第一章(3)「シルバートの異変」
~30分後~
準備した2人はシルバートの西門に向かった。ここは凶暴なモンスターは出ない。いたとしてスライムやワーム系のぐらいの雑魚だろうな。
「久しぶりの魔物討伐だけどスライムとか雑魚モンスターか。
期待できそうにないな……」
「何に期待してるの?」
不思議そうに聞いてくるミント。
「いや、持っているカードも5枚程度だし攻撃パターンが一定になるから封印したモンスターから、新しいカード作れたらなと思ったんだけど……」
腰のホルスターに入ってた武器を振り回しながら俺は話す。ちなみに俺の武器はハンドガン型の魔法具だ。
「レアな敵なんてここは出ないって。スライムたちのせいで作物や家畜が被害にあってるんだからそれに集中する!戦闘中に考え事して足元すくわれても知らないからね」
「大丈夫だって。お前も怪我するなよ」
「私強いよ。いざとなったら本で殴るし」
あら斬新。少なくとも魔法使いの女がする戦い方ではないよそれ。そういう彼女の武器は本の魔法具だ。
「職業的にも、物理的にも私の武器は本だから」
そういえばそうでしたわ。いよっ!黒髪の悪魔!
「なんか言った!」
何でもないよ。ナンデモ…。
そういいつつ西門に到着する。確かにモンスターはいた。しかしなぜだろういつもと違う。どう見てもスライムではない。見えたのは黒茶色の群れだった。そう西門の外にいたのはハウンドの群れだった。
ヴァーシュは目を見張った。
「なぜ、こんなところにハウンドが?ここらはスライム程度の
雑魚しか出ないんだがな…。気を付けて戦うぞ、アレン!」
「了解、気を付けて行こう!後ろは任せたぜミント!」
「分かったわ。頼りにしていてね!」
やがて2人と一匹は全速力で魔物の群れへと飛び出した。