生徒会の外部協力者的存在になったらしい。
おまたせしてすいません。久々の投稿で筆が全く進みませんでした。本当にごめんなさい。
模試とか夏期講習とかで忙しかったんです。べべべべべべ別にフェイトGOにはまってたわけじゃないんだからね!
……本当に申し訳ありませんでした。反省も後悔もしております。これからも頑張っていくのでよろしくお願いします。
人生というのはいつだって一方通行である。
時間の流れは決して戻ることはないし、過去も変えることはできない。だから、きっと自分の歩んできた道に後悔するものだっていると思う。こうしていればあるいはーー、そんなことを考えてしまうことだってある。
ならば、人生がゲームのようにセーブリロードできれば、それは華やかな人生になるのだろうか。答えは否だ。人生というのは自分で最良の答えを問い続けることだ。そしてもとめた解をもとに、人は歩み続ける。最低に下がないのと同じで、最良にもきっと上はない。だから、何回でも人生をやり直せても結局何も変わらないのだろう。
人生をやり直したいだなんて、それは今の自分への屈辱だ。過去の自分への冒涜だ。なぜ今や過去の自分を肯定してやれない。
だから、人生をやり直したいだなんて、俺は絶対にーー、
「はぁ、やり直してえ」
前言撤回。ものすごくやり直したい。というかこれ俺の人生じゃないしノーカンだよね。
神様がいるならやり直せるよう頼みたい。ついでに新原の性別も変えて欲しい。
俺は今、生徒会室の前にいる。こころなしか扉の奥からは何やら不穏な空気が漂っているような気がする。RPGでいうならラスボスフロア。職員室に続いて二つ目のラスボスフロアである。そんなゲームいらねえよ……。
「ここまで来たには逃げられねえ、か……」
一滴どころか微粒子レベルでも存在しているかどうかの勇気を振り絞り、生徒会室の扉をノックする。
返事はすぐ返ってきて、中に入るよう促された。声からしておそらく虚木生徒会長だろう。
「……失礼します」
「やあ、宮崎くん。ささ、そこにかけなよ」
「あ、ああ……」
爽やかな笑顔に無意識で会釈してしまった。本能的に相手が上だと判断したらしい。我ながら卑屈だ。
状況が分からずに周りをキョロキョロとしていると、篝と目が合った。なんでいるの……。
「よう和也。魔法戦ぶりだな!」
「お、おう」
なに無理矢理笑ってんだ俺。
やはり、真にリアルが充実した者は恐ろしい。いつもは妬ましく思っているのに、話してくれたりするとちょっと嬉しかったりする。なんなのあのブービートラップ。それで何度自爆したことか。
もう一度冷静に辺りを見渡してみると、篝と俺と生徒会長以外にもう二人。速水と一人の女の子がいた。
なんか速水はこっち睨んできてるが、まあ気にしなくていいだろう。イケメンに睨まれてもなんの需要もない。
「さて、みんな揃ったところで話をしようか。みんなはなんで呼ばれたかわかっていると思うけど……」
なにそれ知らない。というか聞いてない。
ふと、隣をちらっと見ると速水たちがうんうんと頷いていた。
……これって俺だけ知らない奴? この感覚は、中学生のとき風邪で欠席したらいつの間にか委員長になっていた時のそれと似ている。満場一致で委員長になったわけだが、『宮……こんな人と一緒にするなんてヤダよぉ』と、副委員長になった女の子が大泣きしたので結局変わった。最初の宮がなにを指しているのかは深く考えないでおこう。
「と、とりあえずわかってない人もいそうだから説明しておくね」
爽やか生徒会長とあろう者が顔を引きつらせてドン引きしていた。あの、なんでこっち見てるんですか? もしかして、なんでここにいるんだよアピールですか? そんなものとっくになれたんで効きませんよ? ええ、効きませんとも……。
「君たちには生徒会に入ってもらいたいんだ」
……はい?
いや落ち着け俺、まだ慌てる時じゃない。
多分聞き間違いだきっとそうだそうに違いない。
「一応聞くけど、なんでですか?」
「君たち『異端者』はこの学園でも貴重な人材というのはわかるね?」
「ええ。まあ、はい」
「…………」
ーー『異端者』。
魔法使いの中でも強力な固有魔法を有しており、異質な才能を持ったものを指す。
天性的なものがほとんどだが、後天的に身につくこともあるらしい。
世界でも二桁の人数しかおらず、『異端者』はこの学園の裏口入学が可能らしい。
「今、生徒会は人材不足で、あまり機能していない。だから、『異端者』である君たちには生徒会にぜひとも入って欲しいんだ。頼む」
「お、おい。顔を上げろって」
そう言って、生徒会長は頭を下げた。
いきなりのことにどうすればいいのかわからないのか、篝があたふたとする。
そして、目をつむり何かを覚悟したように頷いて、篝は口を開く。
「分かった。困っている奴がいれば見捨てられねえよ。俺は入る」
「……勇人が入るのなら。親友が入るのに俺が入らないのは格好つかねえ」
「右に同じく。私も入るわ。勇人は危なっかしいところがあるから」
篝が入ると言った途端、速水と女の子もそれに乗る。内輪ノリとかいう奴だろうか。
「お前は俺の母親か!?」
「誰がクソババアですってぇ!?」
「そこまで言ってねえよ!」
「いや、勇人。お前よく『あのクソババアが〜』って愚痴ってただろ」
……イイハナシダナァ、セイシュンシテルナァ。
篝の母親がクソババアっていう、いらない情報を聞かされるこっちの身にもなって欲しいと思う。
……まあ、こいつらが生徒会に入ってくれるのなら、俺は入らなくてもいいだろう。実際こいつら俺より有能そうだし。
「……俺は入らない」
途端、空気が凍りついたような気がした。生徒会長以外の全員が驚いたようにこっちを見る。
……あの、なんですかその目。もしかして『え……こいついたっけ?』とか思ってるんですかほんと傷つくんでやめてくれない?
「そうか……。残念だけど仕方ないね。強制するようなことじゃないし」
あの、なんか笑顔が怖いんですが。絶対入れようと思ってますよね? 速水たちは気づいてないみたいだけど、後ろに阿修羅を構えてるように見える。
生徒会長って化身だせちゃうの? 超次元サッカーでもしちゃうの?
「……せ、生徒会には入りましぇんけど、た、たまに手伝うとかなら別にいいでしゅよ!」
この時、生徒会長は物凄くイイ笑顔だった。俺に冷静な部分が残っていればこう思っていただろう。……ああ、終わったな、と。
***
「へぇー、それは災難でしたね」
モグモグと口の中に肉じゃがを頬張りながらシュテンバルトは言った。
学校が終わり、いつものように家へ直行するとシュテンバルトが待ち構えていた。何があったのか根掘り葉掘り聞いてきたあげく反応は他人事である。
「おい、俺のおかずを取るんじゃねえ」
「だってこれ美味しいんですもん。今なら完全記憶能力を持ったシスターくらいに暴食になれるような気がします。ところで、なんでこんなに料理が上手いんですか?」
「将来結婚できなさそうだから家事を極めた。以上」
言ってて悲しくなってくるが、俺みたいな奴は結婚できないということはもう自覚している。下手な期待を持つのは、十二回目くらいの嘘告白の時に止めた。
「たはは、理由が悲しすぎますね。どうですか、私にもらわれる気はありませんか」
「いらん」
「即答!? 私ってそんなに魅力ないですかね!?」
「魅力なんてどっかのイケメンにでも食わせとけ。俺くらいぼっちを極めると正直彼女欲しいとか思わない。というか独身の方が気楽でいいだろ」
ほら、彼女に時間とか金とかかけるのは面倒だし?
べっ、別に彼女が欲しいとか思ってないんだからねっ!
「それで、生徒会の件でしたっけ? 気をつけてくださいね。あの人結構厄介ごと持ち込んできますから」
「分かった、気をつけておく」
それきり会話は終わり、食卓では静かな空間が広がっていた。
シュテンバルトはうるさい奴だが、こうして改めて見ると黙っていればかわいい奴だと思う。黙っていれば。大事なことなので二度言いました。
でも恋愛対象にはなりえない。だって俺中身大学生ですし。ロリコンじゃないですし。
「ごちそうさま……。あ、そうそう和也さん」
「あん?」
「もう夏ですし、今週末に海にでも行きませんか?」
「嫌だ。暑いし怠い。家でゴロゴロする予定があるしな」
こんな暑い時に外に出るとか本当に気でも狂ってるんじゃねえの。というかなんでわざわざリア充の巣窟に行かないといけないんだよ。
「それ絶対に予定じゃないですよね!?」
「いいかシュテンバルト。予定ってのは読んで字のごとく予め定めておくことだ。俺は今週末はゴロゴロすると予め定めておいたから予定にだってなっていいはずだ」
「……確かに。……ハッ、騙されるところでした。かずやん、恐ろしい子!?」
……かずやんって誰だよ。いや、そんなことより頭に響くから隣で騒がしくしないでもらいたい。はぁ、仕方ねえな。
「……分かったよ。お前にはいつも世話になってるし」
「え、マジでいいんですか!?」
「おう、いいぞ。遠慮しないで行ってこい」
「はい! ……あれ? 一人で行ってこい的なニュアンスだったのは気のせいでしょうか?」
その後、俺の抵抗も虚しく結局一緒に行くこととなった。今日はもう寝よう。色々と疲れた。
さて、久しぶりの投稿なので書き方に違和感を感じたかもしれませんが、いかがだったでしょうか。書き方変わってたらもう死活問題ですね。それでも失踪したくないですが。失踪だけは免れないといけませんよね。自分が言えたことじゃないですけど……。