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待ち望んだ、非日常?

 わ、忘れていたわ。ついカラオケ行けることにテンションが上がりすぎてすっかり私の目的を忘れていたわ……。

 おかげで、休み時間も昼休みもウキウキしすぎて結局帝院君に話しかける余裕なかったし……。

「い、いえ!! まだよっ! これからカラオケに行くんだし、まだまだ話しかける機会は腐るほどあるわ!! ファイトー、ワタシィイイイイイイイイイイイ!!」

「中田さんどうしたの?」

「大丈夫、大丈夫。ほっといたらおさまるから」

「治りはしないんだ……」

 前を歩く女子グループに紛れた澪から失礼なことを言われた気がするが、今は気にしない。気にしな行ったら気にしないッ!!

 私たちが歩いているのは、私たちが登校の時にいつも通る裏門とは、真反対にある正門から出る道。今は夕日に染まり若干オレンジがかって見える。

 この道は国道へとつながっており、そこに面した色々なチェーン店が立ち並ぶ一角へとつながっている。

 そこを歩くのは私たちのクラスメイト達10人程度。他の人たちも来たがったみたいだけど、用事やら部活やらで断念したらしい。

 とはいえカラオケボックスに入るにはけっこうな人数だ。いくつかのボックスに分かれるなら入れるだろうが、それでは歓迎会の意味がないし……。本当にこんな人数は入れる場所あるの?

「というわけで聞くんだけど、こんな人数はいれんの?」

「ふっ。俺を誰だと思っている!! 場所のリサーチに抜かりはねぇぜ!! きちんと店に電話かけて確認も取ったもんね!!」

「よっ、流石ショウジ!」

「手抜かりねぇな!!」

「勉強でもこれくらいできたらね……」

「ちょ、待てよ、お前ら!? 期末も中間も来てないんだから、俺の正確な成績なんて知らないだろ!? なんでいきなり成績が悪いみたいに扱ってんだよ!?」

 ショウジ君の後ろを歩いていた男子たちからは笑い声交じりのヤジが飛び、そこに紛れ込んでいた帝院君も、ケラケラ笑いながら食って掛かるショウジ君をからかっていた。

 くっ……。なかなか一般人に紛れるのがうまい……。こういう漫画に出てきそうな非日常系主人公は基本的に大人びていて、この世代の学生たちのバカ話なんかは一歩引いたところで微笑みながら見ている物なのに……。

「ふっ……なかなかやるわね。これは組織からかなりの訓練を受けたものと見えるわ」

「組織もクソも関係なしに、あいつが一般的な学生だという可能性は最初からあんたにはないのね……」

 戦慄する私に対し、その後ろを歩いていた澪が何か言ってくるが、男子たちの笑い声に紛れてよく聞こえなかった。

「ねぇ、中田さんってもしかしてあれ?」

「もしかしてって?」

「中が二つの病気?」

「ん? そうよ、中中病」

「なかなか? あぁ、中が二つで中……」

「付き合うの大変じゃない?」

「別に~。慣れれば面白いわよ? 愛玩動物としては」

「「「あぁ~」」」

 その会話ははっきりと聞こえたんだけど、澪……。私もうあなたの中では人間扱いすら受けられないの?

「ほら、あそこあそこ!」

「あ、ほんとだ。宴会OKって書いてる……」

「団体十名様までオッケ~か。ギリギリじゃね?」

「安心しろ! 歌って踊れるスペースぐらいあるのは確認済みだ! パンフレットで!!」

「あれって写真より狭い時あるよな……」

「あ~、あるある。あれ見たときの失望っぷりといったら」

「あと、チラシにのっている料理を美味しそうと思って頼んでみたら実物はそんなに美味しそうじゃなかったり……」

「バッカ! あんなもんカラオケじゃなくてもたいていそうだろうがっ!!」

「あんた達パンフレットに何の恨みがあるの!?」

 突然パンフレットに対する不満を漏らし始めた男子勢にドン引きする私に、後ろで待機していた澪は小さく苦笑を漏らしつつ、私たちに店に入るように促した。

「そんな雑談してないでさっさと入るわよ? 少しでも多く歌っておきたいし……それに」

 ん? どうしたの? と、不自然に言葉を切った澪を不審に思った私がそう尋ねかけたとき、

「変な人もついてきているみたいだしね?」

 澪がそう言って突然振り向くと、そこには髪を異常な桃色に染めた大学生ぐらいの女の人がっ!

「っ!?」

 私たちが振り向くのに反応して、あわてた様子で細い電柱に必死に隠れようとしているところだった……。

「え? 何あの痛々しい人?」

「っ!?」

「そして澪は、なんでそんな哀れなものを見る目であの人を見るの?」

「いや……。あんたに痛々しいなんて言われるなんて、あの人がかわいそうで、かわいそうで」

「ケンカ売ってんのね、そうなのね? いいかげん私も我慢の限界だよ?」

「だったら病気治しなさいよ?」

「だが断る」

 キリッ!! とした顔で決意表明する私に三白眼を向けつつ、澪は電柱に隠れようと必死に身を縮めている女性に話しかけた。

「あの、何か御用ですか?」

「ふふふっ……私の隠行を見破るとは、なかなかやる……」

「さ~、みんな。中に入りましょ? あとはさっき呼んでおいたお巡りさんが処理してくれるわ」

「ま、まって……警察沙汰はさすがに待って!!」

 こいつ、私以外の人にも通常運転なの!? 

若干コミュ障の気がある私は思わず男子たちの背中に隠れてしまったのに対し、わたしを馬鹿にするときのような態度で女性をいたぶる澪。その姿に私は戦慄を禁じ得なかった。

 だが、その女性の正体は意外とあっさり判明することになる。

「ね、姉さん!? 何してんだこんなところで!?」

 顔を真っ赤にして帝院君が怒声を上げて、その女性に掴みかかることによって……。

「あ、ライ君! ち、違うの! これはべつに今までモテたためしがないライ君が、なれない女の子連れでなんかヘマしないか心配だったんじゃなくて、ライ君が組織に関して話さないか心配だっただけで……」

「漏れている!! 万が一にもその与太話が本当だったとしても、姉さんあっさり漏らしているから!! あと、女の子に縁がない生活は誰のせいだと思ってんだ!! あんたが俺の髪を定期的にこんな不思議カラーに染め上げるせいだろうがっ!! つーか組織ってなんだよっ!?」

「ふふっ!! 隠したって駄目なんだから。続く夜遊び、昨日うちに運び込まれた傷だらけの女の子。空から降ってくる青い宝石。……これはすべて、あなたが何か不思議な事件に巻き込まれていることを指し示して……」

「ねーよっ!! 昨日一日普通に過ごして、一片たりともそんな事件起こってねーよ!! つーか連れ帰ったのは捨て猫だろうがっ!!」

「じ、実は今朝ライ君が起きたときに、ベッドにもぐりこんでいた猫が人間になっていたのよ!!」

「昨日拾ったネコは、俺のベッドに潜り込んだりしてなかっただろうがっ!! リビングで震えながら寝ていたから、もう一度炬燵出すかどうか家族会議開いただろうがっ!! ほんと、割と真剣に聞くけど薬決め込んでないよな、姉さんっ!! 幻覚見てないよなっ!?」

「ちょ、失礼なこと言わないで! わたしが飲んでいる薬っていったら、睡眠薬ぐらいなの知っているでしょ! 大学の先輩にいただいた『飲むと気持ちよくなれるよっ!!』って評判のっ!!」

「それもう明らかに、ヤバめな薬っぽいだろうがぁああああああああああああああ!! えぇ!? マジなの!? マジじゃないよな、姉さん!?」

 どうやら帝院君のお姉さんと思われる人と、帝院君が喧嘩を始めるのを見て、私と澪以外のクラスメイト達はぽかんと口を開けて突然の事態に氷結していた。

 まったく情けない人たちね。私みたいに常に事件に巻き込まれるシミュレーションをしていないから、こういった事態に動けなくなるのよ。

「そんなシュミュレーション常にしている学生だらけの学校って、めちゃくちゃ嫌なんだけど……」

「え? でも澪は固まっていないじゃない?」

「あんたで耐性がついたからよ」

「私と、あの頭の中常時春っぽい人が同列と申すのか!?」

「自覚がないのがなお悪い……。とりあえず、帝院君? そちらの方はあなたのお姉さんということでいいの?」

 澪の質問に、ガックンガックンお姉さんを揺らしまくっていた帝院君はようやくこちらを振り向き苦々しい顔で頷いた。

「あぁ、残念ながらこの人は不肖俺の姉……いまだに中二病から卒業できない残念姉貴の」

帝院鎬(みかどいんしのぎ)よ! シノちゃんって呼んでね!! ライ君皆さんに迷惑かけたりしていない?」

 ペロッとかわいらしく舌を出す姿は、顔自体はかなり整っているためか、髪が桃色なのに目をつぶれば非常にかわいらしく、ともすれば私たちと同い年ぐらいの少女に錯覚してしまうほど若く見えた。当然、男子たちがそんなかわいらしい人を見逃すわけもなく、

「うをぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!? きたっ! 天然系美少女キタァアアアアアア!!」

「ちょっと変だけどあの可愛さの前ならそれも許されるッ!! というわけでお姉さん、僕とお付き合いを……」

「ばっ!? なに抜け駆けしてんだテメェらッ!! ちょ、こんな非道な奴等よりも俺と、俺とお付き合いしてください!! 俺かなり誠実ですから後悔は絶対させません!!」

 ギャーギャーお互いを罵り合いながら、ピラニアのように鎬さんに群がる男子たちに、私たち女子は白い視線を向けた。

「ちょ、お前らやめろっ!! 考え直せっ!! まだ人生を棒に振るのははやいから!!」

「ライ君!? 自分のお姉さんに対して流石にそれはひどいんじゃない!?」

「黙れっ!! そして可及的速やかに帰ってくれ!!」

 そんな男子たちと抗議するお姉さんに挟まれてかなり衰弱しつつも必死に反抗する帝院君が、どことなく哀れに見えた……。

「え~っと、結局そのお姉さんはここに何をしに来たんだ?」

 そんな男子たちの中で、唯一鎬さんにアプローチをかけなかった大木君が鎬さんにそう尋ねる。

 鎬さんはその質問に少しだけ帝院君へ視線を走らせたあと、

「えっと、弟がクラスで馴染めているか心配だったし……。さすがに初日で銀髪はなかったかな~と思って。うん、反省しているの」

「姉さん……」

「やっぱり初めは黒髪の効果に使われるけど、絶対黒髪じゃない藍色あたりに……」

「あんた反省の意味わかってんのかっ!?」

 私が最も聞きたくなかったセリフをあっさりと言ってくれた。


…†…†…………†…†…


「さて、夢破れちゃった優子ちゃんは一体全体何を歌うの? 私はとりあえず応援の意味を込めて『水○黄門のテーマ』あたりを歌ってあげるけど?」

「うん……『負け○いで』で」

 その不屈の精神は尊敬に値するね~。と、へこむ私にちょっとだけ失笑を浮かべながら、リモコンを操作する澪。割と真剣に、なぜ自分がこの子と友達なのかわからなくなった瞬間だった。

 鎬さんインパクトが起こった後、せっかく来たんだしと私たちは鎬さんも入れて11人でカラオケボックスへと入っていった。

 用意してくれていた部屋は十人用だったので、ちょっとだけ手狭になってしまったが、それでもまだまだ十分広い。流石は宴会可能なカラオケボックスだ。

 ちなみにその鎬さんはというと、

「ライ君、ライ君!! みてみてっ! 今期やっていた《天文魔法少女・アリストテレス》の主題歌がもう入ってる!!」

「魔法少女なのか学者なのかどっちかにしろよ……。というかそれ明らかに少女の名前じゃないし」

「なにいっているの、ライ君。最近の業界はもう名前が使われすぎていて新しい名前を作るのが大変なのよ? 戦隊モノとか見て見なさい。今季の戦隊モノは《爆砕戦隊・コワスンジャー》よ?」

「ダセェ云々以前の問題じゃね、それっ!?」

「それにしてもライ君とカラオケくるなんて久しぶりね? ライ君はどれ歌うの?」

「とりあえず知っているやつ突っ込んでる。次歌うのは『縋る海峡冬景色すがるかいきょふゆげしき』」

「……ライ君、アニソンとは言わないから、せめてもちょっと新しい歌うたおうよ」

 どうやら私と似通った趣味をお持ちなようで、先ほどから深夜アニメの主題歌やエンディングばかりをチョイスしカラオケの機械にぶち込んでいる。

 その隣では帝院君が疲れ切った顔をして、適当に目についた曲を予約していた。

 そこには非常に仲のいい姉弟関係が見て取れる。いまどきあの年齢に至っても仲のいい姉弟というのは珍しい気がするわね。

 まぁ、だからこそ気づかれないように髪を染めるなんて暴挙に出ても、許してもらえるんだろうけど……。

「はぁ~。本当にただの悪戯だったなんて……。ひどいわ、現実。私が何したっていうのよ?」

「いいいかげん私を見て! って言う現実からのメッセージなんじゃない?」

 なにそれキモイ? というわけで私はクールに断る!!

「それでも私は非日常がほしい」

「あんた……ほんといいかげんに目を覚ました方がいいわよ?」

「私が常に夢心地とでも言いたいの?」

「え? 自覚なかったの? お医者さん呼ぶ?」

「なんでいっつもそっち方向に持っていくの!? 同じネタ使うと飽きられるんだよ!! いじられる私だって飽きるんだよっ!?」

「だったら、目ぇ覚ましなさい」

「常に私が夢心地だとでも……って、ループっ!?」

「目を覚ますまで、ヤ☆メ☆ナ☆イ♡」

「何その刷り込み教育!? やめて、ただでさえ学校の暗記科目を覚えるので頭がイッパイイッパイなのに、これ以上詰め込まれたら脳が破裂……」

「次……丸子のバスケのEDでデュエットしなきゃダメなんだけど、デュエットしてくれる人いる?」

「ハイハイハイハイ!! やります、やります!! わたしそれソラで歌えます!!」

「……………」

 あ、あれ? なに? 澪から物凄く冷たい視線を感じるんだけど!?

 と、わたしが不満を漏らしながらも、結構楽しく鎬さんとアニソン三曲をデュエットしたときだった。

 プルルルルルルルル! という音が部屋の中に響き渡った。私はあわてて携帯を確認するが、ほかのメンバーたちはより正確にその音の発生源を聞き分けたのか、さっと壁に取り付けてあったカラオケ屋の内線へと視線を向ける。

「ん? 時間か?」

「え? そりゃないだろ!? まだ二時間ぐらいしか歌ってないぞ?」

 帝院君が大木君に尋ねたが、大貴君は大きく首をかしげつつ内線の受話器を取った。それはそうだろう。何せ私たちが契約したコースは時間無制限のフリーコース。極論しちゃえば朝まで歌おうぜでも全然問題なかったりするコースだ。そもそも内線を鳴らされる方がおかしい。

「不手際かしら?」

「バイトの人が失敗したんじゃない? 私もここで働いていた時あるけど、伝票混ざっちゃうと結構大変なのよね~」

 私が首をかしげた横で、女子生徒が一人苦笑いを浮かべる。うん、とても説得力のある予想だとは思うけど、うちの学校基本的にバイトは禁止なんだけどな……。

 私は隣に座っているクラスメイトに「あれ? 意外と不良?」と思わず漏らしてしまい、

「失礼すぎるでしょ!? ちゃんと許可もらってるって!!」と怒られながら、内線がどんな用事なのかを聞き耳を立てる。

「はい、こちら101号室です。え? あ、はい。はい。わかりました……。すぐ帰ります」

 内線で店員さんと大木君が話を続けていくと、どんどん雲行きが怪しくなっていく。どうやら内線の内容は、私たちに帰ってくれといっているような内容のようだった。

 え? え? か、帰る? 不手際とかじゃなくて、追い出されかけているのわたしたち!?

 何か悪いことしたかな? と、あわてて視線を合わせる歓迎会メンバーたち。その中で微動だにしない、私にロックされた澪の視線……。ほんとつくづく失礼なやつだ。

「それでも私はやってない!!」

「何も言っていないんだけど?」

「目は口ほどにものを言うっていうでしょ!?」

「そう、つまり言われるような何かをしたという自覚はあるのね?」

 Gj話卯;んガン五庵wsんげアm・:ア¥:!!

「お前らいいかげんにしろ……。そして中田、落ち着け。地球上の言語で頼む」

 いいいかげんキレた私が、澪に向かって怒声を上げるのを割って入るように止める帝院君。そうこうしているうちに通話が終わった大木君が、若干苦笑を浮かべつつパンパンと手をたたいた。

「悪いみんな。今すぐ帰るぞ」

「いきなりそれはないでしょ。なにがあったの?」

 その発言で私たちはやはり追い出されたのだと理解した。澪はその事実を知るや否や、若干不機嫌そうな声音で大木君に疑問をぶつけた。それはそうだろう。先ほどあんなことを言ってはいたが、わたしに限らずこのメンバーに追い出されるような行為をした人間はいない。そんなことは自称常識人となった彼女が一番よく理解している。だからこそ、カラオケボックスの信じられない対応に、若干の憤りを感じているらしかった。

そんな彼女を落ち着かせるかのように、大木君はほんの少しだけ笑った後、

「いや、大したことじゃないよ。ただ、どうもこの近くで《殺人事件》が起きたらしくて……。犯人はまだ捕まっていないから、学校の方から生徒が来ていたら早急に帰してくれって連絡が入ったんだってさ」

 殺人事件。

 私が愛してやまない非日常に準じる事態。

 だが私の血の気はその言葉を聞いた途端一気に引き、わたしの顔を真っ青にした。

 私、中田優子――自慢ではないがホラーやラスプラッタ系のお話は大の苦手な女子高校生だ。


…†…†…………†…†…


 はい、もしもし……ってまたあなたですか。

 はい? あいつが? 出撃したって……なんで止めなかったんですか? 《神速剣鬼》さんか《死刑判決》に任せておけばたいてい解決したでしょうに。

 なに? テストを兼ねる? はたして前線組に入れて大丈夫かどうか確認するって……あのですね、仮にも俺が俺の代わりになれると保証した能力者ですよ? なんでわざわざ確認する必要が……。

 って、まさか……裏から試験官が糸を引いている試験とかに、憧れているからとかじゃないですよね?

 そんでその試験をクリアされて「なかなかやるようだな……だがまだまだだ」とかいって、試験の様子がモニターされた暗い部屋で、ほくそ笑みたいからとかそんな理由じゃないでしょうね? 俺の能力のおかげで殺人未遂に減刑されたとはいえ、仮にも人が一人被害にあっているんですから、そんなふざけた理由じゃありませんよね?

 ……なんで黙り込むんですか、ねぇ? はっきりと答えて……ってあ、ちょ!?

 切りやがったあの人……。絶対あれ図星だったな……。


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