呼び出し、そして…
「いきなり呼び出したりしてごめんなさい」
僕らは学校のすぐ横の通路に来ていた。
「いや、そんな…」
一体これからどんな話をされるんだろう。まさか告白なんてことはないよな…話したこともないし
「一色くん、」
そこで彼女は言葉を止めて僕をじっと見つめた。心臓がなりっぱなしだ。なんとか止まってくれ、落ち着け。
「………」
沈黙があまりに長いのでしかたなく話を促すことにした。
「あの、どうかした?」
すると彼女は視線を下に落として一言一言確認するかのように話した。
「一色くんは、私の、パーソナルカラー、知ってる?」
「え、?」
「私のkara-ringの色よ」
「どうして僕が知ってると思うの?」
「登校した初日に見られたからよ」
彼女には全て見えているのだろうか。普通、人の視線がどこに向いてるのかなんて分かんないだろ。
「…」
「見たんでしょ?」
「…」
「ねえ、見たんでしょ?」
「…」
「見たんでしょ!!」
「あ、ああはいい、み、みましたごめんなさい!」
「最初からはっきりそう言いなさいよ」
なぜ怒られなければならないのだ。
「なんでおこられないといけないのか分からないって顔してるわよ」
彼女はエスパーか?
「み、見たからって何なの?べつにどうだっていいじゃないか!」
「よくない。よくないのよ。」
「パーソナルカラーは見られて困るようなものじゃないだろ?なんでよくないんだ?」
「あなたも察しがついてるのではなくて?」
「!」
確かに思い当たるフシはある。あるがあれは俺の見間違いじゃなかったのか?
「ついてるのよね。そうよね。」
彼女はそのまま何事かを考えてる風に下を向いてしまった。
「やっぱり彼にするしか…」
「何か言った?」
「なんでもないわ。」
「そ、ソウデスカ」
困ったなあ…どうしたらいいんだろう。
「困ってるのは私の方よ。そんな顔しないで」
だから彼女はエスパーか。それとも僕の顔はそんなに表情豊かなのか。そうなのか。いや違うな。
「とにかく、知ってるのね?」
「まあ…」
「そう…じゃあ、しょうがないわね」
「あなた、これから私と一緒に天才になりなさい」
え?