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異世界アイドル活動記  作者: 三宅交流
26/48

6-1:オーディション:第二回戦

 ヘキサ・ステーズ 新規加入メンバー先行オーディション、二日目。

 無事に第一審査を突破した新藤衣瑠夏とモナコ・モナの二人は対戦相手であるスキュワーレが指定したオーディション会場へやってきた。

 この会場で行われる第二審査の対戦相手は、ヘキサスターズのリーダーであるスキュワーレ・ササマである。

 第一審査は参加者側のハンデとして、パートナー制と歌唱曲選曲のアドバンテージが与えられていた。

 しかし、第二審査においてはパートナー制で、スキュワーレに対して二人でアイドルバトルを挑めるのは継続されるが、歌唱曲選曲のアドバンテージは無くなっている。

 第二審査で、参加者およびスキュワーレに与えられた歌唱曲は『Start Star』。

 ヘキサスターズの代表曲ともいえる一曲である。

 歌唱曲によるハンデはスキュワーレにはない。

 むしろ、何度もライブで『Start Star』歌い上げてきた彼女の方が歌唱曲に関しては有利とも言える。


「選曲も含めて、今回はより実際のライブに近い形式でのオーディションってことなのよね」


 第一オーディションは、喫茶キサラギ・ステーションの2階に設置されていた特別イベントスペースであったが、今日の会場はキャパ400人程のライブハウスである。

 第二審査に進んだオーディション参加者は既にステージにあがって、スキュワーレの到着を待っている状況だ。


 第一オーディションの時はアイドルバトル審査員とスキュワーレしか観客がいなかったが、今日は合わせて数十名の観客がまばらに入っている


「あ、マホちゃんみっけ。やっほ~~、応援に来てくれてありがとうだよ~~」


 モナコの隣で、バイト仲間を見つけて衣瑠夏が元気よく手を振っている。

 ステージを見ている観客は、喫茶キサラギステーションで働きながらステージで輝くことを事を夢見るアイドルの卵達。

 そして、スキュワーレの口利きで招待された業界関係者である。

 カレンプロだけではなく、他のプロダクションの関係者までやってきている。

 まさに、アイドルとしての自分を売り出してアピールするためのステージがここには用意されていた。


「参加者のみんな、待たせたな」


 ステージの下手側から低音でしゃがれた声が聞こえてきた。

 唯一無二の独特な声は、アイドルとして最大の武器になる。

 このしゃがれた声が紡ぐバラードは他のアイドルの追従を許さない。

 しゃがれた声を聞いた瞬間、ステージに上がるオーディション参加メンバーの背筋が自然と伸びていく。

 下手側から現れたスキュワーレ・ササマはステージの上をゆっくりと歩き、吸い込まれそうに澄んだ翡翠色の瞳で、オーディション参加者達を一人一人見つめていく。


「みな、第一審査合格おめでとう。自分も、エリーゼと君らのアイドルバトルを見せてもらったが、君らのアイドルとしての君たちの実力は自分と戦うまでもなく充分であることはよく分かった。そこでだ、第二審査については選考方法を変えようと思う」


 ステージの中央に立ち、翡翠色の瞳が有無を言わせない圧力をもってオーディション参加者を射貫くように見つめている。

 突然の選考方法変更に、オーディション参加者はざわめく。

 皆、スキュワーレに勝つためにパートナーと手を取り合って、血のにじむような努力をして『Start Star』を仕上げてみた。

 それなのに、ここに来て突然の選考方法変更である。

 あるものはパートナーと顔を見合わせ、あるものは不安からパートナー同士で手を握り合っている。

 しかし、これで終わりではない。

 彼女たちを地獄へ突き落とす悪魔の提案が、スキュワーレから、しゃがれた声で告げられる。


「第二選考は、あたしではなく、君達パートナー同士でアイドルバトルを行ってもらう。つまり、パートーナー同士の一騎打ちである。そして、勝ち上がって最終選考に進めるのは、もちろん勝者のみ。敗者については、即刻この会場から去っていただく」


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