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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
異世界参上編
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プロローグ

 あなたはどんなが趣味がありますか?

 料理、スポーツ、読書、ゲームやアニメに漫画、今の世の中様々な娯楽が存在する。


 この私、雉野小夏きじの こなつも趣味に没頭することが大好きな人間だ。

 今までやってみたのは漫画にアニメにゲーム、お絵描き、お料理お菓子作り、裁縫、ガーデニング、散歩にランニング、水泳ダイビング、山登り、釣り、ドライブ、映画や絵画の鑑賞、プラモデルやフィギュア集め、ファッション、旅行、食べ歩き、etc....コホン、とまぁ色々あるけど多分普通でしょ、うん。

  

「先輩、そろそろお昼にしませんか〜?」


 やや、もうそんな時間か。

 彼女は私の後輩の日菜ちゃん、いつも笑顔の可愛い子であり意外としっかり者。


 私と彼女は食品系企業で働いており、給料も結構いい額だから休日になると趣味に興じたり、たまに日菜ちゃん誘って色々連れ回したりもする。

 ちなみに以前さっきの趣味を言ってみたら途中で

 「いやいや、多すぎますって!!」とツッコまれたことがあったがきっとそうでもないはずだ うん。


 そんなわけで近くの食堂で昼食を終え、会社へ戻る途中に日菜ちゃんが


 「先輩、最近ちゃんとした休みとっているのですか?」

 「休み?ちゃんととっているわよ、この前日菜ちゃん連れて食べ歩きしたじゃん」

 「違いますよ、あまり何もせず家でぐーたら過ごさないんですか? いくら休日楽しんだって疲れちゃ意味ないですよ!」

 

 そうかなぁ、確かに休日はほぼ絶対趣味に没頭こそするけどそんな疲れてる感覚ないな...。

 

 「そんな疲れてるように見えるの?日菜ちゃん」

 「そこまでひどく疲れてるようには見えませんが、見えるか見えないとなると見えるになります。」

 「マジか」

 「先輩 結構綺麗な人なんですから、毎週休日あるとはいえしっかり休んで下さい。」

 

 先輩の私を心配するだと、なんていい子!コホン、しかしながらそう言われるのなら今度の休日素直に休んでみますかぁ、録画してる映画あるしちょうどいい。

 


 だがそうは至らなかった、なぜなら


 「危ない!!」


 通行中の男性が私達に焦るように呼びかけてきた

 なぜなら、暴走した車が猛スピードでこちらに向かってきていたからだ。

 そしてその方向は


 「日菜ちゃん!!!!」


 やばい、非常やばい、方向的に日菜ちゃんに衝突してしまう!

 咄嗟に私は日菜ちゃんを庇い避けようとしたが、その瞬間、ほんの僅かなこの時間になって気づいた。

 体が重い。動きづらい、妙に脱力感がある。気づくのが遅すぎた。私はすごく疲れていたのだ。


 結果、私は日菜ちゃんを別の方向へ突き飛ばしたのが精一杯、そして私は庇う形で暴走車に撥ねられたのだった。

 

 少し意識を失ったが目覚めても意識はあまり続きそうにもなかった。

 

 「先輩、先輩!!しっかりして下さい!!先輩!!」

 

 気づけば日菜ちゃんが泣きじゃくっていた。

 良かった日菜ちゃんは特に怪我はしていないようだ

 

 「良かった...日菜..ちゃ..怪我..してな...」

 「全然良くないです!!先輩、血が..血が!!」


 意識が朦朧気味だからか思ってるより怪我がひどいことに気づかなかった。つーか痛ぇ。死ぬなこれ。

 途切れ途切れの意識だからか見るたびに日菜ちゃんの泣きじゃくり度が増している気がする。

 

 「再来週....イチゴ狩り..できなくなっちゃったね..ハハ..」

 「できなくてもいいですからぁ!!死なないで下さい!先輩!」


 可愛い後輩をこんなに泣かせてしまうとは、本当に申し訳ない。

 あーあ、せっかく次の休日しっかり休むって約束したのにこのざまとは我ながら情けない、定期的にちゃんと休むべきだったと今考えても遅いか。

 

 「ごめん..ね..日菜ちゃ...ん」

 「嫌!嫌ぁ!! 死なないで下さい!先輩!!」


 あまりにも急であっけない人生だった。お父さんやお母さん、うちの上司はどうなっちゃうのかな、やっぱ悲しむだろうな。

 彼氏くんにも言う事....いや彼氏いねぇわ。畜生

 もっと言う事あるのだろうけど思い付かず、結局私の意識はそこで途切れてしまった。あっさり死んでしまった。


 もし来世があるなら、日菜ちゃんとの約束が守れるようでありたいな...。


 


 「なら約束守れるようにしてあげようかい?」


 ん、誰だ?急にはっきり知らん声聞こえてきたぞ。死後だと思うが妙だな。

 でも答えてみる


 「お願いします」

 

 すると、急に目の前が明るくなった。...ってここどこだ。

 なんというか、豪邸の庭園のような所に私はいた。

 そして庭園とかで見るような椅子に私は座っていて、前のテーブルには紅茶とお菓子が置いてあった。庭園とかで見るようなとか思ったがよく見ればそれよりもかなり高級感溢れていた。

 

 「あらぁ、おはよぉ〜」


 さっきと同じ声が後ろから聞こえてきたが、よく聞けばこれ男の声だ。んでもって

 

 「ああごめんなさいっ、急にこんな所くれば混乱しちゃうわよねェ」

 

 オネエ口調だ。おそらく死んで初めて聞く言葉がまさかのこれである。

 だが後ろからきた男は、見た目オネエ要素ゼロ、180cm前後の爽やかハンサム男だった。

 「えーとすみません、ここは...どこなんでしょうか..?」

 「ここ?一応死後の世界よ」

 「やっぱり死んだのですね、私」

 「あらぁ、結構スッパリ認めるのね」


 そりゃあんな事故くらったんだ。我ながら後輩と少し話せたのでも十分奇跡だと思ってるくらいだ。

 

 「いえ、てっきり死ぬと閻魔様とか天国地獄とかそういうところに行くのかと。」

 「ああ!閻魔ちゃんの所から連れてきた事言ってなかったわね!」

 

 え?連れてきた?つーか閻魔「ちゃん」だと...?


 「あなた、未練がやったら強くてねぇ、おまけに死後の世界で休ませるにもやたら活気あるし、その未練のせいで何起こるか分からなくってねぇ」

 「私、向こうで何かしましたっけ..?」

 「いえ、何もしていないわ。でもその未練の影響かしら、閻魔ちゃんのいる部屋に行っても目覚めなかったの。」

 「どうりでここで急に目覚めたって感じなんですね..」

 「そうよ 彼女、代替わりしてそこまで時間経ってないだからあなたみたいな稀なのは私が引き受けたってわけ」

 「閻魔様も代替わりとかあるんですね...。」

 

 しかしそうなると気になる事がある

 

 「ちなみに私はどうなるのでしょうか...?」

 「あなた?....そういえば閻魔ちゃんからあなたの名前聞いてなかったわね..。」

 「雉野小夏きじの こなつです。」

 「じゃあキジコちゃん、今後の事言うわね」


 キジコ!?いきなりなんだそのあだ名!?そして忘れていたことがあった

 

 「思えばあなたはどちら様なのでしょうか?」

 「あらやだごめんなさい!すっかり忘れてちゃってたわ!」

 

 色々ありすぎてほぼほぼ最初辺りで聞くべきことを聞いていなかった...。だが帰ってきた答えは

 

 「ワタシはディメン いわゆる神様ってやつよ。」

 「はい!?」 

 

 いや冷静に考えてみりゃ閻魔様の所に行って私(の魂)連れてくるような人?だからそこまで不思議でもないか うん。

 

 「話がそれちゃったわね、それじゃキジコちゃん、今後のあなたなんだけどね」

 

 迷惑かけちゃったから地獄かな..ゴクリ..

 

 「転生してもらうわ」

 「ふむふm...ふぁっ!?」

 

 は!?転生!?いやまさか来るかなという気持ちあったけどもマジで来る!?

 「まぁ驚いちゃうよね、でも実際案外これが善なのよ」

 「そう..なんですか?」

 「ええ、さっきも言ったけどキジコちゃん、あなたは未練とかが強すぎるから転生後の世界で魂レベルで気楽に過ごしてもらいたいのよ。」

 そんなにひどいんか、なんかごめんなさい...まてよ


 「そういえば私、何に転生するのでしょうか...?」

 「キジコちゃん?猫よ」

 「猫?!」

 「ああ、猫と言っても種族的には魔物よ。」

 「は!?魔物!?というか異世界確定なんですね!?」


 魔物なんぞ私の世界にはいない その時点で異世界転生確定だわ

 

 「ああでも向こうの世界では魔物は確かに討伐対象になったりするけども、キジコちゃんの世界のような動物としての扱いもする人もいるわ。」

 「討伐って時点で既に恐怖なんですが。」

 「大丈夫だぁいじょぶよ、安全な所に転生転移させるから! それにワタシとしてもゆっくりとした人生も歩んでみてほしいからね。」

 「猫になるのに人生なんですね。」

 

 その後色々神様ディメンと会話をしていたが話にひと段落つけた途端、私の体が光り出した。

 ああ、もうすぐ転生するんだ、この体ともさようならかぁ、ちょっと寂しいけど下手に未練ばっか残すのもアレだし素直に認めよう。

 

 「色々急だったけど向こうでも元気でね、キジコちゃん!」

 「まだ整理ついてない話もありましたけど色々ありがとうございました、神様。そういえば記憶とかどうなるのでしょう。」

 「キジコちゃんは特別ケースだし、向こうでただの魔物で死んでも意味ないから転生しても記憶は残ってあるわ。それとワタシから少しアシスト要素もつけておくからね♪」

 

 アシスト?まさかスキルとかあるパターンか。ちょっと楽しみだ

 

 「それじゃ、またね〜!」


 そして私は光に包まれまた意識を失った

   

  ......ん?「またね」だと?

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