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終末的日常論  作者: 杉下 徹
prologue
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prologue

 たとえば、明日世界が終わるとしたら何をするだろう。

 大切な人と共に終わりを待つ、ずっと好きだった人に告白する、くらいなら美談で済むだろう。だが、やはり、中には殺人、略奪、強姦など、文字通り後の事を考えない私利私欲に走る者も出てくるだろうし、むしろそちらの方が多数派と予想できる。あるいは、その時を待つのに耐えきれず、自ら命を断つ者がいてもおかしくはない。

 いずれにせよ、終わりを目前にした人間はある意味で最も自由だ。法からも、様々なしがらみからも、良心からも、そして人という分類からも。

 だから、明日世界が終わってくれるのならば、と私は願う。終わりを知った時、きっとその時には私も本当に自由になれるのだろう。

 しかし、物事はそう上手くはいかない。もしも本当に明日世界が終わるとしても、きっと人々は、私はそれを知る事無くその時を迎える。

 結局、私が自由になる為には、世界の終わりの時を知るためには、それこそ神に祈る事くらいしかできなかったのだ。

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