様はここで滅ぼす。」

 『ケケッ...残念、君は足元も見ていないのかい?』

 「何..な!?」


 ヴァルケオがだんだん立ち上がれなくなっていた。

 

 「貴様..!?ソウルイーターか!?」

 『アタリ。でも殺す気はない、いや殺せないってのが正シイかな。キミ強すぎるもン。』

 「ヴァルケオ!!」

 『そこのチビも、強イネ。ムカつく。先に殺すヨ。』

 「キジコ!!」


 ヤベェロックオンされた。

 ヴァルケオが動けない以上私vsギョロ目だ。

 ヤツを止めないと。


 『せめて貴様、神獣の資格ヲもつ貴様だけでも殺してやる!!』

 「周囲感知能力フル稼働!!レーザーセンサー発動!!」


 こうなった以上全力で動こう。

 




 ...そういやマウリやテューニは来ないのか?


 『仲間の助けヲ求める顔だナ。残念、ヴァルケオがコチラに来た際に「神力結界」を張らしてもらった。奴らは簡単ニ来れないヨ。」

 

 なんだってぇぇぇーーー!?

 

 パーティプレイ早速阻害されました。


 負けイベントですねわかりました。



ーーーーーーーーーー


 「何よこの結界!?」

 「勇者君の鳥が急に消えたと思ったら..これは神力結界だね。」

 「急になんで..!?」

 「わからない、けど、何者かが僕らをヴァルケオの所に近づけさせないために..だと思う。」

 「何者って!?...待ってこの感覚..。」

 「...イガイガしたこの気配..。」

 「「邪精霊!?」」


 まずい、気配からしてこの邪精霊は強い。

 逃げろ..ヴァルケオ、キジコ!

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