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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
波乱のマイライフ編
110/302

第105話 人の心vs獣の意志(2)

サブタイトル訂正しました

 パース、役所の重要会議室...


 「緊急会議のご参加、誠にありがとうございます。」

 「堅苦しくなくていいわ、今は緊急事態なのでしょ?同盟国としてちゃんと手を貸すわ。」


 キジコです。

 1時間前まではミーシャと町でゆっくりしていたのですが、なんとニコからパースがインヴァシオン派に攻められていると言う連絡を受けた。


 これを受け私達は急いで朱斗達に連絡、猛スピードで準備をして転移でやってきた。

 

 現在ルザーナ達には援軍を頼み前線に出てもらっている。私も突撃しようと思ったけど朱斗に警備を任された。

 皆楕円型の机を囲み資料や地図、それぞれ情報を出し現在に至る。


 「インヴァシオンのアジトというか本拠地はどこなの?」

 「この地図でいう所の...ここですね。ここよりさらに北にあるこの平野にあります。」

 

 ふーむ地図で見る限り城の周り、森以外大して何もないな...。いかにも荒れた奴らがいますってイメージが浮かぶ。


 「勢力は?」

 「正直言って純粋な武力はバノス達が上だな。我々パースは防衛力はあるものの、元が平和を目指しての形故に武装国家と比べると劣るんだ。」

 「なるほど。」


 だとすればルザーナ達だけでも突撃させたのは大正解だったな、危うくニコを早速投入しなければならなかった。


 「負傷兵は?」

 「スアが広範囲の精霊治癒魔法を覚えている。それでなんとか体勢を整えたり撤退ができる。」

 「そうか、わかった。」


 とりあえず最前線はなんとかなるだろう。

 今はあの子達に任せるとしよう。

 そう考えていると...


 「私は後で出撃した方がいいの?それともみんなの護衛?」

 「いや、キジコちゃんは後で出てもらおうかなって思てる。」

 「わかりました。


 なら気を引き締めて行こう。


 「ああ待って。キジコちゃん、ちょっとおいで。」

 「へ、あ、はい。」


 桃花様の横に座る私。

 え、何か悪いことしたっけ?

 学校で呼び出されたら真っ先にそう言う考えなるよね?


 「確かキジコちゃん、赤い服持ってたよね?」

 「赤い服?...ああ、アニアさんから貰った...。」


 ※説明しよう!

  アニアさんは95話でイブキ達や私に服をくれた武具屋の店主である!現在も独身!!


 「ちょっと見せてもらいますね。」

 「はい、どうぞ...。」

 「...へぇ、魔法特化の服作ったとは聞いてたけど、こりゃすごいわ。」

 「そんなにすごいの?」

 「まぁそやな、下手な弱い魔法具を超えとるからねぇ。...そや!」

 「?」


 桃花様は空間収納庫を開ける。

 何かを取り出すようだ....が!?


 その手には見たことある紫色の結晶。

 そして感じる強いエネルギー...まさか!?


 「報告ではこれ使って魔法具作ったそうやね?ちょうどええ、これ使いこの服を魔法具に昇華させな。」

 「...色々突っ込ませて。まずなんでフォーセ結晶を?」

 「もしもの時は威力調整して相手に投げつける用の物やね。」

 「怖!?」


 ※フォーセ鉱石、結晶は高エネルギーを保有しており、暴発すると大変なことになるぞ!


 「んでなんで魔法具...久遠の事知ってるの?」

 「離れた所で蒼鈴がジーッと見とったそうやで。あんなデカいエネルギーを無視するはずないで。」

 「デスヨネ。」

 「私も手伝うし、ちゃっちゃと魔法具作ろうか。どこか作業に使える場所ないかしら。」

 「でしたらハル姉の作業場を借りれるか聞いてきます。」


 数十秒後....


 「じゃんけんほい...負けた!?」

 「私の5勝0敗やね。」

 (なぜだ...全然勝てん!?)

 

 ガチャッ

 

 「使って大丈夫だって!早速行こう。」

 「ありがとさん。...ほい、6勝目。」

 「馬鹿な...。」


ーーーーー


 私達がやってきたのはハルというウサギの獣人女性が営む武具屋。

 すげぇ立派な工房。


 「じゃ、早速始めようか。」

 

 桃花様は作業台に赤い服...とりあえず魔服でいいや。魔服を置き、フォーセ結晶を取り出す。

 やる事は単純高難易度作業、膨大なエネルギーを魔力変形シャープチェンジで取り込ませる。正直な所、無理矢理な方法である。


 「では、... 魔力変形シャープチェンジ!」

 

 フォーセ結晶から膨大なエネルギーが溢れ出す。


 「ふぅん...魔力の流れに無駄があるねぇ。」

 

 桃花様は私の腕に人差し指を置き、服に向かってスーッと滑らす。

 すると...


 「...あれ?負担が減ったというか...楽になった?」

 「エネルギーの流れが悪かってな、効率のええ回路敷かせてもらったわ。」

 「な!?」


 この人何者!?

 あんな膨大なエネルギーを糸も簡単に操作しやがった!?


 「ほらほら集中、暴発するよ?」

 「は、はい!」


 フォーセエネルギーはどんどん服に織り込まれてゆく。気のせいか服が少しずつ輝いているようにも見える。サングラス作っておくべきだったかなぁ。


 「だいぶ出来てきたけど...ここが甘いね。」


 桃花様は袖端にスーッと指を引く。

 すると魔力の流れが変わる、袖の方に集中してゆく。


 「...一体どこでそんな技を?」

 「さぁ?スキルでもないし...まぁなんとなくよ。」

 

 ...?????


 カッ!!!


 (魔法具:鳳凰が作成されました。)

 (作成者:キジコ、桃花、アニア)


 「...キジコちゃんにも聞こえた?」

 「はい、...もう出来ちゃった!」

 「鳳凰ね...知らん言葉やけど、キジコちゃんが前いた世界には?」

 「えーと、私がいた国とは別国の話にはなるのですが、鳳凰は伝説上の鳥でして、願いを叶えて幸せを導くだとか疫病退散だとかの象徴と聞いたことがあります。」

 「へぇ...じゃあちょっと見てみよか。鑑定。」


 魔法具:鳳凰

 •身体機能上昇、魔術超強化、感覚機能上昇、

   魔法火力上昇、魔術適正強化、損傷自動修復、

   環境有害効果軽減、火水属性耐性上昇、

 肉体自動治癒、毒無効


 「なんだこの効果!?」


 今着てる[化猫]より効果が多い...だが化猫と比べると魔法攻撃に特化しているな。

 だとするとこれ来てレーザー撃ったらどうなってしまうやら...。

 化け猫は物理攻撃特化に大してこっちは魔法特化...扱いには気をつけよう。


 「それじゃあ仕上げやね。」

 「はい!...へ?」

 「その服とキジコちゃんが今着てる服を融合させようか。」

 「はあ?!」

 

 どういうこと!?

 え、最強装備でも作る気なのこの人!?

 超スーパーレアどころかレジェンドとかアルティメットなレアみたいなのになっちゃうよ!?


 「えーと、そんないっぱい効果あると...。」

 「あーいや、合体させると言っても切り替えって意味よ。」

 「...切り替え?」

 「状況に合わせてその服と鳳凰を瞬時に切り替えできるようにするのよ。」

 

 モードチェンジ機能か!!

 ...それを聞くとなんというか...興味湧きました。

 私、気になっちゃいます!!


 「興味ある目はしてるね、服は脱ごうか。」

 「はい。」


 ぬぎっ...


 「...恥ずかしないの?女しかいないけど。」

 「へ?」

 

 そういやスプブラやスポパンだからって油断してた...。(これも魔法具)


 「よし...魔力変形シャープチェンジ!」


 イメージは切り替え!変に重ねるとなんかキャパオーバーとかで暴発しそう!

 化猫と鳳凰がだんだん融合してゆく。

 しかし消費魔力がさっきよりエグい、そして集中力が若干減ってる...。おそらく化猫を着ていないからその分ステータスとかが下がったのかも。


 「こりゃ一人じゃしんどいわね、...はあ!!」


 桃花様が化猫と鳳凰に手を伸ばして瞬間、魔力が安定し始める。

 なんという、歳上故の安心感があるというか技術の高さを感じる。


 「こりゃ複雑やね...大半は私に任せ。」


 すると桃花様から魔力が溢れ始める。

 そして魔服はさらに、どんどん融合してゆく。

 これがゲームとかで見た、物と物を合体させる技...本物の合成...。


 「あとちょっとよ、力を込め!」

 「はい!!」


 カッ

 

 (魔法具、化猫と鳳凰を融合。以降は切り替えにより使い分け可能。)

 

 「...!!」

 「ふう、お疲れさん。」


 その場にへたり込む私と桃花様。


 (化猫の効果、更新)

 「ん?」


 魔法具:化猫

 •身体機能上昇、身体耐久性強化、感覚機能上昇、

   筋力機能上昇、損傷自動修復、風圧軽減、

   環境有害効果軽減、水属性耐性上昇、

   物理火力上昇、物理精度上昇


 「火属性耐性上昇が無くなってるぅ!?」

 「んで、物理火力上昇、物理精度上昇ってのが付いたね。反対な服でいいねぇ。」

 「でもこれで...。」

 「うん、出撃しても問題ないね。」

 

 ...なんか色々疲れたけどこれで私も出撃準備整った。そうして一度役所に戻った私達。

 

 「わあぁぁ...!!」

  

 キラッキラした目で見てくるニコ。


 「赤いキジコ!かっこいい!!」

 「こらこらお嬢、構ってもらうのは今度にしなさい。」

 「しゅん...。」

 

 流石に止めるジン。

 ごめんねニコ、また今度じっくり見せてあげるから...。


 「...じゃあ、行ってきます。」

 「気をつけてください。道は兵士が案内してくれるでしょうから、その指示に従って下さい。」

 「わかった!」

 「無理はしないでくださいね。」

 「キジコ、頑張って!」


 私は役所を出て、戦場に向けて駆けるのだった。





 「報告があります!バノス城付近にてヘビーテイルサラマンダーが大暴れ、インヴァシオン派の小隊幾つかが崩壊しました!!」

 「え?」

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