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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
波乱のマイライフ編
103/302

第98話 遊びに来ました

照れ顔のニコ公開。

普段はちゃんと綺麗に目を開いてるよ!

 時は朝9時頃。

 身支度整え、館の前で待つ私。

 そろそろニコがやってくる時間で、ルザーナ達と話ながら時間を潰す。


 そろそろ連絡一個あってもいいと思ったが来ないな、何かあったのか?

 するとタビがやってきた。


 「皆様、ご連絡があります。」

 「どうしたの?」

 「ニコ様は現在クルジュ殿の店におられるとの事です。」

 「え!?」


 どうやら服に悩んでるのかクルジュさんに捕まったのかのどちらからしい。


 「ご主人様、私達が迎えに参ります。ご主人様は日陰で待っていてください。」

 「わかった、お願い。」

 

 そうして私は日陰のベンチに向かい、猫モードとなって寝た。散歩でいきなり色々あったから仮眠仮眠。


 ...そういえばニコ、服に悩んでるって推測だけど...なんかそれだと初々しいカップル恋人のソレっぽい展開が何故か脳裏に浮かぶ。ニコはそういう子かどうかわからないけど、勉強という建前ならそれなり整った服で...。



 「...様...じん様....。」


 むにゃ...私はジンじゃない....


 「ご主人様。」

 「にゃ!?...へ?」

 

 獣人モードチェンジ


 「ああごめん...寝てた。」

 「ご主人様、こちらを。」

 

 「...お..おはよ...キジコ。」

 「....おお。」


 挿絵(By みてみん)


 「に...似合ってる?こういうの...慣れない。」


 完全に恋人とかのソレだあぁーーーーーーっ!?


 「んんっ...似合ってる!こういうの結構好きだぞ?」

 「...!!」


 ブンブンなってる尻尾。

 スッゴい嬉しいのね、日菜ちゃんの実家の犬思い出す。


 「では早速、町を回るとしましょう!」

 「おー!!」


 ワクワク賑やかに歩き出す私達。

 道を通る者達は私達を見ている。

 「綺麗...。」だとか「可愛い。」やら「カッコいい!」など。

 そんな目立つかなこれ?(目立つ。)


 最初にやってきたのはいつもの茶屋。


 「いらっしゃい!予約席ちゃんと用意したよ。」

 「ありがとう、店主!」


 赤い布が敷いてある長椅子に座る私達。

 気のせいかルザーナとニコに密着されてるような...?


 それから少しして...


 「お待ちどうさん!ロベリ団子と深蒸し茶ですぜ。」

 「おお、待ってました!」


 ニコが興味深々に団子を見て嗅ぐ。

 甘い香りするでしょ?味は保証しよう。

 なんてったって悪い奴らからのスパイを改心させるのに大きく貢献したメニューだ、まずいはずが無い。


 「い..いただきます...あむ。」


 ドキドキ...


 「...。」


 ...ん?


 「...。」


 尻尾は振ってるまま、モグモグしてるニコ。

 なるほど、美味しくて言葉が出ていなこれ。

 お茶も飲んではまたモグモグ、そして満面の笑み。


 『おかわりなの。』


 体の割にはいっぱい食べるスア。

 特殊な体のため過剰に太りもしない、羨ま。

 

 「美味しいです!」

 「むぐむぐ...ロベリが効いてて美味いです!」

 「そりゃ良かった。」


 ルザーナもクロマも気に入ったようで何より。幸せだな、こういう時間って。



 次に向かったのは布製品の店。


 訪れた理由は、ニコがこの国での布製法を是非学びたいという事と、小さい時から自分をすごく大切にしてくれたある女性に服をプレゼントしたいからだそうだ。


 「...この布で作れば似合う。これがいい!」

 『綺麗な色じゃないの。』

 

 ニコが選んだのは白桃のような布。

 目がいいな、それ高い。(でも安心、お金いっぱいある。)


 そして布を購入。

 向かったのは...再びクルジュさんの店。


 「いらっしゃい皆んな!あ、キジコちゃん!!」


 相変わらず元気のよい職人。

 ニコはクルジュさんに詳細を伝え制作を任せた。


 「師匠見てください、似合ってますか!?」


 クロマが試着したのはベルト付きGパンと半袖の服。こうやってみるとクロマ細い...ちゃんとご飯食べてる...?

 でもクロマの後頭部の長いツインテがアクセントになってすっごい似合ってるよクロマー!


 さて、しばらく試着楽しんだけど服が出来上がるまではまだ時間がある。

 

 「じゃ、その間またどこか巡ろうか!」

 

ーーーーー


 その後も、他のスイーツを巡ったり、町の外に出て近くにある川で釣りをしたり、丁度この季節に咲くという桃色の花畑に行ってみたりと私達はとにかく楽しんだ。


 「さ、そろそろ町へ戻ろうか。...ん?」


 しかしそうはいかない、


 「ブルルル.....!!」


 現れたのはアイアンディアーの群れ。

 思えば鹿の魔物よく見るな...。

 (ちなみにアイアンディアーの鳴き声は怖い。)


 「師匠まずいです、あの魔物はこの花食べます!」


 なるほど、花を食べにきたのか。

 んでちょうど私達がいたから、同じ花を狙う敵であると認識している目だあれは。


 「追い払ってみるか...威圧!」


 まだ使い慣れてないけどスキル威圧を発動してみる...が。


 「ブォーーーーー!!」

 「ゲッ!?」


 アイアンディアーはなんと威圧が通じず襲いかかってきた。私達はすぐ迎撃体勢に入る。


 「でや!!」

 「はあ!!」


 だがアイアンディアー自体は今の私達には十分楽な相手、どんどん蹴散らしていくのだが...


 「おかしいです、このアイアンディアー達怯え知らず過ぎます!」

 「一体どうなって...なんだありゃ?」


 その先にいたのは数周り大きい体格の鹿。

 カラミアほどでは無いが、強い魔力を有している。


 「...私がいく。」

 「お願い、キジ...うわ!?」

 「ニコ!!」


 ニコはアイアンディアーの角攻撃をくらいそうになったが間一髪避けた...が。


 「あ...ニコさん...。」


 ニコの服が少し傷ついてしまった。


 「...。」


 ドゴォッ!!


 アイアンディアーがボス個体に向かってぶっ飛んでいった。ぶっ飛んだ奴はそのままボス個体と激突。


 「よくも...。」


 「よくも...この服を...!」


 「キジコが似合ってるよって言ってくれた...。」


 「服をおおーーーーーーーー!!!」


 なんとニコが激怒した。

 凄まじいオーラは鹿の群れを畏怖させる。

 

 「絶対に逃がさない...。」


 あの鹿終わったわ。

 そのあとお見せすることが出来ない凄惨な光景が何度も何度も続く。

 ルザーナとクロマ、スアはその光景にすっかり怯えて抱き合っている。


 女の怒りって怖いね!


ーーーーーーーーーー


 それから私はニコに洗浄魔法をかけ綺麗にはした。(鹿の遺体は運ばれて行きました。)


 「ぐす...ぐず...。」

 「怪我は大丈夫か、ニコ。」

 「うん...でも...でもぉ..。」

 

 どうやらせっかく私に見せるために選んだ服が傷ついてしまった事に深いショックを受けてしまったようだ。


 「どうしよ...この服...。」

 「それくらい修復出来るよ。」

 「え...?」


 ふっふっふ、この町には服に関するやる気はいつも高い女性がいるのよ!



 「はい、修復完了!」

 「す...すごい!」


 ニコの服は完璧に修復された。


 「スキルは用いたけど、直すのが楽な場所だったからすぐ終われたよ。」


 本当すごいわこの人。


 「あそーだ!出来たよ、服!」


 クルジュさんは急いで持ってきた。

 人形に着せられいるのは桃色のTシャツと、黒の長ズボン。


 「これでよかったのよね、ニコちゃん。」

 「はい...!」


 ただのTシャツだが細かくみるとわかる、これ着心地いいやつだ、そして着る予定の人はナイスプロポーションだ!!


 「あ、ありがとうございます!本当に...色々と...!」

 「いいのいいの。どちらも大切な人のためなんでしょ?また何かあったら私の店にいつ来てもいいからね!」


 ニコは涙を浮かべながら深々とお辞儀をした。



 「さて、そろそろ館に行こうか。今起きてる問題についても一応直接話をする必要もあるだろう。」

 「ああ、十分楽しめたよ....っていえば嘘になるかな。本当はもっと遊びたい。」

 「ははは...。」



 ドゴォーーン....


「「!?」」


 謎の爆発音。


 「行ってみよう!!」


 向かってみるとそこはロイヴィとアイの家の前。

 周りには倒れた兵、


 そして金属の体を持つ大きな竜がいた。

 竜の手には...アイが捕まっている!!


 「ガハハハ!!このような手緩い防衛じゃ我は止められんぞ!!」

 「な、喋った!?」

 「ぬ?誰かと思えば珍しい光景だな、まさか神獣候補が2人もいるとは。だが遅かったな、炎の魔人は頂いた!」


 2足歩行型の竜はなんと私達についても理解をしているではないか。


 「この娘の命が惜しくば研究所へ来ると良い、場所はヴィンの森だ!」

 「ヴィンの森!?」

 「では待っているぞ、グワーハッハッハ!」

 「待ちやがれ!!」


 止めようにもドラゴンは凄まじい風を起こすと同時に消えた。間違いない、今のは転移だ!!


 「アイが...アイが...!!」

 「ロイヴィさん!!」


 ロイヴィが流血した状態で起き上がる。


 「安静しろ!!」

 「お願いだ...アイを...助けてくれ..。」


 ロイヴィはただそれだけ言い残し気を失った。大怪我しているのに凄まじい気力だ、医療班はまだか!?


 「ご主人様、ここは任せてください!」

 「師匠!私が転移します!」

 「私も連れて行けキジコ!こうなった以上見過ごせない!」


 私達は急ぎヴィンの森へ向かうのだった。

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