表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界平定奇譚   作者: 新樹 百佑
第五章 反抗作戦
PR
51/66

ベティーナ出陣

 砦の外では既に戦闘は始まっており、ベティーナは魔族に追われてボロボロになった使者とすれ違う。


「後は……お願いします」


「了解した!」


 そしてベティーナは魔族が識別出来る所まで来た。


 上半身は人間と同じ、下半身が馬のケンタウルス達だ。


 簡単な魔法が使え、馬上の戦いに馴れていない者には厳しい相手だ。


 ならばとベティーナは馬を降りると尻を叩き、先に駐屯地へと帰す。


 ベティーナは馬の扱いに関してはあくまでも人並み、それなら降りて戦った方が良い。


 そしてベティーナは戦場へと走る。


 ベティーナに気付いて振り向いたケンタウルスは胸を槍で一突きにされる。


 そしてベティーナは次々とケンタウルス達を倒していった。


「ベティーナ殿に続け!」


 ベティーナの登場で迎撃部隊は活気付くと、徐々にケンタウロス達を圧倒し始める。


 その時、一陣の風が吹いた。


 ベティーナと対峙していたケンタウルスが手をかざすと更に風は強くなり、辺りが砂埃に包まれた。


 砂埃が晴れた時には既に、ケンタウルス達は遠くへと逃げていた。


「……良い引き際だ」


 その統率力にベティーナは手強い相手だと改めて思った。


 駐屯地へと戻ったベティーナは番兵から部隊長が呼んでいると聞き、部隊長のテントへと向かった。


 テントの中では既に作戦会議が行われており、ベティーナがやって来るとロバートは顔を上げた。


「おぉ、ベティーナ殿! 御活躍は聞きました。御助力感謝致します」


「いえ、その為に来ましたので。……状況はいかがでしょうか」


「うむ、補給部隊も増援部隊も魔族に襲われていたと見て、まず間違いない。王都側でどこまで把握しているか分からない以上、こちらから騎馬一個小隊を送るしかないだろう」


「その分この砦が手薄になる。と言う事ですね」


「さよう。だが砦建設も行わなければならない。伐採作業は今まで以上に危険かもしれないのでご注意頂きたい」


「了解しました。御用件は以上でしょうか?」


 ロバートの組んだ指が忙しなく動き始めた。


「じ、実はもう一つ。補給も次がいつになるか分からないので、その……お仲間の方にですね、食事の量を減らして頂くよう進言願いたい」


 言いづらそうな様子のロバートにベティーナは笑みをこぼす。


 確かに最初の頃と比べてクレアは我慢しなくなっている。


 昨日も『三人分働きましたから』と三人前は食べていた。


 確かにそれだけの働きはしているのだから作戦部隊としては断りづらいのだろう。


「それでしたら御命令下さい。部下の方もいらっしゃいますし」


 ロバートは周りの兵長達を見回す。兵長達は咳払いをしながら視線をそらした。


 ロバートはベティーナをもう一度見る。


 その目は真剣そのものだった。


「いえッ! ベティーナ殿達の活躍には皆、感謝しております。それにベティーナ殿の武芸には、ココに居る誰もが敵いますまい。……私も前回の王都武芸大会ではベティーナ殿と当たる前に敗退してしまいました」


「部隊を率いるには武芸の腕だけでは出来ません。遠慮無く御命令下さい」


「そ、そうですか」


 部隊長は居住まいを正した。


「ならばベティーナ殿に命令する。先の件、宜しく当たってくれ」


「了解致しました!」


 ベティーナは踵を鳴らし、敬礼するとテントを後にした。


「……美しい」


 ベティーナの容姿だけでなく、その所作や心の美しさをロバートは垣間見た気がした。


 部下達の視線に気付いたロバートは咳払いをして、手元の地図に視線を落とした。


 その耳は恥ずかしさのあまり、真っ赤だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ