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resist  作者: 望月かざね
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戦闘、城壁

お久しぶりです。これからはもう少し更新速度あげていきます。

頬を、いや全身を吹き抜ける風を感じながら馬に揺られること数時間、俺はまだ王都の城壁を確認出来ずに居た。

やはりこの世界には工業技術は元居た世界ほど発展してはいないようだ。布を作ったり、皮を加工したり出来るがすべて手作業らしく、特に鎧や衣服は値を張るようだ。建築も石造りにものは少なく、大概の家や倉庫は木で造られている。

俺は手綱を緩く持ち、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んで今まで感じたことのなかった空気の美味しさを楽しんでいた。元の世界より環境破壊もなく、自然も豊かで空気を汚す機械も、工場もないのだ。 

そんな風に馬に揺られていると、馬が急に立ち止まった。手綱を持ち直し、手前に引いてみるも微動だにしない。そう思うと馬の視線の先に小さな影を捉えた。各々に短い剣や、棍棒などを持った小さな影が五つあった。

「あれは、ゴブリンか…?」

馬の身体に取り付けていた槍を抜いて臨戦態勢に入る。ゴブリンと言えど意思を持った生物だ、油断していては負ける。ゲームのように殺されても生き返ることはない。

槍の真ん中あたりを右手で握り一番先頭にいる短剣を持っているゴブリンに狙いを定めて馬を蹴る。一気に加速して、ゴブリンへと疾駆する。横へ転がり馬の突進を避けたゴブリンの脇腹に槍の穂先を突き立てる。上手く骨の隙間に入り、深く突き刺さった。しかし深く刺さりすぎゴブリンの横を抜ける際に落としてしまった。

腰にロングソードを差してはいるが、俺では上手く扱えず棒振りのようになるのが目に見えているが、その鞘から抜き放つ。銀色の刀身はよく磨き抜かれており、太陽の光を受けて眩しく輝いている。もう一度馬の身体を蹴り突進する。するともう一体短剣を握っていたゴブリンが前へ駆け出してきて馬の前足を切りつけた。顔から地面へ飛び込むようにして倒れた。俺は身を投げ出され背中から地面に着地した。打ちつけられた痛みはそれこそあの醜悪な巨人に弾かれるほどの痛みではないが俺の顔を歪ませ、悶絶させるには充分な痛みだった。その隙をついて棍棒を持ったゴブリンが棍棒を俺目がけて振り下ろす。咄嗟にロングソードを構え棍棒を防いで、そのまま押し返す。立ち上がり、剣を振り回す。息を整えてまずは棍棒を持ったゴブリンへと切りかかる。

剣を振りかぶり、まっすぐゴブリンの頭上へ振り下ろした。しかしそれは棍棒に阻まれる。そしてその防いでいる間にゴブリンの腹を蹴ってよろけさせた瞬間、ゴブリンの喉笛に剣を深く突き刺す。そして抜いている最中に左から来た短剣を構えたゴブリンに左腕を2度切り付けられた。切り傷は浅くてもかなり動きを鈍らせる。鈍痛はすぐがになくなるが刃物による鋭い痛みはかなりの時間痛みを感じさせる。その一瞬の隙に足を切られ、背中を切られた。

俺は膝をついて左腕の傷を抑えながら俺は立つでもなく剣を振るでもなく、体に宿す熱を感じながら叫んだ。

「来い!オーガ!」

もうこれに賭けるしかなかった。

しかしオーガが現れることはなく、一瞬怯んでいたゴブリン達も武器を構えなおしてこちらへと迫っていた。

ナイフを持ったゴブリンが腕を振りたその刹那、俺の横を大きな影が駆け抜けゴブリンを攫って行った。

その影の正体は大きな体に、引き締まった筋肉、腰に布を巻いており、その大きな手の下には、頭を潰され大の字になっているゴブリンだったものがあった。

そしてオーガは次々とゴブリンに飛びつき、殴り、蹴り、引き千切り、ゴブリンの集団を蹴散らしてしまった。俺は呆気にとられて座り込んだその場から動けずにその惨状を眺めていた。


しばらくして、体力が戻り、馬を召喚しなおしてオーガと共に王都へと向かう。

わかったことはオーガは戦闘にならないと呼べないということ。これはゲームの設定が色濃く残されているようだ。

馬は攻撃されたら消える。オーガはただの人間の俺よりはるかに体力もあるし筋力も桁違いだ。ゴブリンからは多分、犠牲になった人の持っていた硬貨やペンダントが見つかった。

馬に積みきれなくなった荷物はオーガに持ってもらって、なおかつオーガには歩いてもらっている。

オーガは涼しい顔で担いで歩いている。

「オーガさん、その、重くないですか…?」

「…」

ずっとこの調子だ。指示すれば動いてくれるが、返事はない。

そろそろ話し相手が欲しくなってきたところで、遠くに揺らぐものが見えた。

それは少しずつ鮮明に、そして次第に大きくなってきた。

「城壁だ!」

思わずそう叫んだ。

そして数十分もすると城壁の下に到着した。しかし城門が見当たらずしばらく壁の周りを歩いていると、大きな扉が見えた。城門は開いており、扉の下には鎧を着た衛兵がいた。

俺は手綱を握りなおして、城壁内へと進んで行った。


読んでくださりありがとうございます!

ここから話が盛り上がっていきますので、次回もよろしくおねがいします。

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