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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
波乱のマイライフ編
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第99話 最強兵器と紅蓮の姫

少々遅れました...。

 リーツへ遊びにやってきたニコ。

 彼女に町の色んな所へ案内していた所、町にマギアシリーズと思われる竜が襲撃。


 竜の目的はアイを攫う事。

 アイの命を助けたいならヴィンの森にあるあの研究所跡に来るよう言い、そこまま転移で連れ去られてしまった。

 私とニコとクロマは急いで研究所に向かうのだった。



 「これで...よし。」


 服装を変え戦闘準備を整えたニコ。


 「それでは再び転移します。」


 クロマは研究所に向かい転移をした。

 するとそこには驚きの光景が広がっていた。


 「...なんだこれは!?」


 なんと研究所には最下層に向かって大きな穴が出来ていた。おそらくあの竜の仕業だと思われるが一体いつの間に...。


 「...降りてみよう。」

 「ああ、深い所から強い力を感じるよ。」


 私達はクロマにつかまり浮遊魔法で下へ降りた。

 研究所跡はかなり荒れており、以前とはみる影もないほどである。

 正直完全に倒壊していない事に驚いている。


 「そろそろ最下層です。」

 「ああ。」


 

 最下層、以前マギアシリーズのプロト5と戦った場所。

 そこは戦闘実験を想定して広い空間となっていて、下手に狭い部屋で戦うよりはマシである。


 スタッ...


 「予想通りすぐに来たな。」

 「!!」


 最下層に着くと予想通り竜はいた。

 だがアイの姿がない。


 「アイはどこだ!?」

 「小娘ならそこだ。」


 竜は私達の後方向に指をさす。

 そこには魔法陣にはりつけられたアイの姿があった。


 「アイ!!」


 私達は急いで向かうも...


 ガンッ


 「あだっ!?...バリアか!」

 「ご名答、それは我が張ったバリア。我を倒さぬ限り小娘を救うことは出来んぞ。」

 「...ずいぶん賢いな。」

 「我は[プロト10]。プロトマギアシリーズの最終機体にして最高傑作。かつて作成された[兄者達プロトシリーズ]のデータを元に生まれた最強の存在なり。」


 竜の正体はプロトマギアシリーズの最終機体。最高傑作と豪語するだけあって明確な自我を持ち、かなりの知能を有している。

 プロトシリーズは制御不能と聞いていたがコイツは違う、自我を持ってるが故に制御とは違う方法で動かせるのだ。


 「なら、さっさと倒させてもらうよ。」

 「フンッ、やれるものならやってみよ。」


 私は高速で居合斬りを食らわす...が。


 ガキィンッ


 「...マジかよ。」

 「我が肉体は多くの戦闘データを取り入れて強化された合金と素体の鱗皮の合成体。たとえ魔法具の一撃でも簡単に斬る事はできまい。」


 プロト10の合金皮は凄まじく丈夫で、ただ硬いだけではなく若干柔軟性さえも感じる。


 「ニコ・スラッシュ!!」

 「ぬぅ!!」

 

 ニコの一撃も片手で受け止められる。


 「雷砲撃サンダーキャノン!!」

 

 プロト10の両手が塞がったタイミングを見てクロマが魔法を放つ。


 「クク、並大抵の奴ならどれか1発でも危なかっただろうな。だが我には効かん!!」


 プロト10は自分を中心に衝撃波を放ち、私達は吹っ飛ぶ。


 「ぬぅん!!」

 「な!?ぐあ!?」


 吹っ飛んだ隙を狙い、図体に似合わないほどの素早さで私を追撃する。

 さらに、


 「甘い!!」

 「ギャアッ!?」


 尻尾でニコにも追撃を加えた。


 「ハアッ!!」

 「キャァッ!?」


 火炎弾でクロマを攻撃した。

 

 「弱い、実に弱いな。...期待はしていたのだが、今の貴様達では私には勝てない。代わりにこいつと戦わせてやろう。」


 プロト10にとって私達を倒すことなど造作もない事を意味するその言葉。


 「見せてやろう、我々の新たな研究結果をな。」


 ガシャーン!!


 プロト10は尻尾でバリアを薙ぎ払った。一体何を...?


 「起動するが良い、紅蓮の姫よ!」


 ピカッ...


 ゴオオオオオオッ!!!!


 「な!?」

 

 なんとアイから炎のような燃え盛る魔力が溢れ出す。


 「お前...アイに何をした!!」

 「なに、ただ魔法陣で魔力を上昇させ洗脳させたに過ぎない。奴の先祖は炎を得意とする大魔法使いでな、先祖返りにより非常に高い魔法適正があった故興味を持ったのだ。しかしただちょっぴり手を加えただけだと言うのにここまで凄まじいとは。」


 アイは目を開く。

 そのルビーのような目はさらに深い色となり、見ているだけでこちらが焼き尽くされそうだ。


 気になるのは…ゴーグルが無い事だ。

 アイは超視力を持っており、裸眼だと目が痛くなるほど視力が強い。


 そのため彼女は普段は視力が低下するゴーグルをつけているのだが、そのゴーグルが無いのだ。

 それだけでなく、洗脳されたアイは目を痛くしていない。一体どう言う事だ...?


 「さぁ見せて見よ、その力を!!」


 アイは右手に火炎を凝縮させて、私に向け放つ。

 

 「...。」

 「うぐぅ...!なんて威力!」


 その威力は高く、身構えていなかったらまた吹っ飛んでいた。


 「...火炎剣フレイムブレード。」


 さらにアイは炎で剣を作成、ニコに襲いかかる。

 アイの剣撃は速く、ニコも下手に攻める事が出来ずその攻撃を防ぐのに手一杯だ。


 「時空操作・時間遅行!!」


 クロマはニコをスレスレにアイの動きを遅くした。


 「...!ニコ・スラッシュ!!」


 その隙を狙いニコはなんとかアイを吹っ飛ばした。


 「...。」

 「もういっちょ!ニコ・ストーム!!」


 ニコは追撃に竜巻を発生させる。


 「...!」


 その瞬間だった。一瞬、部屋一面に謎の魔法陣がいくつも発生する。

 それと同時にアイは竜巻を簡単に避け、私に迫り来る。


 「これは!?」

 「キジコ気をつけろ!!」

 「...!!久遠、妖炎纏い!!」


 私は刀に妖炎を纏わせ迎撃する。

 

 「はあああ!!」

 「...。」


 紅蓮の炎と妖しき炎がぶつかる。

 

 「...。」

 「...!魔力を込めているな...。なら!」


 私は一度後へ飛ぶとアイはそれを狙い技を発動する。


 「...紅蓮花。」


 その瞬間様々な方向から炎の槍が私に襲い掛かる、私は刀に妖炎をさらに込める。


 「妖炎壁!!」


 妖しい炎は私を包みアイの技から守った。

 

 「出来た...少しずつだけど刀で妖炎の力を操作できるようになってる..!」

 

 私はお返しにペネトレーザを数発撃ち込む。

 が、再び部屋一面に謎の魔法陣が現れアイはペネトレーザを全て避けた。


 あの魔法陣は一体なんだ?

 なぜあれが発動した際攻撃を完璧に避けている...?


 「...もしや?」


 クロマが小さくつぶやく。


 「落雷雨サンダーレイン!!」


 クロマはアイを中心に落雷の雨を降らせる。

 だがやはり魔法陣が現れる...と、


 「今だ!!」


 クロマは何かの石を取り出す。


 「師匠、ニコさん、目を閉じて!!」

 「!?わかった!!」


 クロマは石に魔力を込め投げた。

 すると石はその瞬間、強い発光を起こした。


 「ギャアアアアアァァァ.....!!」

 「な!?」

 「...気づかれたか。」


 「師匠、この魔法陣一つ一つにはアイさんの視力が分散されています!この魔法は視力を分散させ様々な角度から相手を見る事が出来るのですが、視力が低いとまともに見えない故に超視力を持つアイさんだからこそまともな運用ができる魔法です!」


 そう言うことか!

 だからアイはゴーグル無しでも動ける事が出来たのか!


 「ア゛...ああ...!!」

 「チィッ、タネがバレれば面白くねえ。今回はここまでだ。小娘は回収させてもらうぜ。」


 「「そうはさせない。」」


 

 「な...なんだこの鎖は!?て、転移が使えん!!」

 

 プロト10の体をどこからか現れた鎖が縛る。


 「よく持ち堪えた、お前ら。」

 「いい所持っていくようで悪いが、あとは任せろ。」


 現れたのは...朱斗と蒼鈴。


 「...エデルの番猫ばんびょうか!!」

 「ほう?これはずいぶん賢い人形じゃないか。」

 「色々知っていそうだな、全て吐いてもらうぞ。」


 頼りになる大人、到着!

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