第一章(4)「魔物との戦闘」
「ガルルァ!」
ハウンドが西門にいるアレンたちに気づき牙を向いて襲ってきた。
「行くぜ、くらいな!」
俺はそれらをものともせず疾走しながらハンドガンのトリガーを引く。
”ストライクバレット”銃口から黒の弾丸が火を噴く。
先頭にいた一匹は牙を向く前に弾が喉笛を貫き倒れた。次の二匹目はすれ違いざまに胴体の上に銃を突きつけ発砲。残りの三匹は飛び上がっての乱射した弾が頭蓋ごと貫いた。一瞬の出来事だった。
「オラオラ!一匹残らず血祭りに上げてやるぜ!」
ヴァーシュも引けを取らなかった。すさまじい速度で跳躍し、ハウンドを正面からを鋭いクローでで引き裂く!周りにいたハウンドも力づくでなぎ倒した。人間離れした技だった。
ミントは二人から少し離れた距離で本をかざし口ずさみ呪文を唱えると。魔法具からすさまじい熱波が発生し、ハウンドたちを飲み込んだ。炎属性の術”サンフレイム”だ。10匹ほどのハウンドがまとめて飲み込まれた。10分ほどで50匹いたハウンドは5匹ほどに激減した。逃げるのもいたがアレンはそれを見逃さない。
「逃がすかよ、エンチャント!」
そういいつつアレンは左手で腰のデッキケースからカードを取り出しハンドガンのハンマー部分の差し込み口ににカードを差し込む!入れたのは ”アゲインスト”効果は自分の移動速度を上げる効果だ。ハウンドとの距離を詰め、一撃で全滅させた。
二人は魔物の全滅を確認すると白紙のカードをかざした。でも一度に封印できるのは1人で5匹程度なので、魔物全部を封印することはできない。さらに俺は5枚しかカードを持っていないので結果的に封印できる数は5匹となる。魔物の体が光り、粒子となって吸い込まれていく。これで封印したカードは自分のエンチャントする武器として使うことができる。やがてカードに文字が浮かび上がった。”ファントムクロー”と表示されている。
いま手持ちのカードにはないカードが手に入った。よっしゃ!満足満足。
「さて、モンスターも討伐したし、帰るとするか」
「でもいつもよりは、強敵だったね。ここのモンスターは普段はおとなしい魔物しか出ないのに」
ミントもつぶやく。
「何か魔物の生態に関する異変が起こっているのかもしれんな。明日研究所を訪ねてみたらどうだ?」
「そうだな。明日訪ねてみよう」
歩きながら依頼屋に戻るアレンであった。
この時、俺は思ってもいなかった…。
この現象がただの異変ではないということを。